ちゃんみなが刻んだ唯一無二の生き様 27年間の集大成、愛と人間力の結晶ーー“伝説”の東京ドーム公演を見て

ちゃんみな、“伝説”の東京ドーム公演レポ

 ちゃんみな自身初となる東京ドーム公演『AREA OF DIAMOND FINAL』が、7月11、12日の2日間にわたって開催された。本稿では、劇的なドラマが巻き起こったDAY2の模様をレポートする。

 これまでの『AREA OF DIAMOND』シリーズを思わせるモチーフが盛り込まれたオープニング映像に続き、ステージ上の巨大な扉が開く。上空のショーケースの中には、アイウェアを装着し、シルバーの衣装をまとったちゃんみなの姿があった。1曲目は「KING」。しかし、歌声もバンドの演奏も、明らかに音量が小さい。ドームを埋めたオーディエンスはハンドクラップで彼女を後押しするが、「KING」が終わり、しばし静寂が訪れた。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 「無理無理無理! 東京ドームには魔物がいるって聞いたけど、こういうこと? 結構かっこよく登場したよ私(笑)? じゃあもう一回最初からってこと?」というちゃんみなの声が流れる。どうやら機材トラブルが発生したらしい。前代未聞のハプニングにもかかわらず、ちゃんみなはユーモアを交えながら、「みんな座ってて」とオーディエンスを気遣う。ライブは一時中断。

 しばらくして、ライブは再開。再びショーケースの中から「KING」を歌うちゃんみな。「相手してやるよ! かかってこいよ! 東京ドーム!」という怒号のような開幕宣言が響いた。微笑を浮かべながら、「今までどんなもん相手にしてきたと思ってんだよ! 東京ドームの魔物、行くぞ!」ーーその姿は、あまりにもかっこよかった。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 最初のMCでも、「初めてだよ、かっこよく出てきた時に(ショーケースの扉を)閉められたの(笑)。これが東京ドームにいる魔物か。何を隠そう、私はちゃんみなですから。無駄に場数踏んでないし『なめんなよ!』って思ってる。今日は魔物がいるってことが確かにわかったので、ボコボコにして帰るわ!」と宣戦布告。

 筆者は2日間ともライブを観ることができたのだが、思わぬハプニングの影響かどうかはわからないが、ちゃんみなのパフォーマンスはあらゆる面でパワーアップしていたし、共に困難を経験したオーディエンスとの共闘感が半端ではなかった。「NG」、「^_^」、「PAIN IS BEAUTY」、「I’m Not OK」、「美人」、「WORK HARD」、「B級」「ハレンチ」、「Never Grow Up」、「花火」、「SAD SONG」ーーどの楽曲でも、特大のシンガロングが巻き起こり、ドーム全体がまるでちゃんみなの“仲間”のようだった。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 メジャーデビュー10周年という節目に実現した東京ドーム公演ということもあり、メジャーデビュー曲「FXXKER」、「Princess」という初期の楽曲が続けて演奏されるなど、メモリアルなライブであることをひしひしと感じさせるセットリストとなっていた。ちゃんみなという唯一無二のアーティストの実力と魅力、そして、これまでの歩みを最大限に閉じ込めた素晴らしい演出の数々は、観る者を圧倒し続けた。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 ちゃんみなは7歳の時から、日々の出来事をノートに綴ってきた。自らの分身でもあり、これまでリリースしてきた楽曲の源泉とも言えるノートがステージに出現すると、中からちゃんみなが姿を現し、「note-book」を歌唱。「太陽」では、『AREA OF DIAMOND 2』での同曲を想起させる大量の雨が降り注いだ。さらに、16歳の頃からファンだったというiKONのBOBBYが登場し、2024年にリリースしたコラボ曲「무중력 (harmless 無重力) Feat. CHANMINA」を、2人とも気球に吊られた状態で上空を移動しながら、スリリングにラップを交わし合うという驚愕の一幕も。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 LEDビジョンにドームのバックステージで「Angel」を歌うちゃんみなの姿が映し出された後、メインステージにちゃんみなが現れる。「おかえり!」という言葉に続いて登場したのは、「Angel」のMVで恋人役を演じ、当時ちゃんみなのバックダンサーも務めていたINIの西洸人。「Let you go feat. HIROTO (INI)」を初披露するという、感動的なサプライズが用意されていた。

 その後、西はちゃんみなに宛てた手紙を読み上げた。いかに彼女が愛に溢れた人間かが、この上なく伝わってきた。さらに西たってのお願いにより、かつて共にバックダンサーを務め、今もちゃんみなのクリエイティブを支え続けているMiQaelとGENTA YAMAGUCHIを呼び込んだ。ステージが涙に包まれる中、ちゃんみなは「いつも愛を持って生きてきたし、みんなが生きていてくれたから、こうやってまた一緒にステージに立てたね」と優しく微笑んだ。

 ちゃんみなが物心ついた頃から、いかに「アーティストになる」という強い意志を持ち続けたか。夢を叶えるために、どれだけ努力を積み重ねてきたか。数々の苦難を経験しながらも、痛みや傷を音楽に昇華し、美しく咲き続けてきたかーー。数々の素晴らしいサプライズや演出を通して伝わってきたのは、ちゃんみなに宿る圧倒的な愛と人間力だ。〈見失うな何が本物かを/結局最後は人間性が言うものを〉という、「NG」のリリックをまさに自らの生き様で証明し続けた約2時間半だった。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

 現在、ちゃんみなは6枚目のフルアルバム『LEGEND』のリリースを控えている。この日は『LEGEND』に収録されるラップチューン「NAME CARD」が初披露されたほか、本編のラストにはタイトル曲「LEGEND」が据えられた。「物心ついた時から音楽を始めて、絶対にアーティストになるって決めてました。でも、私にとって東京ドームは、宇宙人がいるかいないかっていうぐらい不透明なもので、現実になるなんて思わなかったです。私がどうやってここまできて、どうやって音楽を愛してきたのかを最後に伝えて、お別れしたいと思ってます」と告げ、ちゃんみなは手にした紙を朗読。自身の27年間を凝縮し、彼女が今も生きている理由そのものが詰まった「LEGEND」を歌い終えると、「あなたは誰かの夢です。私の夢です。ちゃんみなでした」と口にし、ステージから去った。

 生き抜いてくれて、音楽を続けてくれてありがとうーー心からそう思った。メジャーデビュー10周年という節目に相応しい、伝説的な東京ドーム公演だった。

ちゃんみな(撮影=田中聖太郎)

■セットリスト
ちゃんみな『AREA OF DIAMOND FINAL』
2026年7月12日@東京ドーム 

M01. KING
M02. RED
M03. NG
M04. Sober
M05. Fxxker
M06. Princess
M07. ^_^
M08. note-book
M09. 太陽
M10. Good
M11. ダリア
M12. PAIN IS BEAUTY
M13. I’m Not OK
M14. 美人
M15. NAME CARD(新曲)
M16. I’m a Pop
M17. WORK HARD
M18. 無重力 feat. BOBBY (iKON)
M19. B級
M20. ハレンチ
M21. Angel
M22. Let you go feat. HIROTO (INI)
M23. Never Grow Up
M24. 花火
M25. LEGEND(新曲)
En01. LADY
En02. SAD SONG

美空ひばり、渡辺美里、安室奈美恵、矢井田 瞳、ちゃんみな……“時代の鏡” 東京ドームに立った12人の女性たち

1988年の開場以来、この会場に立つことが、その時代のひとつの象徴になる。そんな意味を持つ、特別な会場にたどり着いたソロ女性アー…

Ado、HANA、ちゃんみな、リーダーズ……LAの音楽フェス『Zipangu』オフショット大量投稿 「誇らしい」「かっこよすぎ」

アメリカ・ロサンゼルスにて開催された日本音楽フェス『Zipangu』に出演したMAN WITH A MISSION、新しい学校の…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる