AA=とDragon Ashがフルスロットルで激突 憧れとリスペクトが交差した『X-FADER CIRCUIT』で示すカルチャーの連鎖

 Dragon Ashの熱いステージを受けての、AA=。MCでも話していたが、この日がAA=にとって2026年最初の(!)ライブでもあった。昨年4月に「#」シリーズの5年ぶりとなるニューアルバム『#7』をリリースし、アルバムを携えたツアーを行なったAA=。その追加公演『AA= TOUR #7 extra -VERY MERRY DISTORTION DAY-』を2025年12月に開催して以来となるので、半年ぶりのステージだ。

 Dragon Ashでの興奮が冷めないどころか、ディストーション、歪みサウンドに飢えた観客のボルテージはライブ開始前からマックスの状態で、歓声や手拍子が巻き起こる。その熱狂を、「WAKE UP NOW (DROP THAT SxxT)」でブーストさせると「LOSER」「KURUU SONG」と連投してスピードを上げていく。YOUTH-K!!!(Dr)の高速で重たいビートが早速観客をジャンプさせ、フロアはもみくちゃだ。そこに児島実(Gt)と上田剛士(Ba/Vo)がノイジーでいてキャッチーな歪みの音色を轟かせ、白川貴善(Vo)がエネルギッシュにアジテートする。ワンマンや作品を冠したライブでのドラマ性とも違う、対バンライブならではの荒々しさやパワーをフルスロットルにしたライブだ。とくに「KURUU SONG」でのマシンガン的に打ち込んでくるボーカルとビートは凄まじく激しい。

上田剛士(Ba/Vo)
白川貴善(Vo)
児島実(Gt)
YOUTH-K!!!(Dr)

 重厚感を増して畳み掛ける「FIGHT & PRIDE」ではインダストリアルなサウンドを煽るように、勢いよくスモークが上がっていった。怒涛の曲の連投から一息入れるように改めて挨拶をした上田は、このライブが今年初になったことを告げ「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と笑顔をのぞかせる。フロアからは、「待ってたよ!」の声が方々から上がるなかで、「今年のライブもゴリゴリに歪ませていくのでよろしくお願いします」と告げると、「NOISE OSC」から「FLY」へとなだれ込んだ。

 上田が生み出すノイズから、バンドが加わってブルータルなビートでフロアをなぶる「憎悪は加速して人類は消滅す〜Hatred too go fast, Vanishing all human〜」で会場の熱気を上げたところで、上田はこの日のゲスト、ラッパーのJUBEEをステージへと呼び込んだ。演奏するのはもちろんコラボレーション曲「Re-create -AA= ver.- feat. JUBEE」だ。ノイジーなサウンドに乗せ白川とJUBEEが掛け合い、コール&レスポンスを繰り広げる。90’sのロックやメタルとヒップホップのクロスオーバーや、ミクスチャーサウンドの空気感を漂わせるノリに、観客が歓声をあげ、軽快に飛び跳ねる。JUBEEにとっては上田、そしてDragon Ashもアイドルだ。そんな両者が揃ったステージに立っている喜びや、彼らから受け取ってきたものをまた繋いでいく思いを語る。90年代初頭にパンクやハードコアを根っこに、ヘヴィサウンドやデジタルサウンドも貪欲に飲み込んだ騒々しくも新しく、尖りまくったミクスチャーサウンドで国内外で活動をしてきたTHE MAD CAPSULE MARKETS。その音楽は止まることなくAA=でも進化を遂げながら、1音でそれとわかるアイコニックなサウンドへと日々磨き上げられている。サウンドのジャンルや形でなく、アーティストの姿勢を受け継いで、Dragon Ashはロックシーンで、JUBEEはさらにロックやクラブシーンを自由に行き来する活動を続ける。このことについて上田が明言するようなことはなかったものの、こうして三世代で繋がっていること、カルチャーの豊かさが実際にステージで見えたことも、対バンライブの良さだろう。

JUBEE、上田剛士

 いつもながら長いMCなどはなく、間髪入れずに曲を聴かせるステージとなったライブ。後半は、アルバム『#7』のなかでも、同じ世代をともに駆け抜けてきたファンや仲間へ呼びかけるような「30 YEARS, STILL GOOD GIRL」にはじまり、アルバムでは盟友SHIGE(WRENCH)をゲストに迎えた「BE LOST...」へと続いて、YOUTH-K!!!のパワフルなドラムを堪能させてくれた。そしてここからはさらに畳み掛けるように、ライブのアグレッシブな定番曲をフロアに投下し、もみくちゃにしていく。ライブで爆発的なクライマックスを生む「posi-JUMPER」といった馴染みの曲に新たなアンセムとして加わったのが、アルバム『#7』からの「ALL ARE UNITED」。拳を掲げての大合唱が起こるフロアは、すでに何年も重ねてきたような高揚感で満ちていた。

 「Dragon Ash、ありがとう。最高の後輩です」。そう語った上田は、「1曲、最高にかっこいい曲やってたね」とTHE MAD CAPSULE MARKETのカバーをやってくれたことを嬉しそうに告げた。そして「まだあの曲やってないよね」とKjを呼び込むと、コラボ曲「M SPECIES(AA=×Kj (Dragon Ash))」を披露した。ちなみにこの曲は、Kjが上田からデモをもらいやりとりする形で作られたが、頭のフレーズはTHE MAD CAPSULE MARKETの「HI-SIDE」の歌詞をオマージュしたもの。随所でTHE MAD CAPSULE MARKETや上田が生み出す音楽への愛で溢れた曲でもある。『AA= X-FADER CIRCUIT』第1弾は、Dragon Ashがゲストだからこその曲、両者の関係性がわかる曲でライブを締めくくった。

 終演後には、9月23日に山嵐を迎えて『AA= X-FADER CIRCUIT』の第2弾の開催、また2027年1月までの日程が発表された。それぞれのゲストにちなんだ、各公演ならではのライブとなると思うので、楽しみにしたい。

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