水曜日のカンパネラ、ステージ上で示した“可愛女子”の意味 老若男女に突き刺さるエンタメショーを観て

 昨年の12月26日に開催されたZepp Nagoya公演を皮切りに、全国5都市のZeppを巡ったツアー『水曜日のカンパネラ ZEPP TOUR 2025/2026 ~可愛女子~』。1月17日に行われたZepp Haneda公演も、多彩なナンバーがステージ上で躍動し続ける様から片時も目を離すことができなかった。ツアーのタイトルに掲げられている“可愛女子”に込められた意味も鮮やかに示されたこのライブの模様をレポートする。

水曜日のカンパネラ 詩羽

 開演を告げるSEが鳴り響いた直後、ステージを覆っている幕の隙間から顔を覗かせた緑色の怪獣。そして幕が左右に開くと、怪獣に跨った(……ように見える着ぐるみを下半身に着用した)ケンモチヒデフミが駆け回りながらDJブースへと向かい、「怪獣島」がスタート。「あれ? 詩羽はどこだ?」と思った直後、2階席にいるのに気づいてびっくり! 通路をゆっくりと歩いて歓声を浴びながら歌った彼女は、1階エリアに移動。そこでもファンとの近い距離のコミュニケーションを目一杯に楽しんでいた。2曲目「バッキンガム」の後、「ついに東京公演。元気ですか? みんなと一緒に最高のパフォーマンスを作っていくので。元気にやっていけそうですか?」と呼びかけられた観客の間から明るい歓声が沸き起こった。

 〈シャトーブリアン〉と叫ぶ人々の声が、曲のジューシーな旨味を倍増させていた「シャトーブリアン」。ステージから届けられるサウンドを手拍子が美しく彩った「シャルロッテ」。湯切りざるを使って麺を茹でるパフォーマンスを交えながら我々の食欲をじっくり刺激してくれた「赤猫」……声を上げたり、身体を揺らしたり、笑顔を浮かべたり、曲に対して無邪気に反応し続けていると、「ライブに参加している!」という感覚がどんどん深まっていく。詩羽が先ほど言っていた「みんなと一緒に最高のパフォーマンスを作っていく」ということの意味を序盤からたっぷり実感することができた。

 「これ、「ウォーアイニー」のMVの衣裳なんです。この衣装で東京公演だけ、やらせていただこうかなと思って。一番スタイルがきれいに見える服なんです。私、いつもかわいいじゃない? 『その“いつも”よりも超えてかわいいってあるんだ?』っていう感じ。どうですか?」――お気に入りの衣裳に身を包んではしゃぎながら、MCタイムでも華やかな存在感を放っていた詩羽。最近、美容に目覚めたのだという彼女は、「ライブで初めてカラコンしてる」と言い、観客に猛アピール。1階フロア下手側のファミリー席に近づくと、ちびっ子ファンの間から「かわいい!」という声が上がって、とても嬉しそうだった。

 元日に代々木八幡宮に初詣に行った詩羽が引いたおみくじは大吉。「より良い1年になるんじゃないかなと思っています。より良い1年になるために、みなさんと大きな愛を育んでいけたらなと思っています!」という宣言と共にスタートした「願いはぎょうさん」は、温かなサウンドが我々の幸福を祈念してくれているのを感じた。続いて、「動く点P」「バタフライ」「サマータイムゴースト」も届けられた後に迎えた小休止。ツアーグッズを紹介したり、今年の流行語は「ナウい」だと予想したり、テンポの良いトークが心地よい。詩羽の声は歌だけでなく、トークでも絶妙なグルーヴを帯びる。今年、たくさん曲を出していきたいと語った際、ステージに向かって観客から届けられた「頑張ってー!」という大きな声援。楽曲制作を担うケンモチは、とても嬉しそうな表情を浮かべながら頷いた。

 観客が一斉に掲げた色とりどりのタオルがサンゴ、イソギンチャク、海藻が揺らめく海底のような風景を作り上げていた「マーメイド」。2人の女性ダンサーが加わったパフォーマンスでも楽しませてくれた「たまものまえ」。透明の大きな球体の内部に入った詩羽が、1階フロアの観客の頭上を転がりながら歌った「桃太郎」……聴覚はもちろん、視覚も絶えず刺激する水曜日のカンパネラのライブは、やっぱり圧倒的に楽しい。詩羽とケンモチが、心から楽しそうにしているのにも和まされた。「スタイリストさんが喜ぶから『かわいい!』っていっぱい言って!」と、ライブが終盤に差し掛かったところで衣装を再び観客にアピールした詩羽。「かわいい! かわいい! かわいい!」という声を浴びながら様々なポーズをとる姿は、たしかにとてもかわいい。「ウォーアイニー」の衣装を着てウキウキしている姿は、観客に幸せをたくさんお裾分けしていた。

 「好きなものを身につけて、かわいいと思う自分でいることを私はとても大事にしているので。自分が一番好きなことを認めてあげてほしいなと思っています。私はステージの上で『私は今日もとってもかわいいぞ!』と言い続けますし、自分が好きな私であり続けたいなと思います。不安になったり、わかんなくなってしまった時はライブに来て、『こうやって自分のことを褒めたり、自分のことをかわいいって認めたりするのも1つの正しさなんだな』と納得して帰っていただけたらなと思っています。わかりましたか?」――素敵なメッセージを受け止めて、「はーい!」と天真爛漫な返事をした観客。そして、ラスト3曲へ突入していった。

 拳法を彷彿とさせる振り付け、パンダの被り物をしたケンモチのダンスも加わり、この曲がOPテーマだったアニメ『らんま1/2』の世界に没入させてくれた「ウォーアイニー」。大合唱の声が響き渡った「エジソン」。フロア内で掲げられたたくさんの腕の動きが、特大級の福を呼び寄せているのを感じた「招き猫」……エンディングを迎えた時に漂っていた余韻が、とても温かだった。「2026年もよろしくお願いします! みんな愛してます! またねー!」と言ってステージを後にした詩羽。何度も手を振ったケンモチ。2人が浴びた歓声と拍手は、2026年の活動を後押しする心強いエネルギーとなったに違いない。

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