20th Centuryは変わることなく唄って踊り続ける アイドル歴30年越え、50代迎えた3人の“包み込むような大人像”
全員50代という節目に見つめ直す“トニセンの原点”
トニセンこと20th Centuryが、約2年ぶりの全国ツアー『20th Century Live Tour 2026 ~唄う人 踊る人』を6月5日より開催。全国8都市、17公演を巡る。ミュージカルやドラマ、バラエティでのMCなど、それぞれの個性を活かしたフィールドで幅広い活躍を続ける3人だが、そのタイトルにあるように、テーマとなっているのはトニセンの原点とも言える「唄うこと」「踊ること」。V6として2015年に音楽特番『ベストアーティスト』(日本テレビ系)に出演した際には、6人全員でバク転を披露して大きな話題となったことも記憶に新しい。
当時、メンバーの平均年齢は38.8歳。それでも6人はそろってバク転に挑んだ。なかでもトニセンは、井ノ原快彦が39歳、長野博が43歳、そして最年長の坂本昌行に至っては44歳という年齢での挑戦だった。その見事なパフォーマンスは、年齢を重ねても貫き続ける、彼らのアイドルとしての矜持をのぞかせるものだった。
あれから11年。2021年にV6は解散し、トニセンとして共に歩み続けることを選んだ3人は、気づけば50代となった。「これからも変わらず唄って踊り続けていきたいと思います」(※1)とは、長野が開催に寄せたコメントだ。
今年4月に30周年を迎えた3人のラジオ『S.I.N NEXT GENERATION』(JFN)でも、3人らしい穏やかな時間が流れている。先日の放送では、「ほぼ10年ぶりにこの番組を聞き始めました」というリスナーからのお便りが届いていた。
高校生の頃に勉強しながら聴いていたが、社会人になって通勤の運転時にラジオを流す時間ができたのだそう。「10年経っても変わらない懐かしさを感じ癒されています」という言葉に、3人は「10年か。戻ってきてくれてよかった」「続けてればね〜」「たまたまかな。“あれ、まだ喋ってる”って?」「嬉しい嬉しい」と笑い合う。
変わり続ける時代に、“変わらず在り続ける”
そんな穏やかな空気感は、彼らの活動の端々にも表れている。3人がプロデュースした喫茶店「喫茶二十世紀」が、2023年11月1日にオープンしたという知らせは、なんて粋なことをしてくれるのかと心が踊ったものだ。
渋谷・神宮前での営業を経て、2025年11月には自由が丘へ移転オープンした「喫茶二十世紀」は「ずっと在り続ける喫茶店」というコンセプトのもと、老舗喫茶店から譲り受けた家具などが再利用されたレトロな空間。昔懐かしいナポリタンをはじめとした美味しいフードに、こだわりのコーヒーを提供する、喫茶文化への深い敬意が伝わる店だ。
大手カフェチェーンでは味わえない、ノスタルジックな時の重なりを感じる雰囲気。古き良き時代と今を結び、これからを生きていくための英気を養うような温かさがある。その佇まいは、50代というベテランの風格をまといながらも、なおアイドルとしてファンを楽しませ続けようとするトニセンそのもののようだった。
変わり続けることが称賛される時代に、“変わらず在り続ける”ことを選ぶのは、実はとても勇気のいることだ。より新しいもの、より刺激的なものへと関心が集まり、その尊さを失ってから初めて気づくことも少なくない現代。だからこそ、今回のツアー開催の知らせに、原点を大切にしながら、変わらない魅力で支持され続ける、トニセンのすごさを再認識させられる。
今年の4月には井ノ原が、松岡昌宏のYouTubeチャンネル「松岡のちゃんねる」にゲスト出演し、アイドルとして青春を共に駆け抜けた者同士として懐かしいトークを繰り広げるシーンもあった。そのとき、井ノ原は「2人(坂本、長野)には甘えてるよ、いまだに」と、大人になっても変わらないトニセンの“末っ子”らしさが垣間見える一言が、自然と口をついて出ていた。
年齢を重ねるほど、1人でなんでもできるような気持ちになったり、あるいは誰かに合わせることが窮屈になってしまう瞬間もある。だからこそ、人々が難しいと思う場面を軽やかに華やかにやってのける姿に、愛おしさと尊敬を抱かずにはいられない。
ライブで、「喫茶二十世紀」の雰囲気を再現しながら、〈大人(俺ら)が楽しんでなきゃさ/そりゃ子供は真似するよな〉と歌う「回れよ地球」を聴くと、彼らが引き受けている“大人像”を実感する。いつでもそばにいて、温かく包み込んで、そっと味方でいてくれる。そんな存在を、やはり「アイドル」と呼びたくなる。
そこにいてくれるだけで、癒される。時を経ても、ずっとそこに在り続けてくれるアイドル。そんなトニセンが満を持して原点を掲げた今回のツアー。老舗喫茶店にも通じる間違いのない安心感と、温かなひととき。それでいて、自分たちらしさへのこだわりと確固たる信念が漂う、そんな味わい深いツアーになることだろう。
※1:https://mentrecording.jp/20thcentury/news/detail.php?id=1131899


























