ONE N' ONLYが自らに課した『INFERNO』 「このグループに骨を埋める」覚悟、たったひとつの衝動へ向き合う切実さ

ONE N' ONLY『INFERNO』ファイナル公演レポ

 ONE N' ONLYにとって初のアリーナツアーとなった『ONE N' ONLY LIVE TOUR 2026 「INFERNO」』が、ついに幕を閉じた。神戸ワールド記念ホールでの2日間3公演、そして国立代々木競技場 第一体育館での2日間、計5公演。ツアーの名にふさわしく、そのステージは終始、あらゆるものを焼き尽くすかのような熱量に貫かれていた。9月13日、東京・代々木で行われたツアーファイナル公演の模様を振り返る。

 このツアーの核を成していたのは、闇のなかにそびえ立つ一基の塔――「TOWAER OF INFERNO」だ。地の奥底に眠る炎を目指し、5人が階段を降りていく。そんな寓話的な構造が、ライブ全体を貫くドラマとして機能していた。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 メンバー5人は客席の各所から登場し、それぞれの位置からセンターステージへ、そしてメインステージへと収束していく。その足取りはまさに、塔に立ち向かう者たちの行進そのものだ。幕開けを飾ったのは、重心の低い重厚なサウンドが耳を刺す「Beast Mode」。続く「Dark Knight」「BOOM BASH」で畳みかけるダンスナンバー2連発。黒のスーツに身を包んだ5人が繰り出す、アグレッシブでありながらどこまでも冷徹なパフォーマンスに、開演早々、目を奪われた。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 歌唱とダンスのスキルの高さもさることながら、演出面の緻密さも見逃せない。ステージ上にそびえる「TOWAER OF INFERNO」は、楽曲ごとに表情を変え、時に嵐を呼び、時に業火のごとく燃え上がる。その可変性が、彼らのキレのある身体表現をより際立たせていくのだ。続く「FUEGO」では、花道とセンターステージを大胆に使い、メンバー同士が絡み合うような動きで会場の温度を一段階引き上げていく。

TETTA(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)
TETTA

 一転、「イタズラSummer」ではカラフルでスポーティーな衣装へと着替え、空気を一変させる。メンバーはトロッコに乗り込み、アッパーなメロディに乗せてタオルを回しながら場内を周回した。トロッコでの周回は、このツアー初の試みだという。観客との距離が物理的に縮まるこの演出は、メンバーにとってもSWAG(ファンの呼称)にとっても、かけがえのない時間になったはずだ。

HAYATO(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)
HAYATO

 ファンコールで沸き立つ「HOLIDAY」では、間奏に山手線の駅名を連呼するコールアンドレスポンスや「Yes! 東京」のフレーズが飛び出す一幕も。前半のクールな相貌とは打って変わった、やんちゃで無邪気な表情がそこにはあった。その勢いのまま、SNSでも話題を呼んでいる「Samba de Night Fever」へなだれ込む。一度聴いたら離れないキャッチーで中毒性の高い祝祭ソング。しかし、それを単なる盛り上げに終わらせず、ダイナミックなダンスと力強いラップでしっかりと聴かせる構成力にも唸らされた。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 会場が十分にあたたまったところで、「Fiesta」と「EVOL」のマッシュアップが投入される。メンバーがジャンプし、ステージを縦横に駆け巡るたび、客席は熱いコールで応じる。会場でしか味わえない、この一体感こそがライブの醍醐味だと実感していたところに、HAYATOが「おまえら全員愛してるぜ!」と全力で叫んだ。まさしくこの瞬間は、記憶に残るワンシーンだった。

 この日のライブは生配信も行われており、MCの最中にはSNSでのトレンドランキング4位との速報が入った。今回の衣装デザインをNAOYAとEIKUが手がけたことも明かされ、それぞれのこだわりやお気に入りポイントが語られる和やかな場面も。そんななか、HAYATOが口にした「みんなの魂を震わせていきたい」という言葉から、「魂の熱波師」という合言葉が生まれた。この日のライブを象徴する一言として、以後何度も会場に響き渡ることになる。

REI(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)
REI

 MCを挟んで披露されたのはユニット曲。「FREEZE」ではTETTAの伸びやかな歌声とHAYATOのしなやかなラップが交錯し、じっくりと聴き入らせる展開に。「SCARS」ではREI、EIKU、NAOYAの3人が畳みかけるように韻を刻み、心を躍らせた。

 後半戦は一転、スパンコールが光る衣装で再登場。再びダンスナンバー中心の構成だ。「DOMINO」ではポールを軸に旋回したり、オブジェを飛び越えたりとアクロバティックな動きも。「YOUNG BLOOD」ではステージ上部に設えられた真紅の玉座に座るパフォーマンスも織り込まれ、ライブならではの視覚的な仕掛けが存分に発揮された。メンバーが交代で玉座に腰掛けるたび、その場の主役感とオーラが増し、一瞬でも気を抜けばすべてを持っていかれかねないほどの求心力が漲っていた。

EIKU(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)
EIKU

 HAYATOの「ラストスパートだぞ! 全部曝け出せ!」という叫びを合図に、楽曲は「Burn it out」へ。終盤に差し掛かってなお、勢いと力強さは増していく一方だった。すべてを曝け出して終わるしかない。そんな気概がひしひしと伝わってくるステージだった。REIが放った「俺たちは今日のSWAGを忘れないために歌うんだ」という言葉、そしてTETTAとNAOYAが向き合い、互いの後頭部に手を添えながら歌う姿には、込み上げてくるものがあった。

NAOYA(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)
NAOYA

 本編ラストを飾ったのは、本ツアーのテーマソング「INFERNO」。その名にふさわしく、最後まで熱を絶やさぬパフォーマンスが届けられた。メンバーがステージから姿を消すと、エンドロールが流れ出す。一人ひとりの名前が映し出されるたびに玉座へとメンバーが現れ、最後は「ONE N' ONLY」という名前とともに5人が揃った姿を見せる。扉が静かに閉じると同時に、本編は幕を下ろした。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 アンコールでは、先述のトレンドランキング1位獲得の報告に続き、メンバー一人ひとりが今回のツアーに込めた思いを語った。

 NAOYAは「努力は報われる」という言葉を自らの手で証明したいと語り、挫けそうな瞬間があっても頑張り続ければ必ず花は咲くと、観客にエールを送る。EIKUは、5公演という短いツアーながらも大切な日々を過ごせたと振り返り、『INFERNO』ツアーを通じて新しい夢がひとつ芽生えたことを明かした。SNSに寄せられた受験や友人関係の悩みにも触れながら、「ツラいことも多いけど、楽しいことも同じくらい多い」と自身の日々を重ね、夢を叶えるためにはSWAGの力が欠かせない――そう感謝を伝えた。

 TETTAは、7月から続いたツアーが終わる寂しさを口にしつつ、今回新たな挑戦としてHAYATOと共同制作した楽曲「FREEZE」誕生の裏側を明かした。互いに別の部屋で作詞し、宅録を重ねながら形にしていった楽曲がこうして届けられたことへの喜びを語り、「絶対にドームへ行く」と力強く宣言した。REIは、これまで自分のやりたい表現を優先しがちだったことを振り返りながら、ボイストレーナーとのやり取りを通じて「誰に届けたいか」を意識するようになったことで歌が変わったと語った。そして、今の自分を作ったのはスタッフとSWAGの存在だとし、「このグループに骨を埋める」という覚悟を口にした。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 そして最後にHAYATOは、今回のツアータイトル『INFERNO』に込めた思いを語り、制作期間は「まるで修行のようだった」と明かした。セットリストやパフォーマンスを通じて見えてきた“ワンエンらしさ”を共有しながら、SWAG一人ひとりに「自分らしく、熱く生きてほしい」とメッセージを送る。そこには、目標である東京ドームへの思いも滲ませるのだった。

 さらにこの日は、メジャー2ndアルバム『MEGA GOLDEN』のリリースも発表され、会場は歓声に包まれた。畳みかけるように披露されたのは、同作リード曲「Golden Sun」の初パフォーマンス。ツアーの締めくくりに新たな幕開けを重ねてみせる、まさにサプライズと呼ぶにふさわしい瞬間だった。

ONE N' ONLY(撮影=umihayato/カワドウ/島崎信一)

 クールに削ぎ落とされたダンスナンバーも、無邪気にはしゃぐコールアンドレスポンスも、玉座の上で放たれる静かな威圧も、すべてが「魂を震わせたい」というたったひとつの衝動に向かって集約していく。ステージの熱が客席の熱と共鳴し、もう一段大きな炎になっていく瞬間を、この夜、たしかに目撃した。ONE N' ONLYが自らに課した『INFERNO』という名は、伊達ではなかった。次に彼らが目指す東京ドームで、この炎がどこまで燃え広がるのか。その続きが、待ちきれない。

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