ラジオ発『野球少女鷲尾』はどう実写化された? 乃木坂46 川﨑桜&小川彩が体現した“好き”の熱量
写真集やドラマ経験を経て進化する川﨑桜&小川彩の表現力
川﨑と小川は、ともに乃木坂46の5期生でありながら、ここ最近はそれぞれ異なる形で個人としての存在感を高めている。鷲尾を演じる川﨑は、今年4月に1st写真集『エチュード』(新潮社)を発売。フランスのパリとニースを舞台に、大人びた表情から無邪気な笑顔まで、22歳の“今”を切り取った一冊となった。グループの中で見せる“さくたん”とはまた違う、ひとりの表現者としての川﨑桜を印象づける機会にもなったと言っていいだろう。
川﨑と言えば、加入当初からフィギュアスケートの経験を持つメンバーとして注目され、可憐さやあざとかわいいキャラクターで人気を集めてきた。そんな彼女が今回演じる鷲尾は、好きなものを持っているのに、素直に出すことができない人物だ。川﨑は野球の話になると一気に前のめりになる明るさと、話しすぎたことに気づいて少し気まずそうにする表情で、そうした鷲尾の不器用さを上手に体現していた。象徴的なのが第3話だ。スポーツバーの面接を受けていた金森の前に、鷲尾が野球中継さながら実況しながら現れる場面や金森に早口でキツネポーズを説明するシーンでは、普段のおっとりとしたイメージからは想像できない明るさと勢いがあり、川﨑の新たな一面が見えた。
一方、小川にとっても、本作は意味のある出演と言えるだろう。小川は5期生の最年少メンバーとして加入し、グループ内でも妹的な存在として親しまれてきた。だが、2026年春に高校卒業を迎えたことで、グラビアでもこれまでのあどけなさと、大人へ向かう空気の両方を見せるようになっており、“最年少のあーや”から、ひとりの表現者として次の段階へ進むタイミングにいるのだ。
2025年には『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)に関谷ふゆ子役で出演。同年にはTikTokショートドラマ『奏のララ』で初主演を務め、金髪ギャル姿というこれまでのイメージとは異なるビジュアルにも挑戦した。そんな小川が演じる金森は、鷲尾とは対照的なキャラクターで、強烈な“好き”を持つ鷲尾を前にして戸惑いながらも、その真剣さに少しずつ惹かれていく。その変化を、小川は、金森が鷲尾に振り回されるだけではなく、自分自身の気持ちにも向き合っていく姿を、あくまでも自然体で演じていた。これまでのドラマ出演で培ってきた経験が活かされた役とも言えそうだ。
ラジオから生まれ、リスナーに育てられ、漫画を経て、実写ドラマへ。鷲尾史保は、乃木坂46にまつわる登場人物の中でもかなり珍しい歩みをたどってきた存在だ。『野球少女鷲尾』は、ラジオを聴いてきた人にとっては“鷲尾さん”の新しい姿として、初めて触れる人にとっては自分の“好き”を肯定してくれる青春ドラマとして楽しめる作品になっている。
この投稿をInstagramで見る


























