KREVA、すべてを“自ら手掛ける”トラックメイカーとしての矜持 激動の40代を経て、50代を迎える胸中に迫る

90年代ヒップホップの面白さ、幅広い世代へ波及していく音楽

――ヒップホップDJ関連でいうと、最近はどんなものを聴かれていますか?

KREVA:90年代の初めの方のヒップホップを聴いては、そのサンプリングソースを聴いての繰り返しをずっとやってますね。LL Cool Jなら『Mama Said Knock You Out』(1990年)とか、中学生の頃に聴いてた曲とか。それよりもっと前の、いわゆるオールドスクールヒップホップも聴いています。Funky 4 + 1(ブロンクス出身のヒップホップグループ)とか、クラブで先輩のDJたちがかけていたような自分がリアルタイムじゃなかったアーティストも、今ならストリーミングサービスですぐに聴けるし。「女性のMCがグループにいるのっていいなぁ」とか。一方で、ストリーミングでは聴けないものにも強烈な魅力を感じますね。

――KREVAさんが感じる90年代初頭のヒップホップの面白さとは?

KREVA:ループ・オン・ループ。ちょっと専門的な話をすると、93、4年ぐらいからドラムループがあっても全部バラして自分なりに打つようになっていくんですけど、 92、3年ぐらいだと、ドラムのループにネタのループを重ねて、さらに違うネタのループを入れていくというループ・オン・ループの世界観なんですね。それって、世の中にサンプルがたくさんある今だとアプリなんかで秒でできるんですよ。でも、当時はそれができない世の中だったのに、「何でこんなことが可能だったんだ?」って驚かされる。そのエナジーやパワーの面白さが、多少グレーな部分も含めて最高に面白くて。

 あとはマインド。いくらでもいじれるのにあえていじらない潔さというか、いいと思ったら貫き通す潔さとシンプルさにも惹かれますね。そういうマインドって、何でもできる今の世の中こそ持っとくと面白いんじゃないかなって。

――なるほど。さて、本作のリリース日6月18日はKREVAさんの50回目のバースデーです。移籍、コロナ禍、独立、お母さまの逝去と、まさに40代は激動だったんじゃないかと思うのですが。

KREVA:うん。まあ、「40代、結構つらいよ?」というのは後輩たちに伝えていこうかなと思ってますよ。リリックで言えることも言いたいこともどんどんなくなっていくし。たとえばヒップホップの特徴的なスタイルの一つにはフレックス――つまり“自分自慢”があるんですが、これまでに本物の富豪みたいな人もそれなりに見てきたのに、50歳にもなって「いくら稼いだ」とか言ってもしょうがないし、モテ自慢しても何かバカみたいじゃないですか。

――モテ自慢はちょっと聞きたいけどね。勇気が湧きそうだし(笑)。というのはさておき、KREVAさんのファン層は本当に若い世代まで幅が広いじゃないですか。

KREVA:先日、『日比谷音楽祭 2026』で久々に新しい学校のリーダーズに会ったんだけど、彼女たちにとってKREVAと言えば『嘘と煩悩』なんですって。たぶん最初に触れた曲なんだろうけど、そういうことを言ってくれる世代がいるのは嬉しいし、驚かされますね。

――あと、KREVAさんって今のところは枯れてどうこうというキャラクターでもないから人生訓を声高に歌うのもやや違うんだろうし、懐古的なものや懐メロ感も良い意味で似合わないし。

KREVA:若い子に言いたいことでいえば、まさに「Expert」が珍しくそれだったくらいですね。懐古感のあるものも、やるなら自分でやるんじゃなくて誰かにやってもらってプロデュースに回るとかしないと、確かにちょっと嘘っぽくなっちゃう気がする。それに、「辛いよ?」とか「大変だよ?」みたいな現実ばかりライブで歌われても、そんなのみんな聴きたくないじゃないですか。

――そうかもね(苦笑)。今回、この『BEST OF MIXCD NO.3』の原曲が入ったオリジナルアルバム5作のインスト盤も配信限定で同時リリースされます。これって、つまりは「リーガルな範囲でいくらでもDJやMIX素材に使ってくれよ」という解放というか、シェア的な試みですよね。

KREVA:そうそう。ネタで使ってくれる人がいたらいいなぁって。何ならこれまでに作ったミックスのストックも無尽蔵にあるし、そういうのもどこかで世に出せればいいんですけどね。本当、ミックスだけで生計が立てば最高! ……というのは冗談ですけど。

――そうしたミックスや新たなトラックからまた歌詞の発露が導き出されるのだろうし。

KREVA:次のアルバムももうサウンドは見えているんだけど、俺の場合、導き出すまでが大変すぎるし長すぎて……もっとパパッと思い付きたい(笑)。

――期待しています。最後に改めて『BEST OF MIXCD NO.3』のリコメンドをお願いします。

KREVA:いろいろ話したけど、まずは理屈抜きで、家事やドライブの時にでも流しっぱなしにしてもらえたらと。聴こうと思って聴く音じゃなくて、何となく生活の環境音やノイズと一緒に混ざり合っていく作品だと思うので。そのなかで、ふとした瞬間に、「あ、このメロディ、いいな」とか「このビート、気持ちいいな」と意識が向いてくれたら最高に嬉しいですね。

■リリース情報
『BEST OF MIXCD NO. 3』
2026年6月18日(木)発売

『BEST OF MIXCD NO. 3』

品番:VICL-66153
価格:¥3,000(税抜)

特設サイト:https://bestofmixcd.kreva.club/
購入URL:https://jvcmusic.lnk.to/BestOfMixCD3_package

<収録曲>
1.君の愛 Bring Me To Life (Inst.) (Mixed)
2.あえてそこ (攻め込む) (Inst.) (Mixed)
3.タンポポ (Inst.) (Mixed)
4.Knock (Inst.) (Mixed)
5.All Right (Inst.) (Mixed)
6.Sanzan (Inst.) (Mixed)
7.FRESH MODE (Inst.) (Mixed)
8.次会う時 (Inst.) (Mixed)
9.想い出の向こう側 (Inst.) (Mixed)
10.って (Inst.) (Mixed)
11.人生 (Inst.) (Mixed)
12.居場所 (Inst.) (Mixed)
13.Forever Student (Inst.) (Mixed)
14.One (Inst.) (Mixed)
15.Expert (Inst.) (Mixed)
16.クラフト (Inst.) (Mixed)
17.変えられるのは未来だけ (Inst.) (Mixed)
18.もう逢いたくて (Inst.) (Mixed)

<購入者特典>
『BEST OF MIXCD NO. 3』を1トラック形式で「ダウンロード」または「アプリで再生」できるパスコード封入

<配信アルバム5タイトル>
・『噓と煩悩』Instrumentals

『噓と煩悩』Instrumentals

・『存在感』Instrumentals

『存在感』Instrumentals

・『AFTERMIXTAPE』Instrumentals

『AFTERMIXTAPE』Instrumentals

・『LOOP END / LOOP START』Instrumentals

『LOOP END / LOOP START』Instrumentals

・『Project K』Instrumentals

『Project K』Instrumentals

配信リンク:https://lnk.to/KREVA_MIXCDInstrumentalAlbums

■アイテム情報
KREVAとALMOSTBLACKが新たなカプセルコレクションを発表 。
GHOST ALMOSTBLACK ラインとコラボレーションし、全10アイテムを展開。

ALMOSTBLACK Official Website
https://almostblackofficial.jp/

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