大原櫻子、30歳で迎える新境地 “原点”と“今”を詰め込んだサマーソング「まるでサイダー!」に迫る

大原櫻子、30歳で迎える新境地

 2026年1月に30歳の節目を迎え、アーティストとしてさらなる進化を遂げている大原櫻子。今年一年の幕開けには、阿部真央とのタッグで剥き出しのロックナンバー「裸になって」をリリースし、新境地を見せたことも記憶に新しい。

 そんな彼女が7月15日、瑞々しいサマーチューン「まるでサイダー!」を配信リリースした。今回リアルサウンドでは、原点の“キラッと感”を宿しながらも最新モードが凝縮された本作について、楽曲のユニークな解釈や「声帯をぐっと広げた」という緻密なこだわりを徹底解剖。さらに、バンドメンバーを一新して臨む10月の全国ツアー『REFRESH』で彼女が目指す“新しい景色”やこれからについて語ってもらった。(編集部)

「2026年の新しい大原櫻子もぎゅっと詰まっている曲」

──以前取材をさせていただいた際は28歳で、30代へ向けてのお話も聞かせていただきましたが(※1)、実際に今年の1月に30歳を迎えられていかがですか?

大原櫻子(以下、大原):実感はあまりないですね。病院とかで自分で年齢を「30歳」と書いたときに「あ、私30なんだ」って思うくらいで、思ったよりも何も変わらないかも。それこそ体力が急に落ちるとか、30歳を実感するのかなと思っていたのですが、それもなかったし。

──30歳はまだまだ落ちないですよ!

大原:そうですかねえ。舞台で共演した女優のお友達が「32歳で一度ガクッと体力が落ちる」と言っていたので、「あと2年か」と思いながら(笑)。自分は大丈夫そうな気もしていますが、一応覚悟しています(笑)。

──「30代からが楽しい」ということもよく言われますよね。

大原:そう。30歳になる前は「大人の一歩だ」と思っていたんですけど、実際になってみると、相変わらず楽しく遊ぶしはしゃぐし、「まるでサイダー!」みたいな明るい曲も歌いますし。いい意味で全然変わらないですね。

大原櫻子(撮影=はぎひさこ)

──「まるでサイダー!」のお話を伺う前に……今年1月にリリースされた「裸になって」についても聞かせてください。この曲は阿部真央さん作詞作曲で、10年以上活動されているのに、また新しい大原さんが見えた楽曲です。

大原:デビュー当時、私も阿部真央さんもギターを持って歌うから“ギター女子”と呼ばれていて、同じイベントだけど別日に出る、みたいなことがよくあったんです。だからといってゆっくり話をしたことはなくて、私の中で真央さんは“めちゃめちゃカッコいい女性”というイメージでした。勝手に、強い意志を持って旗を掲げている女性像みたいなものを抱いていて。今回、ディレクターさんと話をして「阿部真央さんに曲を書いてもらうのはどうか」という提案があって「ぜひお願いしたい!」とご相談することになったんです。

──そうだったんですね。

大原:真央さんにはロックなイメージがあるので、ライブでオラオラ煽るような曲を作ってもらおうと思っていたんです。だから初めてお会いしたときに、私の曲の中でもみんなを煽る「READY GO!」を聴いてもらいました。そのうえで、「わかりやすいロックンロールよりも、ちょっとセンシティブな女性の心情を描くような、ふつふつと湧いているようなロックのほうがいいんじゃないか」という話になって。そこからいろいろな話し合いを重ねて出来上がったのが「裸になって」です。

大原櫻子 - 裸になって(Official Music Video)

──最初に「裸になって」を聴いたときはどう思いましたか?

大原:これは新境地だなと思いました。真央さんとタッグを組んで“新しい大原櫻子”を見せるにはぴったりな曲だし、私の中にもある、ある種怨念のような、元気さとはまた違う生命力みたいなものが表現できたらいいなと思いながらレコーディングしました。

──最初に聴いたとき、歌い出しのボーカルから大原さんなのかわからないくらいで。新たな大原さんを感じました。

大原:ありがとうございます。仮歌を真央さんご自身が歌ってくれていたので、影響を受けているんだと思います。恋愛が終わったときの絶望感や、感情も生まれてこないような喪失感みたいなものの表現方法という意味でも、新たな引き出しをもらえたと思います。

──ライブでも歌われていると思いますが、ライブで歌唱してみていかがですか?

大原:3月にやったビルボードツアー『大原櫻子Premium Concert 2026 「Not just I 3」』では、夜桜がデザインされたギターを持って歌わせていただきました。しっとり始まるけど、最後は心の叫びを吐き出すようなカッコよさも出して。楽曲はレコーディングしたものが完成なのではなく、ライブで披露して完成だと常に思っていますが、この曲はなおさらライブで歌って完成する曲だなと思いました。

大原櫻子(撮影=はぎひさこ)

──そして「裸になって」の次にリリースされるのが、瑞々しい「まるでサイダー!」。「裸になって」とは対照的な爽やかな夏曲です。

大原:これまでに、「真夏の太陽」という夏曲や「明日も」というポップな曲を出していたのですが、久しぶりのポップで明るい曲です。歌っていても非常に元気になりますね。

──やはり大原さんってこういうポップな明るい楽曲が似合うなと思いました。

大原:嬉しいです。でもあの頃とは違って、韻の踏み方や歌詞にユニークさも加わっていて。原点を振り返れるような曲でもありながらも、2026年の新しい大原櫻子もぎゅっと詰まっている曲なんじゃないかなと思っています。

──夏の曲やポップなものを出したいということで、この曲が生まれたんですか?

大原:そうです。夏フェスに出させてもらうことも決まっていたので、ライブ映えしそうな曲を作りたいなと思いながら選曲しました。いろいろな候補曲を聴かせていただいたんですが、この曲を聴いたときにグッと掴まれて「これだ!」と思いました。

大原櫻子 - まるでサイダー!(Official Music Video)

──この曲について「原点を振り返れるような曲でもありながらも、2026年の新しい大原櫻子もぎゅっと詰まっている」と説明してくださいましたが、さりげなくメロディラインが複雑だったりして、歌ううえでは難しさもあったのではと推測しましたが、いかがでしたか?

大原:確かに最初は「複雑だ」と思っていた自分もいたはずなんですけど、歌い慣れてくると、逆にそこにいかないと気持ち悪くなってしまったりして。今はすごく歌いやすいです。

──楽曲の内容でいうと、学生や青春時代を思わせるような歌詞ですが、大原さんはどのような楽曲だと捉えましたか?

大原:私はこの曲の主人公を“男の子”だと思っていて。今日の取材で話していると、結構皆さん主人公を“女の子”だと思って聴いているみたいで、驚かれるんですよ。

──私も女の子だと思って聴いていましたが、男の子と言われると、「そうかもしれない」と思いました。

大原:〈「君が好き。」〉ってあるじゃないですか。そこからなんとなく男の子なのかなって思ったんです。ちょっとウブというか、恋愛下手の男の子で、見た目は全然派手じゃないんだけど、心の中でサイダーの泡みたいに好きな気持ちが溢れているというイメージ。そういうキュンとする感じを想像しながらレコーディングしました。

──具体的な主人公をイメージしながら歌うと、ボーカルの表現も変わりますか?

大原:そうですね。イメージが具体的だからこそ、“キラッと感”は増したのかなと思いました。それこそ「裸になって」とは全然違うテイストの曲なので、できるだけ“キラッと感”や青春のような雰囲気は出そうと意識しながら歌いました。

大原櫻子(撮影=はぎひさこ)

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