三宅健×滝沢秀明=Ken☆Tackey、結成日を機に振り返る幻のデュオが残したインパクト
三宅健と滝沢秀明によるデュオ・Ken☆Tackeyが結成されたのは2018年4月5日のことだった。舞台『滝沢歌舞伎2018』の上演初日にお披露目されたオリジナル曲「逆転ラバーズ」。そのMVは今もYouTubeにて楽しむことができる。
ふたりのバックには、『滝沢歌舞伎』に出演していたデビュー前のSnow Man、なにわ男子らメンバーたちの姿も映る。彼らの初々しさのなかに確かな実力を感じさせるパフォーマンスが詰まったこのMVは、まさに“お宝映像”と呼ぶにふさわしい。
『滝沢歌舞伎』は、前身の『滝沢演舞城』を含め、2006年から2018年まで滝沢が主演/演出を務めてきたレジェンド舞台。2019年以降は、その志を受け継いでSnow Manが主演を務めたことでも話題となった作品だ。Ken☆Tackeyは、三宅が2016年から3年連続で『滝沢歌舞伎』にゲスト出演したことをきっかけに結成された。
あれから8年。残念ながら、現在は滝沢がタレント業を引退し、彼らを取り巻く環境も大きく変化したことから、幻となってしまったKen☆Tackey。しかし、今あらためて「逆転ラバーズ」のMVを観返しても実にキャッチーで、魅力が色褪せていないことに気づかされる。
サビの〈Can touch it!Can touch it!Can take it!〉が「ケンタッキー、ケンタッキー、ケンタッキー」と聴こえる仕掛けは覚えやすく、思わず口ずさみたくなる。その誰の心にもスッと届くアイドルソングの王道を、ベテランの三宅と滝沢が歌い踊るところに、日本のアイドル文化の継承を感じさせた。
アイドルとして日本を長年盛り上げてきた彼らだからこそ成立した遊び心は、エンタメ業界を大いに賑わせた。三宅と滝沢の名を掛け合わせたシンプルかつインパクトのあるネーミングに加え、「おいしい関係になれたら」という発言をきっかけに、ケンタッキーフライドチキンのCM出演へと発展したのも象徴的だった。その勢いとノリのよさには、もはや羨望すら覚える。
また、『滝沢歌舞伎』で披露されたカップリング曲も秀逸だった。「浮世艶姿桜」は、“歌舞伎”の世界観にふさわしい和のテイストを強めた、日本のアイドルというアイデンティティを感じさせる楽曲。「アイシテモ」は、どこかV6の楽曲を彷彿とさせる大人アイドルの色香を漂わせ、「蒼き日々」には滝沢が今井翼と活動していたタッキー&翼のテイストも滲む。そして、“身近な人への愛と感謝”を歌う「LOVE」は三宅が作詞、滝沢が作曲を担当。歌い継がれていくことが想像できるような、やさしくてキラキラとした歌だ。
表舞台で活躍しながらも、裏方として演出やプロデュースを手掛けてきた滝沢だからこそ見えていたもの。それは、文化をどうやって次世代へと繋いでいくかという思いだったように感じる。そして、年齢を重ねても少年性を保ち、プロのアイドルとして走り続ける三宅がそこに共鳴した。ふたりのアイドルの熟成されたキャリアと揺るぎない矜持によって生まれたユニット、それがKen☆Tackeyだったのではないか。
実際に、その思いは後輩たちへと受け継がれていった。アイドルとして自分自身がスポットライトを浴びることはもちろん、その活動の一つひとつが、次の誰かが歩む道を作っていること。ステージに立つ者の笑顔が日本という国を元気にしていくこと。そうした意識と自負が、今日のアイドル/グループの幅広い活躍に繋がっているのだと感じる。彼らが大きく羽ばたくほどに、Ken☆Tackeyの偉業の大きさを実感させられるだろう。そんな未来に思いを馳せながら、ぜひともフライドチキンを片手に「逆転ラバーズ」のMVを観返してみてほしい。


























