日向坂46、『ひな誕祭』はなぜ“特別”なのか? 事前動画から地域連携まで、会場全体を巻き込む仕掛け
街全体を巻き込んでいく、日向坂46ならではの“お祭り感”
また、ほかの坂道グループに目を向けても、それぞれライブの色ははっきりと分かれている。乃木坂46は、楽曲の世界観やグループの物語を丁寧に積み重ねながら、大きな会場でも映える王道感のあるライブを作ってきた。櫻坂46は、近年は特にノンストップを軸に据えた構成と高密度なダンスパフォーマンスによって、ライブそのものの強度を一気に高めている。その中で日向坂46のライブを特徴づけているのは、観客を巻き込む参加性と、会場全体を祝祭の空気で包む力だろう。明るさや楽しさを前面に出しながら、そこにグループの歩みやメンバーの変化もしっかり重ねる。ライブの楽しさを開かれた形で届けながら、同時にグループの歴史や重みも感じさせる。そのバランスの上に成り立っているところに、日向坂46の大きな強みがあると考える。
今年の『7回目のひな誕祭』でも、横浜エリアとのコラボ企画が複数展開され、日本大通り駅の特別装飾や、みなとみらい線一日乗車券、周遊バスでのメンバーによる車内放送などが用意されている。こうした施策は、単なるタイアップ企画にとどまらず、日向坂46のライブ体験を会場の外へも広げる役割を果たしている。会場へ向かう移動時間、街を巡る時間、開演前の高揚感、終演後に余韻を共有する時間までが、『ひな誕祭』の一部になっていく。『ひな誕祭』に限らず、日向坂46のライブがしばしば“お祭り”と呼ばれるのは、そのためだ。ただ賑やかなだけではなく、街全体を巻き込みながら、そこに集まる人たちの気持ちを少しずつひとつにしていく。そこに、日向坂46らしい祝祭感がある。
筆者が日向坂46のライブでいつも感じているのは、会場全体で空気を作っていくグループだということだ。明るい楽曲で一気に盛り上げることもできるし、感動的な演出で涙を誘うこともできる。それでも、このグループのライブの魅力は、ステージの上だけで完結しないところにある。会場にいるメンバーと観客が一緒になって、その場ならではの熱量を作っていくのだ。そして、周年を祝うライブであると同時に、日向坂46がライブで何を届けてきたのかをあらためて示す場でもある。だからこそ、『ひな誕祭』は特別なのだ。横浜スタジアムで行われる『7回目のひな誕祭』は、その魅力を最も大きなスケールで感じられる2日間になるはずだ。


























