Ms.OOJA 15周年インタビューVol.3 40代を迎え“寄り添いたい”から“引っ張りたい”へーー集大成=大阪城ホールへの宣誓

2026年2月16日、Ms.OOJAがデビュー15周年を迎えた。リアルサウンドでは、これまでリリースした思い出の楽曲と共に彼女のキャリアを辿るインタビューを3回にわたって連載。第3回では、日本武道館公演を終えて40歳を迎えた2023年から現在まで。アーティストとしても、人としても、成長を遂げた15年間。「苦しい時期も人生に必要なこと」。今一番輝いているMs.OOJAを見ていると、自然とそう思えてくる。そんな彼女はこの先どこを目指していくのだろうか。(高橋梓)
2023年「40」
ーー「40」は9thアルバムの表題曲です。
Ms.OOJA:「30」を出した時に、「10年後は『40』だね」と話していたので、出せたことが嬉しかったです。「30」の頃は10年後に私が「40」を出せる状況にいるのかもまったくわからなかったし、40歳はすごく大人に感じていました。それが“10年目の約束”をしっかり果たせてよかったな、と。それに、素直に自分を、自分の表現したいように形にできたのもよかったです。それこそ私の音楽ですし、一回原点に返った感覚でした。
ーー原点回帰しようと思ったきっかけがあったのですか?
Ms.OOJA:立ち返ろうと思って立ち返ったのではなく、自由度がさらにアップして何も考えずに自分の感性だけで曲を作っていた結果、立ち返っていたんですよね。だからこのアルバムは初期のアルバムに近いかもしれません。そういう意味では、2023年は自分の軸を再確認した1年でした。
ーーなるほど。
Ms.OOJA:しかも「40」は結構悩んだんです。制作自体はスムーズだったのですが、曲や歌詞があまりにも自分っぽすぎて、良いのか悪いのかわからなくなってしまって。それで1度寝かせていたのですが、聴き返したら「めちゃめちゃいいじゃん!」と。その感覚もあまり感じたことがなかったので、新しかったです。そもそもで言うと、「40」というコンセプティブなアルバムを出せたことも自信につながりました。

ーー実際40歳になった事実はどう感じていらっしゃいましたか。メディア向けのインタビューでは、「楽しみ」という言葉が多かった記憶があります。
Ms.OOJA:実際楽しみだったし、楽しいです。30代はまだ葛藤していて、たくさん間違えたし、失敗して迷惑もかけていました。それを経験として持って40代になったことで「何があっても大丈夫。あの時も乗り越えてきているからなんとでもなる」と思えるようになっていて。20代、30代があったからこそ、今40代がすごく楽しいです。
ーー2013年から続いていた不安は「楽になったのはこの2~3年」とおっしゃっていましたが、この頃にはだいぶ払拭されていましたか?
Ms.OOJA:そうですね。特に2023年はさらに進化した年だと思います。ボイストレーニングに行ったのですが、教えてもらったことが今まで自分が感じていた体内の動きと歌い方にリンクしたんですよ。ブラッシュアップしてもらった感覚で、目からウロコが落ちました。なので、この頃には歌うのがもっと楽しく、ラクになっていましたね。
2024年「ワインレッドの心」
ーー2024年は『流しのOOJA 3 ~ VINTAGE SONG COVERS』から「ワインレッドの心」。
Ms.OOJA:2020年から『流しのOOJA』を出して、シリーズ化できているのは嬉しいですよね。3作目に関しても、「男性曲だけで作りたい、絶対上手くいくからやろうよ」と自分で提案して。自分でアイデアを出して形にすることが楽しめるようになってきました。さらに『流しのOOJA』をリリースすることで映像をYouTubeで出したり、ライブをしたり、自分の成長を感じるようにもなりました。
ちなみに、「ワインレッドの心」を選んだのに深い理由はなくてですね(笑)。すごく悩んだのですが、リード曲っぽいかな、と。『流しのOOJA 3』だったらこの曲だろうなと選びました。
ーー2024年はどんな年でしたか?
Ms.OOJA:去年かぁ。コロナ禍が完全に明けて、世の中がコロナ前の状態に戻った年ですよね。なので徐々に忙しくなってきたと感じていた1年でした。でも、コロナ前のような不安はなくて、すごく楽しみながら動いていましたね。余裕があったんでしょうね。ライブも楽しめるし、自分の歌もすごくいいと思えるし、自信満々(笑)。「行くぜ!」という前向きな気持ちでした。

ーー心の闇も晴れた、と。
Ms.OOJA:そう。若い頃って、大人を見ると「なんであんなに余裕で楽しそうなんだろう」と思うじゃないですか。そういう大人になれていると思います。
ーー壁にぶつかりつつも、ご自身で状況を打破してその状態になれるのはなかなかできないことですよね。
Ms.OOJA:もがき続けた15年ですから(笑)。誰かに教えてもらうなどの近道はあったと思いますが、自分でなんとかしないと気が済まないタイプなんです。だから時間がかかる。でも、その分より良い状態になれるんだと思います。ここからですよ、Ms.OOJAは!
2025年「最終回」
ーー最後は「最終回」。これはめちゃくちゃ納得しました。
Ms.OOJA:「最終回」は、まさに今の自分だから歌える楽曲。「死」をテーマにした曲はいくつか書いてきていますが、身近に死が近づいているのを感じますし、これからもっと増えるんだろうなとリアルに感じてきていて。それを具体的な言葉で表現できたらいいなと作りました。長年アーティストをやっていると、ファンの皆さんからいただくメッセージにもいろんな別れの経験が書かれているんですよね。そこに、一緒に歩んでいけるモノ・ヒト・歌があればいいなと思うようになったのですが、私がみんなの人生の支えになりたいな、と。地球にいる80億人の中で私に出会ってくれて、歌を聴いてくれて、ライブに来てくれて。その一つひとつが奇跡ですよね。だからこそファンの皆さんを幸せにしたいと思うようになりました。そういう思いの中にある楽曲なので、「最終回」を選びました。

ーーお話を聞いていると、15年で魂レベルが上がっていますよね。
Ms.OOJA:上がってます! まだまだ未熟ですけど、40代になって上がってきたなと思います。今まで私は歌うことしかできなくて何も持っていなかったですが、たくさんのものを年上の方々からもらってきて、今度は私が与える側になったんだなって。そういう大人に憧れていたし、年齢的にもキャリア的にも自分がそのフェーズに行こうとしていることに喜びを感じます。自分が何かを持つというよりも、みんなが幸せになってくれることが幸せなんですよね。昔は「そんなの綺麗事だろ」と思っていましたが、今は「そういうことね」と納得がいくんです。社会貢献や誰かのためになることをするのが、人間にとっての一番の喜びというのは本当なんだなって。



















