“奇跡”じゃないけど“普通”でもない――FUNKY MONKEY BΛBY'S×いきものがかり、戦友2組の20年と果たされる約束

「よく20年目までたどり着いたと思わない?」「思うよ」

――(笑)。では、加藤さんにとってのいきものがかりの魅力とは?
加藤:僕らは勇み足みたいな歌が多いというか、力技で持っていくような感じなんですけど、いきものがかりの曲には余白があるような気がして。水野くんが作るメロディと歌詞、聖恵ちゃんの透明感のある歌の素晴らしさはもちろんなんですけど、聴いてる人がその曲の主人公になれるのがすごいなって思いますね。
水野:ライブのスタイルは年齢とともに変わってきてますけどね。若い時よりもだいぶ落ち着いてきているので。
――ステージでピアノを弾いたり、いろんな挑戦もやってますよね。
加藤:ほんとですよね。聖恵ちゃんとふたりだけでステージに立って、ピアノを弾いて。よくあんなことできるなって思います。
水野:新しいこともちょっとずつ取り入れるというか、だましだましやってます(笑)。でも、よく20年目までたどり着いたと思わない?
加藤:思うよ。一年に一回くらいしか会えないんだけど、そのたびに「お互い、生き残ってるね」って。僕らは一度“解散”という選択をとったし、いきものがかりも活動休止の期間があって、気がつけば「3人組から2人組になった」という共通点ができたりして。何かあるたびにメールのやり取りもしていたんですよ。
水野:いろいろありました。あの四国のライブから20年経って、こうやって活動できていることが信じられない(笑)。
――6月3日には、FUNKY MONKEY BΛBY'S×いきものがかりによる「奇跡じゃない」がリリースされます。どんな経緯で生まれた楽曲なんですか?
加藤:最初のきっかけは僕ですね。数年前から、自分たちの20周年に向けて準備を始めていて。ファンモンは2013年に解散という選択をしたので、(10周年目の)2016年は活動してなかったんです。20周年は僕らにとって初めてのアニバーサリーだし、アルバムも出したいし、ツアーもやりたいし、とにかくいろんなことをやりたくて。その柱のひとつとして、いきものがかりとの対バンライブがあったんです。どうしても実現したかったことでもあるので、まずは水野くんをランチに誘って、ひたすら口説くところからはじまって。
水野:ふたりともあんまりお酒が飲めないから、ランチになっちゃうんですよ(笑)。対バンライブは僕らとしてもやる気満々で、会場を押さえたり、たくさんの人に動いてもらうなかかで正式に開催決まって。「その日にしかできないコラボレーションもやりたいね」ということになり、じゃあ曲を作ろうか、と。すごく自然な流れでしたね。
加藤:……水野くんはこうやってスラスラ話すんですけど、僕としては本当に意を決してお願いしたんですよ。震える声で「対バンしたいんだよね」「曲も一緒にやりたい」って。
水野:すごく深刻そうに話すんですよ(笑)。マジメなんですよね、加藤くんは。
聴いた瞬間にめちゃくちゃ響いちゃって。涙が出てきたんですよね(加藤)

――でも、それくらい強い思いが込められた楽曲なんですね。
加藤:本当にそうです。僕自身、いきものがかりの曲が大好きだから、まずは水野くんに楽曲の土台を作ってもらいたくて。負担をかけることになるから、申し訳ないなと思いつつ……。
水野:毎回深刻そうに連絡してくれるんですよ(笑)。
加藤:「申し訳ない」という気持ちがあるから、声のトーンがどんどん下がっちゃうんです(笑)。
水野:最初にみんなでミーティングした時は、ファンモンといきものがかりの20周年をお祝いするパーティーソングもありかなと思ってたんです。うちでいえば「じょいふる」みたいな、タオルを振ってもりあがれるような曲。でも、加藤くんはすごく真面目に「お互いの繋がりや20年頑張ってきたことを歌いたい」と言うから、もしかしてバラードなのかな、と。「バラードにどうやってラップを入れるんだろう?」と思ったりしながらも、まずはデモを送ったんです。自分としてはたたき台くらいのつもりだったんですけど、加藤くんがえらい感動してくれて。
加藤:聴いた瞬間にめちゃくちゃ響いちゃって。涙が出てきたんですよね。
水野:僕としては本当に仮のデモというか、「この部分はファンモンのおふたりにラップしてもらおう」くらいの感じだったんです。「この方向でいいですか」とやり取りしようと思ったら、いきなり感激してくれたっていう。
加藤:めちゃくちゃよかったんですよ、マジで。そのあとは俺とモン吉がラップの歌詞を書いて、さらに何度かキャッチボールして。
水野:バンドでオケ録りする時も、ふたりがきてくれたんですよ。生で録ったオケに対して、加藤くんがその場でラップを入れてくれたんですけど、「ラップってこうやって作っていくんだな」という新鮮さがあって。
加藤:僕らは打ち込みで作ることが多いので、ミュージシャンの皆さんが生で演奏しているところに立ち会わせてもらって、すごく楽しかったです。しかも、プロデューサーはファンモンの「あとひとつ」をアレンジしてくれた島田昌典さん。尊敬する方が中心にいらっしゃって、もちろん演奏も素晴らしくて。そしたら、ちょっとムラムラしてきちゃったんです。すごいものを見せつけられて、「俺もここで何かを残したい!」「これが自分たちのラップだ!」みたいな感じになって。急遽マイクを用意していただいて、ブースで歌いました。
水野:ライブみたいな感じだったし、ミュージシャンのみなさんも沸いてました。あと、ふたりのラップのフレーズのなかに僕らの曲名が入っていて。それを聴いた時に「ファンモンの曲をイメージさせるフレーズを入れるのもいいな」と思ったし、この曲に対する温度感を初めて掴んだというか。それから歌詞を書き直して、加藤くんに送ったら、また泣いちゃって。
加藤:すぐ泣いちゃうんです(笑)。
水野:レコーディングに安達貴史くん(Ba)が参加してくれたのもよかったよね。四国の時も一緒だったから。
加藤:そうそう。安達くんとの付き合いも長いでしょ?
水野:20年です。当時の話もして、和気あいあいとしてました。




















