Bialystocksの音楽は公演毎に生まれ変わるーー至高のステージを繰り広げた『2+5 ツアー』ファイナル公演

『違国日記』と共鳴する新曲「言伝」を経て、7月の日本武道館公演へ

 さて、本文を締める前に、せっかくだからリリースされたばかりの新曲「言伝」にも触れておこう。まずは驚くべきことに、2024年の『Songs for the Cryptids』以来初の新曲である。2025年の彼らは件の3つのライブ/ツアー(『Bialystocks 単独公演 2025』『二人編成ツアー』『Bialystocks 2+5 ツアー』)を開催し、各所イベントにも積極的に出演。イギリスや韓国のフェスにも参加するなど、確かな存在感で1年を駆け抜けてきた。ということで「久しぶり」という実感はないものの、昨年楽曲リリースがなかった彼らにとって、実に1年2カ月ぶりの新曲なのである。

Bialystocks - 言伝【Official Audio】

 まさに文句なしの1曲ではないだろうか。ジャズと70年代ソフトロックとJ-POPが溶け合ったような麗しいポップソング。音と音が互いに求め合い、呼び合っているような親密さを感じる。丸みのある音の粒は耳に優しく、推進力と繊細さを兼ね備えたドラムがこの楽曲の魅力を決定づけているように思う。甫木元のボーカルは張りすぎず、スーッと心に染み込んでくるような柔らかさで鼓膜を撫でる。〈自由に 自由に〉というリフレインが説得力を持って響くのは、このボーカルあってこそだろう。詞も音も主題歌を担当したTVアニメ『違国日記』(TOKYO MXほか)の作風を意識したところは多分にあるはずだが、Bialystocksの本領がサラリと発揮された楽曲になっている。比較的シンプルに進んでいく前半に対して、トランペット、サックス、クラリネットを大胆にフィーチャーして盛り上がっていく後半、そして転調を機にふわっと浮き上がるメロディーー穏やかな場所からドラマが展開されていくようなこの曲は、まるで私たちの一生のようではないか。一見すると代わり映えのしない日常も、静かに、そして確かに移ろっていくのである。

TVアニメ『違国日記』ノンクレジットエンディング映像| Bialystocks「言伝」

 終演後には思わずため息がもれた。Bialystocksのライブは綺麗過ぎてクラクラする。精巧に描かれた巨大な絵画を前にして立ちすくむようなイメージ。一目で見惚れてしまうのだが、何度観ても実態を掴みきれないのである。ご存知の通り、7月には日本武道館ワンマン公演の開催も発表。どんな陣容とセットリストで臨むのか、また新しい彼らに出会えることは間違いない。

■リリース情報
『Bialystocks 2+5 ツアー』
2026年1月9日@Zepp DiverCity(TOKYO)
M01. 聞かせて
M02. 近頃
M03. コーラ・バナナ・ミュージック
M04. Emptyman
M05. 日々の手触り
M06. All Too Soon
M07. またたき
M08. 花束
M09. 朝靄
M10. 灯台
M11. Mirror
M12. Winter
M13. あくびのカーブ
M14. Kids
M15. 差し色
M16. 頬杖
M17. 光のあと
M18. Nevermore
M19. I Don't Have a Pen
M20. Over Now
M21 .空も飛べない
<アンコール>
M22. Upon You

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