Soalaは夢を絶対に叶えていく 初の7大都市ツアー『Color Sprinkles』で見せたもの、予感させた歌姫の姿

Soala、初の7大都市ツアーレポ

 Soalaが自身初の7大都市ツアー『Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 〜Color Sprinkles〜』を開催した。本稿では、12月10日に東京・SELENE b2で行われたツアーファイナル公演の模様をレポートする。

 思い思いのカラーに染まったペンライトを振り、Soalove(ファンの呼称)の気合は十分。開演定刻になるとペイントがあしらわれたポップな映像が流れた。すると、白を基調としたカラフルなカラーを散りばめたオーバーサイズのワンピースに包まれたSoalaが元気よく登場。パンチするように腕を振り、1曲目の「To my 17」からフルスロットルでパフォーマンスを展開していく彼女。「楽しい一日にしていきましょう! よろしくお願いします!」。そこから一転、R&B風の楽曲「Prolog」をクールなアプローチで歌い上げる。

 ダンサーふたりが登場し〈もう迷わない 1度閉ざしたあの扉を/ゼロからでも問題なんてない/今の自分を信じれば〉というメッセージ性の高い「ゼロから」をフロアを真っ直ぐに見つめ歌うSoala。開始3曲にもかかわらず、Soalaの非常に高い歌唱力と、コンセプトやテーマが異なる楽曲をしっかりとモノにする彼女の表現力に、正直筆者は驚いた。「『Soala ONE MAN LIVE TOUR 2025 〜Color Sprinkles〜』ファイナル公演へようこそ! Soalaの音楽、受け取って!」との言葉を合図に、彼女のハイトーンボイスがじっくりと味わえる「My song」、低音が際立つ「Glorious」を経て、「自分色」ではSoaloveとコール&レスポンスを楽しんだ。「みんなはみんな! ずっとそのままでいてね!」と、Soalaはメッセージを伝える。

 ラジオ番組風のVTRが終わると、髪の毛をおろし、パンキッシュなワンピースに衣装チェンジしたSoalaが再び登場。火花が舞い落ちる映像に乗せ「恋花火」を歌い、バラード調の「一方通行」と「嫌いになりたい」を続けてパフォーマンスした。「(ツアー)ファイナルでこの曲を歌わせてください」――そうSoalaが呟く。「君が悪いのに」だ。〈お願い、誰か、私を愛して〉。まるで、引き止めるように何度も前方へと手を伸ばす彼女の姿。心の痛い部分をこれでもかとかきむしっていく。“切メロ”な恋愛ソングを感情を込めて歌う彼女の姿は、平成の歌姫を彷彿とさせた。

 そこから、エレクトロニック感溢れるパートが始まる。映像とともにパフォーマンスされたのは、「ストレス発散できる曲が続きます」という彼女の説明通りにアグレッシブな「Dead or Love」、「Lie」、「Boon」が続き、フロアの興奮はマックスに到達する。

Soala(撮影=林直幸)

 ここで流れたVTRでは、「1都市(公演)ごとに新曲をひとつ発表する」というSoalaがこのツアーで行った挑戦について語られた。映像のなかでこれから披露する7つ目の新曲について、「この曲は私が今いちばん伝えたいことが詰まっている曲。諦めなければ自分の進んだ道を後悔しない。私は、それを証明し続けたい。自分の音楽で誰かを救いたい。この曲を通して、みんなの背中を押したい」と彼女は泣きそうになりながらも、強い瞳で述べる。

 オーロラ色のワンピースに着替えたSoalaがステージに現れた。キラキラとしたポップな「あの子」を歌うと、シフォン素材のスカートがひらひらと揺れる。そう、“かわいいブロック”へ突入したのだ。“EDM×ポップ”の要素が強い「D.I.E.T.」、「Prrrr…」、本ツアーの福岡公演で初披露された「スキヘラ」をドリーミーな空間で楽しそうにSoalaは歌う。

 そして、その後には失恋をテーマにした2曲が続いた。TikTokで話題となり、リリースから約半年で総再生回数2000万回を突破し、多くの人に彼女の名前が知られるきっかけともなった「すれ違い」、自身の胸を拳で叩き、涙を堪えながら歌い上げた「カサネアイ」。フロアからは鼻をすする音が聞こえてくる。

Soala(撮影=林直幸)

「Soalaは真っ白で何もなくて、でも、みんながいたら強くなれるんです。『Soalaがいるから頑張ろう』って思える存在になってたら嬉しいです」

「みんな、夢、諦めてないですか? いろんな壁ってあると思うけど、『諦めなければ後悔しないんだ』ということをSoalaが証明し続けるので、みんなが選んだ道をまっすぐ突き進んでね」

 そう述べると、MCの内容ともリンクするような「分かれ道」、「HOPE」が続けてパフォーマンスされた。ステージを満遍なく歩きながらSoaloveを優しく見つめる彼女の姿が今も鮮明に残っている。

 アンコールを望む“Soalaコール”に答えるべく、彼女が再びステージに立つ。「青春ロックンロール」、「Merry Special Day」、そしてツアーを閉じるラストナンバーは、連続リリースラストとなる「Alive」だ。力強くフロアをしっかりと見つめるSoala。その視線の先はファンと、来年3月24日に東京・Zepp DiverCity (TOKYO)で控えている“挑戦”――ワンマンライブ『Soala ONE MAN LIVE 2026 〜Aile〜』をとらえていた。

 開演前、フロアを見回すと幅広い世代の男女で溢れていた。筆者は、それを少し意外に感じたのだが、彼女の魂と愛がこもったライブをみて納得した。じっくりと観客を見つめるSoalaの姿を見ていてわかったことがある。“彼女はアーティストとファン”ではなく“Soalaとあなた”という関係性で一人ひとりと向き合っていたのだ。このように支持されるのは、彼女の持つ力――「夢を絶対に叶える」という強い意志がリスナーの心を動かし続けているからにほかならない。

Soala(撮影=林直幸)

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる