『百瀬アキラの初恋破綻中。』晴川シンタ×田淵智也 特別対談 10年来の理想が結実、漫画×音楽の“答え合わせ”

100%を超えて共鳴する熱量、“サンデーらしさ”というクリエイティブの軸

ーーそのお話から、もう一段階形の違うクリエイティブとなる映像のお話も少し伺えればと思います。完成版のMVを観た際の感想はいかがでしたか?

晴川:映像が合わさったものを観て、私泣いちゃいました。

田淵:わかります。ホロってきますよね。

晴川:特に大サビの花火のシーン。絵コンテもいただいたんですが、音楽と映像がマッチするとこんなに感情に訴えかけてくるんだって……予想以上というか、もはや衝撃的で。ボーカルの礼衣さんの声も透き通っていて、作品や絵、歌詞に100%マッチするとこんなにすごいものが出来上がるんだってちょっと混乱にも似た気持ちになりました。プロフェッショナルが集まると100%を超えるんだな、と。関わってくださる方全員が真剣に情熱を注いでくださったおかげで、私の予想を超えた120%、150%の完成度の作品ができたんだな、とMVを観て思いました。

田淵:僕、歌詞がドラマチックに出てくると泣いちゃうんですよ。自分の書いた言葉をこんな風に演出してもらって、「あ、今光った」「ハートがついてる」みたいな部分だけで、涙腺にきちゃう。あと、映像に関しては晴川先生やMAISONdesさんにお聞きしたいことがあって。映像のイラストは原作者さんではなく別の方が描くという発想はどうやって生まれたんですか? 原作者さんが自分で描きたいです、って話が発生してもおかしくないと思うんですよ。先生的には自分じゃない人が絵を描くとなった際、要望だったり「どんな絵になるかな」っていうハラハラドキドキとか、そういう感覚もあるんじゃないかなと。

晴川:私の場合は「シェフの腕を早く見たい」というか、「どういう料理が出てくるんだろう?」っていう、素材を預けるような気持ちが強いですね(笑)。どう描いていただいてもNGはないというか、むしろ「いいんですか?」みたいな気持ちで。ふるいけさんのイラストもすごくかわいいので、私のキャラクターがこの絵柄になるとどうなるんだろう、ってワクワクが一番先でしたね。

『日曜日のメゾンデ』スタッフ:こちらの観点でお話すると、本体のMAISONdesもそうなんですが、一曲ずつクリエイターさんが変わる一方で、どこかにクリエイティブの軸を大枠として一本化しておかないと、プロジェクトのカラー・コンセプトが失われてしまうと考えているんです。MAISONdesはイラストレーターのNAKAKI PANTZさんがその部分を背負ってくださっているからこそ、MAISONdesのブランディング・アーティスト像が成立していると思っています。なので、『日曜日のメゾンデ』に関しても、同じくブランディング・アーティスト像を作る上でイラストレーターさんを統一したい、というお話を小学館さんにもさせていただいて。サンデーっぽい絵柄がいいよね、という選定で、ふるいけさんにご依頼した次第です。

晴川:なるほど、確かに!

田淵:うわー、僕、めっちゃ感動してます。最初にMAISONdesさんを見た時に「歌う人って変わっていいんだ」「作曲家さんも違っていいんだ」と思っていましたが、実は一本筋の通ったコンセプトがあるんですね。僕、クリエイターさんのそういうお話を聞くのが大好きなんですよ。「あ、ここの部分が芯になってるんですね」みたいな。いやでも、“サンデーっぽい絵柄”ってのはグッときますね。「わかる!」って思った。

晴川:絵柄の雰囲気、めっちゃマッチしてますよね。これ、きっとイラストレーターさんの腕がすごいんです。普通、作家って人の絵を模写したら自分の絵柄を見失うことも多いんですよ。でもそれを飛び越えて、作品への愛を元の絵柄に落とし込んで描かれてるので、本当にすごいと思います。

田淵:音楽面だと、ボーカルを礼衣さんに統一しているのも同様の理由だと思うんですよ。単純な自由度の高さだけじゃなく、「ここはちゃんとブランディングとして最初に決めましょう」っていう……いやあ、こういう話はいいですね。素晴らしい!

晴川:職人の皆さんの話ってすごく面白いですよね。熱くなります。

田淵:なんだか、すごく励みになる。こんなに心を込めてる人が業界にいるんだ、俺も頑張るぞって気持ちになりますね。

(C)晴川シンタ/小学館

ーー最後に、本日の結びとして晴川先生と田淵さんから、それぞれメッセージをいただけますか。

晴川:アキラの最大瞬間風速のような感情を、原作以上に詰め込んでいただいた音楽になったと思います。この曲を聴きながらぜひ漫画を読んでいただきたいですし、楽曲単体もいろんな方に聴いていただけたら、と思います!

田淵:こういったメディアミックスプロジェクトは、漫画ファンだけに向けたものではないと思っていて。音楽をきっかけに「漫画を読んでみよう」「あの曲がよかったから試し読みしよう」といった、潜在的な漫画ファンを増やすお手伝いが、微力ながらできればと思いながら取り組みました。楽曲単体はもちろんですが、漫画を読むとよりその魅力が伝わるかな、と思います。

 加えて『日曜日のメゾンデ』は、今までテレビアニメでしか起こり得なかった“漫画作品の主題歌”が、さらなる可能性を持って作れるすごいプロジェクトだと思っています。せっかくなら漫画を毎話読む前に一回曲を聴いてもらう、みたいな(笑)。そういった形で、より原作への思い入れが深まる曲になったらいいな、と。実際、原作も面白いことは間違いないので! 漫画も曲もより好きになっていただきたいので、ぜひ両作品ともによろしくお願いします。

■リリース情報
日曜日のメゾンデ
「恋のいうとおり」
原作『百瀬アキラの初恋破綻中。』
2026年2月18日(水)配信リリース
作詞・作曲:田淵智也
編曲:堀江晶太
歌唱:礼衣
配信リンク:https://orcd.co/koinoiutori

■原作情報
晴川シンタ『百瀬アキラの初恋破綻中。』
『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載中(既刊1~5巻)
第1話 試し読み:https://www.sunday-webry.com/episode/2550689798900303636
週刊少年サンデー:https://websunday.net/
サンデーうぇぶり:https://www.sunday-webry.com/

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