ヤングスキニー「正解、完璧な100点だと思えるライブができた」ーー初武道館公演を終えた4人の本音に迫る

嘘のない言葉が引き出したバンドの完成形
ーー「これからも変わらない」というお話を聞いて思い出したのが、数ある名シーンの中でも屈指のハイライトになっていた「精神ロック」で、曲中のかやゆーさんの語りと全員のバンドサウンドが渾然一体となっていたのが感動的でした。曲中、かやゆーさんは、「いつも言うけど、一番大切なのは嘘を付かないこと」「俺は、音楽だけには、自分が作る歌だけには、嘘は付かない」「俺の歌の中にある本質まで見抜いてほしい」「俺はこれからも芯を貫く」「ロックってのは、ジャンルではなくて心だと俺は思います」と語っていて、まさに魂の言葉だったと感じました。
かやゆー:あれは、決まったと思いました。でもまあ、今振り返ってみれば、「たしかにそんなこと言ってたな」ぐらいの感じで。ただ、ライブレポートでもそこを取り上げてくれたり、それこそお客さんもそのMCを切り抜いてくれる人が多かったから、たぶん気持ちが届いたんだろうなと思いつつ。僕は結局、一番最後、一番最新の記憶しか残んないから、それ以外全部忘れちゃう。

ーー裏を返すと、それぐらいナチュラルにあの言葉が出てきた、ということなのだと思いました。
かやゆー:昔はMCで何を話すか考えたりしましたけど、僕、喋るのが本当に下手で。昔は無理して喋ったりしたけど、だんだん最低限の量まで減っていきましたね。基本、曲でしか想いを伝えられないし、そのぶん、曲に全部込めてるので。MCは、曲の解像度をより高くするためのものだと思ってるんですけど、恋愛ソングなんかはそれこそ自分の恋愛のことしか歌ってないから、MCとかむずいんですよ。ただ、ラブソングだと、自分のことを歌っているとはいえ、恋愛という意味では、たぶんみんな共通する部分がある。だから、極論MCなんかしなくても曲で届く、その人の形にハマってくれると思います。
でも、たとえば「精神ロック」「東京」「憂鬱とバイト」とかは、歌っていることが“自分のことすぎる”から、MCで補足したほうが届きやすくなるだろうなって。その時は、喋りたいことがいろいろ出てくるから、そういう感じで「精神ロック」の時は思ったことを喋りました。
ーー今のお話を聞いて、これまでの数々のライブの積み重ねによって、ヤングスキニーのライブがどんどん洗練されていき、武道館の日にひとつの完成形に至った、ということなのだと思いました。それぐらい、曲とMCのバランスを含めた全体の完成度が高かったです。
かやゆー:本当に、良くも悪くも「これが正解なんだ、完璧な100点だった」と思えるライブができちゃった気がします。だから、次からどうしようかなと思いますけど。それをずっと続けていくのか、また新しくなるのかはわかんないですけど、本当に完璧すぎてしまいました。
しおん:本当に良い意味で100点だったなって思いますし、逆に僕はあの「精神ロック」のMCも、ある意味で“いつもどおりだった”と思っていて。そう思えたのはたぶん、自分たちが今までライブの経験をたくさん積み重ねて、その中で、一貫した何かがメンバーの中に共通して芽生えたから、というか。武道館だからどうこうってわけでもなく、人数が増えただけで、やることは本質的には変わらない。で、MCはあくまでも補足っていうか、曲を豊かにするためのもの。やっぱり、やってるものは音楽だから、それがすべてだと僕も思うし。そういうところも加味して、ちゃんとヤングスキニーとしての音楽を、8,000人の前でしっかりライブとして最初から最後まで届けることができた。100点のライブだったんじゃないかなと思います。

ーー武道館という偉大な通過点を経た今、今後の歩みについてどう考えているか、最後に聞いてみたいです。これから挑戦したいことや、目指したいバンド像などがあれば教えてください。
かやゆー:武道館の前は、でかいところとか興味なくて。でも武道館をやってみて、案外でかいとこでやってみたいかもっていうのは思ったりしてます。それは、「でっかいとこに立ってほしい」と思ってもらってるから、「じゃあ俺も頑張るか」とかじゃなく。別にファンに寄り添うつもりは今後も一切なくて、なんでもいいから自分がやりたいことをやってたいなって思います。その原動力は、たぶんソロインタビューでも話しましたけど、「モテたい」っていう思いだけだから。で、僕はその気持ちがなくならないかが心配(笑)。どんな形でもいいから、ちゃんと自分の中に「モテたい」っていう感情が今後も残ってほしいなと思ってますね。それさえあれば、なんかしらで自分は輝けるし、それを原動力にしてバンドをやり続けていきたい。やっぱりだんだん落ち着いていくというか、少なからず20歳ぐらいの頃のほうがもっと「モテたい」と思ってた気もしなくもないと思ったりするから。
ーー欲望の衰え、みたいなことですか。
しおん:欲望の衰え、やばい(笑)。
かやゆー:最近は、女の子と会って喋るのも疲れちゃうなとか思ったりするから。いかに「モテたい」欲を落とさず、いろんな形に変形させていけるか。「頑張ろう」とかじゃないですけど、自分に期待したいですね。
しおん:(かやゆーが)やりたいように、なりたいようになればいい、それが一番いいと思う。その時々の流れに身を任せていって、それがたぶん一番素直で正直な形だと思うんで。
ーーりょうとさん、ゴンザレスさんは、いかがですか?
りょうと:もっと大きいところでもやりたいし、とは言え、もちろん普段のライブハウスの距離感もやりたいし。でも、また武道館に立ちたいなっていう気持ちもあります。「戻って来られるように」じゃないですけど、これからも頑張っていきたいなと思います。
ゴンザレス:結局は、自分たちの価値をどんどん上げていかなきゃ当然大きい会場ではできないんで、数字の結果もそうですけど、自分たちの方向性とか芯の部分はぶらさずに、しっかりとどんどん実績を積んでいければなと思ってます。先を見すぎずに、というか、目標は立てつつ、今できることをしっかりやりながら、ちょっとずつ。今までどおりですけど、これからも頑張っていければなと思いますね。






















