KAZ(数原龍友)、波乱万丈の人生経験が育んだ『LIFE GOES ON』という集大成 2ndアルバム徹底解説

山本由伸選手の影響を受けて挑んだチャレンジ
ーー1曲目の「Better Believe It」は軽快なファンク/ソウルで、歌詞は英語がメイン。サビのフレーズの語感が気持ちよくて、思わず口ずさみたくなるキャッチーさだと思いました。
KAZ:英語は挑戦だったんですけど、挑戦するきっかけをくれたのがドジャースの山本由伸くんです。彼とは交流があって、自分が語学留学させてもらったタイミングも、彼がドジャースに入団した少し後で、向こうでも試合を観に行かせてもらったり、一緒に食事に行ったりしていたんです。そうやって環境が変わったなかで頑張っている姿を見て、野球に対する思いもたくさん聞いていた。そんな彼が、昨年末のドジャースの優勝に貢献したということでMVPを獲ったんです。めちゃくちゃ半端ない! 年下だけどすごいな! って。しかも、そこでは終わらず、次に次にと、常に高みを目指している。日本を離れ慣れない環境のなかで戦っている彼から、すごく刺激をもらったんです。僕も頑張らないとなと思って、言葉だけじゃなく作曲もしたい。それでギタリストの上條頌さんに曲調を説明してトラックを作ってもらって、そこに自分でリリックとメロディを乗せていった。KAZとしてアップテンポは作ったことがなかったから、最初はどなたかに頼もうかと思ったけど、由伸も挑戦してつかみ取ったのだから、僕も挑戦して作曲してみようと思ったんです。歌詞も語学留学の経験もちゃんと活かして、英語をいっぱい入れて挑戦したい。そう思わせてくれた由伸くんには、すごく感謝しています。
ーータイムリーな人物の名前が。
KAZ:もう刺激を受けまくりで、作りたい衝動が止まらなくなりました。本当は全部英語詞にしたかったけど、まだちょっとそこには及ばなくて。でも、誰かと共作してムリに全編英語にしなかったところも、自分のリアルだなと。全編英語詞に挑戦するという、次の課題も生まれました。
ーー言い方が難しいですけど、気軽に歌える感じがいいなと。
KAZ:それでいいんです。今の歌はカラオケで歌うのも難しいくらいのものが多いので、歌いやすさとか耳に残る感じは狙っていて、聴感重視で作りました。なおかつ、英語が分からない人でも、何となくで口ずさめるような言葉を使いました。
ーー〈Don't let it hold you back〉って、気づいたら歌っていて。まんまと罠にはまりましたね(笑)。
KAZ:狙い通りで(笑)!
ーータイトルは「信じてみたら?」みたいなニュアンスですか。
KAZ:そんな感じです。「Believe It」だけだと「信じろ!」って強くなってしまうので、「Better」を付けることでニュアンスを和らげる。そこは僕の性格もありますね。
ーーもっと自分を信じていいよ、人生まだ長いから、きっといいことあるよ、というような考えでしょうか。
KAZ:そうそう。まずは自分を信じることから始まる。「自分なんて」とか「いやいやいや」って、遠慮してしまう人は多いけど、もっと自分を出してもいいと思うんです。留学して思ったけど、日本人は遠慮しがちで、気持ちを秘めがち。もっと自分に自信を持ったほうがいいなって。奥ゆかしさは日本人の美徳とされているけど、それと自信のなさは別ですから。
ーーMVも制作され、広大な景色でスケール感が印象的でした。
KAZ:サンディエゴ、メキシコの近くのハクンバなどで撮影したんですけど、すごいですよね。日本だとああいう抜け感とかスケール感は、なかなか撮れないです。留学中にできたアメリカのカメラマンの友だちに協力してもらって。プライベートのお正月休みと抱き合わせで、スケジュールも費用も何とかやりくりして制作しました。衣装も全部私服で、街のシーンでドジャースのキャップを被っているのは、由伸くんへのリスペクトと匂わせです(笑)。
音楽を通じて伝える感謝とリスペクト
ーーそしてKAZさんが作詞を手がけた「Beautiful Sunrise」は、気持ちのいい朝、海って感じがします。
KAZ:はい。皆さんの朝を気持ちのいいものにしたいと思って。ぜひとも朝聴いてほしいです。GENERATIONSに「Beautiful Sunset」という楽曲があって、僕が作詞をして、ソロで歌い直したりもしている曲です。サーフカルチャーが自分の人生の中心にある、そういう世界観を書いた初めて楽曲で、ライブでもよく歌っています。それで、この「Beautiful Sunrise」は、その「Beautiful Sunset」と同じチームで作りました。「朝バージョンを作りたい!」と。「Beautiful Sunset」のフレーバーも感じられるフレーズの繰り返しを入れたいなど、細かい希望は伝えさせていただいて、上がってきたデモを聴いたらもう最高な朝でした! 自分でも朝何度も聴いて、めちゃいい! と思って、歌詞を書き下ろしたという流れになります。

ーー「Beautiful Sunset」を知っているファンは、気付いたかもしれないですね。
KAZ:朝バージョンだ! ってなってくれると思います。僕自身、出たことのないTV番組の収録の日なんかは不安になりますけど、そういう時はプロサーファーがきれいな波でサーフィンしている映像を観て、「よし!」って切り替えるんです。だから、今日仕事だとか、朝学校に行きたくないとか、面倒くさいなとか、とにかく皆さんの憂鬱な朝を吹き飛ばしてあげたいと思って作りました。ただテンションが上がり過ぎちゃうかもしれないので、そこはご注意ください!
ーー今作には他にも、昨年の『Buddy』に収録の「T&W」や鈴木愛理さんをゲストに迎えた「Avocado feat. Airi Suzuki」、昨年配信リリースした浜田雅功さんのカバー「チキンライス」、そしてライブでお馴染みになっている「Choo Choo TRAIN」のカバーも収録しています。
KAZ:「チキンライス」は日本を代表するウィンターソングで、自分も冬になるとよく聴いていました。僕は、ダウンタウンの浜田さんと同郷の尼崎市の出身で、通っていた小学校が浜田小学校、住んでいた街が浜田町、よく遊んだのが浜田公園。不思議な巡り合わせだし、ボーカリストとしても、この素晴らしい冬の名曲を歌い継いで残していくべきだと思ったので、浜田さんに直談判してカバーが実現しました。環境は違えど、家族に対する思いの大きさは一緒。それで「チキンライス」のMVは生まれ育った地元で撮影して、浜田公園や浜田小学校で撮影したシーンも出てきます。
ーー昨年末のビルボードライブでは、MCでその話をされていましたね。おばあちゃん孝行ができて良かったと。
KAZ:そうですね、愛犬をテーマに自分で作詞・作曲した「T&W」のMVで、殿と若を映像に残したのも、いつかお別れの時が来ても、皆さんのなかでずっと生き続けてもらえたらという気持ちでした。大切なものを音楽や映像で残せるのは、こういう仕事をしていればこそ。「チキンライス」で家族愛について考えた時も、地元に帰って久しぶりに会ったおばあちゃんの髪が真っ白になっていてびっくりしたけど、一緒に過ごせる時間は限られてくるだろうなと思って。それで家族を映像で残したかった。そんな僕の思いが、楽曲の世界観ともマッチして、ああいうMVの映像になったんです。あと「Avocado feat. Airi Suzuki」は、アボカドの食材としての絶妙なバランス感を男女関係の駆け引きで比喩した楽曲です。鈴木愛理ちゃんのバックボーンとは毛色が違っていたかもしれないけど、愛理ちゃんとこんな曲が歌えたらめちゃめちゃ最高だと思って。いい化学反応が起きていると思います。「Choo Choo TRAIN」は、音源として収録するのは初なので、楽しみにしてくださっていた方も多いかもしれません。コロナが明けてソロ活動をスタートしたときに始めたストリートライブで、皆さんが足を止めてくださったのはやっぱりEXILEの曲。LDHの校歌のようなものなのですけど、EXILEの偉大さを実感した。感謝とリスペクトを込めて収録させていただきました。僕のチームならではのエッセンスも加えて仕上げています。
人生は「分からないから面白い」!
ーーKAZさんの半生、経験が込められたアルバムです。その上で率直に伺います。「人生」とは何だと考えていますか?
KAZ:分からないです(笑)。ハプニング続きですし、でも生きてさえいればどうにかなる。人生が何か分かっていたら、きっと正解の道ばかりを選んでつまらない人生になっていたと思う。ソロでライブをやりたいと思っても、最初は賛同してくれる人がいなくて、自分で手売りするようなかたちでやっていた。それが、少しずつ協力してくれる人が増えて。音楽を作りたいと思ったら協力してくれる、上條頌さんとかバンドメンバーも増えた。これからどういう人に出会うか分からないし、どんなハプニングに巻き込まれるかも分からないけど、でも言えるのは「分からないから面白い」ということ。33歳の今、言えるのはこれだけです。

ーーそうやって仲間がどんどん増えていくのは、やっぱりKAZさんの人柄でしょうか。
KAZ:どうなのかな(笑)。自分がやりたいことをかたちにするために方法は、昔よりは分かったから、その目的から逆算して自分に足りないことをやって、自分にできないことができる人に協力してもらう。チーム作りのやり方は覚えたかなって。ちなみに、チーム作りは『ONE PIECE』を参考にしています。敵だったやつが傘下に入ったり、みんな「ルフィのためなら!」ってなるじゃないですか。
ーー変にかっこつけず、全部さらけ出すスタイルは人間くさくて、それがすごく魅力的です。きっとそれが、歌の表情に表れているのでしょうね。
KAZ:正直な男、泥臭いタイプです!
ーーさて、現在は『KAZ LIVE TOUR 2026 “LIFE GOES ON”』を開催中です。
KAZ:はい。ツアーも旅ですけど、本当にもう人生という旅の通過点でしかないので、その経過を見守りに来ていただけたらうれしいです。僕自身、皆さんと旅をしている感覚なので、その歩みの一部を皆さんと過ごすことができたらうれしい。
ーーKAZさんの物語はまだまだ続きますが、この先の目標とかありますか?
KAZ:ライブという部分では、ロサンゼルスからサンディエゴまでを旅するようなツアーができたらいいなと思います。その時々で、サーフィンしたりバイクに乗ったりしながら。ギター1本とマイクがあれば、会場が大きくなくていい。そのためにギターも絶賛練習中です。英語の勉強も続けています。焦らずよきタイミングで、自分の実力、英語力が備わったときにやれたらいいなと。プライベートではバイクでルート66を走ってアメリカ横断したい。それは35歳過ぎたくらいで実現できたらいいかなって。

■リリース情報
KAZ『LIFE GOES ON』
4月15日(水)リリース
https://avex.lnk.to/lifegoeson_pkg
<収録内容>
▼CD収録内容
M1. Better Believe It
M2. Beautiful Sunrise
M3. T&W
M4. Avocado feat. Airi Suzuki
M5. チキンライス
M6. Hush hush part.2
M7. Choo Choo TRAIN
M8. floating 〜空を泳いでいた僕が想うこと〜
▼DVD & Blu-ray収録内容
・T&W (Music Video)
・チキンライス (Music Video)
・Better Believe It (Music Video)
・Better Believe It (Music Video -Behind The Scenes-)
・KAZ Billboard Live 2025-2026 "Sweet Dreams"
・LIFE GOES ON Documentary ※RZZ1-67534/B~C, RZZ1-67535/B~Cのみ収録
■ライブ情報
『KAZ LIVE TOUR 2026 "LIFE GOES ON"』
2026年4月3日(金)大阪・Zepp Namba (OSAKA) 開場17:30/開演18:30
2026年4月7日(火)愛知・Zepp Nagoya 開場17:30/開演18:30
2026年4月9日(木)福岡・Zepp Fukuoka 開場17:30/開演18:30
2026年4月14日(火)東京・Zepp Haneda (TOKYO) 開場17:30/開演18:30
2026年4月18日(土)宮城・仙台PIT 開場16:00/開演17:00
2026年5月13日(水)神奈川・KT Zepp Yokohama 開場17:30/開演18:30
詳細:https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/40095/





















