“奇跡”じゃないけど“普通”でもない――FUNKY MONKEY BΛBY'S×いきものがかり、戦友2組の20年と果たされる約束

FUNKY MONKEY BΛBY'Sといきものがかり。ともに2006年デビューで、今年メジャーデビュー20周年を迎えた2組からコラボソング「奇跡じゃない」が届けられた。
6月21日、6月22日に東京ガーデンシアターで行われる『FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 20周年対バンライブ 〜あの日の約束ハタチまSHOW!!〜』に向けて制作されたこの曲は、いきものがかりにしか生み出せないあたたかいメロディライン、そしてファンモンの力強いラップがひとつになったミディアムチューン。2組の絆があらためて伝わってくると同時に、リスナーの日常をしっかりと照らしてくれるメッセージソングとしても機能している。
今回リアルサウンドでは、FUNKY MONKEY BΛBY'Sのファンキー加藤、いきものがかりの水野良樹の対談を決行。20年前の出会い、これまでの交流、「奇跡じゃない」の制作から初の対バンライブに向けた思いなどについて語り合ってもらった。(森朋之)
メジャーデビュー同期の戦友2組――20年前、甘くなかった現実

――FUNKY MONKEY BΛBY'Sといきものがかりの出会いは?
ファンキー加藤(以下、加藤):四国のライブハウスですね。ファンモン、いきものがかりと、あとバンドが数組出ていて、そのなかに四星球もいて。香川と徳島のツアーで、僕らもいきものがかりも初めての四国だったんです。
水野良樹(以下、水野):びっくりするくらいお客さんが少なかったんですよ。
加藤:20人か30人くらい?
水野:そのうちの何人かは現地のメディアの方だったから、実際はもっと少なかったかも。たしか、2006年の6月だったよね?
加藤:うん。ファンモンも僕らもメジャーデビューしたばかりで。もうちょっとお客さんがいると思ってたんですけど、甘くなかった(笑)。その時、初めていきもののメンバーにも挨拶して。
水野:メンバーに笠帽子を被ってた人がいらっしゃって。
加藤:DJケミカルさんですね(笑)。今は住職です。
水野:初日は高松DIMEだったんですけど、入り時間に行ったら、笠帽子をかぶった人とやたらガタイがいい人、「旅にでも行ってきたんですか?」という雰囲気の人が向こうからやってきて(笑)。ケミカルさんだったと思うんですけど、「FUNKY MONKEY BABYSです。よろしくお願いします」とすごく丁寧にあいさつしてくれました。見かけのイメージと違って、優しそうな人たちだなって。
加藤:よかった(笑)。
水野:ライブが始まったらすごい熱量で、めちゃくちゃかっこよかった。でも、お客さんの数とまったく釣り合ってなかったという(笑)。
加藤:(笑)。いきものがかりは、当時大学生みたいな雰囲気だったんですよ。
水野:実際、ほぼ大学生みたいな感じだったので(笑)。
加藤:僕らがそのイメージするミュージシャン像とはかけ離れていたし、言い方がアレですけど、お客さんに近いような感じだったんです。正直「大丈夫なのかな?」と思ったんだけど、「コイスルオトメ」を聴いた時に、「すごい!」って身体が動かなくなってしまって。曲のよさ、(吉岡)聖恵ちゃんの歌声の素晴らしさに雷に打たれたみたいになったんです。なのにお客さんがぜんぜんいないっていうギャップ。
水野:そこは同じですね(笑)。
――ファンモン、いきものがかりにもそんな時代があったんですね。
水野:もちろんです。あの光景を共有してるのは大きいのかなと。
加藤:悔しかったからね。だって、いきものがかりはデビュー曲の「SAKURA」で『Mステ』(『ミュージックステーション』/テレビ朝日系)にも出てたでしょ。しかも、CMにもなってて。
水野:NTT東日本の電報のCMだったんですよ。東日本の方々には知ってもらえたんですけど、西日本の皆さんにはまったく届いていなくて。福岡などでも全然チケットが売れなかったんです。
加藤:なるほどね。
いきものがかりは1歩か2歩先に行ってる感覚。嫉妬を抱く対象でもあった(加藤)

――その後、2組ともヒット曲を次々と生み出し、活動の規模が大きくなって。交流は続いていたんですか?
水野:そんなに頻繁に会ってたわけではないんですけど、ちょこちょこ情報が耳に入ってくるんですよ。「ファンモン、SHIBUYA AXでワンマンやるらしいよ」とか。
加藤:「いきもの、ドラマの主題歌だって!」とか言ってましたよ。
水野:そうやって意識しつつ、たまに歌番組の楽屋とかで「お互い頑張ろうね」って話したり。ファンモンのアルバムがCDショップの目立つところで並んでたりすると、「すごいな!」と思いつつ、「負けないぞ」という気持ちになることもあって。ライバル意識がポジティブに働いていた感じでしたね。
加藤:まさに。僕らもかなり速いペースでリリースやツアーをやってたつもりなんだけど、いきものがかりは1歩か2歩先に行ってる感覚があって。ちょっと疲弊した時に「いや、いきものも踏ん張ってるし、俺らもまだ行けるよ」と話したり、ずっとパワーもらってるような感じもありました。嫉妬を抱く対象でもあったし、同期の華として常にリードしてくれてる存在でもあったというか。
水野:たとえば絢香さんも同期、同じ年にデビューされてるんですよ。これはちょっと不思議なんですけど、絢香さんは一気にスターダムを上がっていって、ほのかな悔しさはありつつ、でも「だって絢香さんはスターだから。自分たちとは違う存在だよね」みたいな感じだったんです。だけど、ファンモンはそうじゃなくて、同期が大きい会場でライブをやるって聞くと「僕らも頑張らないと!」と思ってしまう(笑)。
加藤:ははははは!
水野:悔しさと嬉しさが混ざりつつ「一緒に頑張ろうぜ」みたいな。
――ファンモンといきものの音楽性はかなり違いますが、お互いをどんなふうに評価しているんでしょう?
水野:いちばんは、やっぱりライブかもしれないですね。全力で声を上げて、拳を挙げて、酸素缶を吸入して、めちゃくちゃ汗かいて。まっすぐにやり続けることの強さって、ほかにはないものだと思うんですよ。僕らがデビューした頃って“真ん中”をやるのが恥ずかしいみたいな空気があった気がして。当時のライブハウスには、どれだけ個性があるか、どれだけ普通のJ-POPと違うかを競ってる人たちが大勢いましたからね。そんなかで僕らは「J-POPです」と言ってデビューしたんですけど、パッと横を見たら、FUNKY MONKEY BABYSの3人がいたんですよ。たしかにジャンルは全然違うんだけど、変にかっこつけることなく、きれいごとだとか何だとか言われても「これが自分たちだ」って貫いて。それがすごく心強かったし、自分たちもそうありたかったんですよね。
――やりたいことを貫く強さがあった、と。
水野:そうですね。ちょっと話は変わっちゃうんですけど、2006年に四国で観たライブと2013年の東京ドーム、僕からするとまったく同じライブをやってたんですよ。
20人くらいのお客さん、しかもファンモンに興味がなさそうなお客さんたちにまで向けて全力で声を挙げてた時と、数万人の観客の前にしたライブが同じって、もちろん簡単にできることではなくて。それを確認できた時は、すごく気持ちよかったですね。
加藤:今も変わってないですからね。デビュー20周年のツアー(『FUNKY MONKEY BΛBY'S 20th anniversary TOUR ~そのまんま東へ西へ~』)で八王子で2DAYSライブをやらせてもらったんですけど、身体がバキバキになっちゃって。次の日、ベッドから起き上がれなかったんですよ。なんでこんなライブスタイルを選んでしまったのか(笑)。
水野:基本的にこう(拳を挙げる)だからね(笑)。
加藤:特に昔の曲を歌うのはキツいんですよね。畳みかけるように歌ってるし、「なんでこんなにブレスが少ないの?」って。




















