『Snow Manの素のまんま』構成作家・永田篤がラジオを通じて感じた9人の成長 「末永く続けていけたら」と語る番組への想い

構成作家 永田篤が語る、Snow Manの魅力

 今年デビュー5周年を迎え、目覚ましい活躍を続けているSnow Man。彼らのラジオ番組『不二家 presents Snow Manの素のまんま』(文化放送/以下、『素のまんま』)は、そんな激動の5年間をともに歩み続けてきた“ホーム”とも言える。

 9人グループという大所帯の中で、週替わりでふたりのメンバーが登場してトークを繰り広げる。実に36通りにもなるペアの会話がじっくりと聴けるのは、まさしくここだけ。カメラに映らない音声だけのやりとりだからこそ、さらけ出せる“素”を楽しめる。そんな同番組を支えているのが、“ガイさん”こと構成作家・永田篤だ。

 『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』『KちゃんNEWS』『横山裕・村上信五のレコメン!』(すべて文化放送)など数々の名番組を手掛けてきた永田が、『素のまんま』を通じて感じたメンバーの成長、Snow Manの進化とは? 「彼らと末永く番組を続けたい」という思い、そしてリスナーができる長寿番組を支えるヒントを聞いた。(佐藤結衣)

デビューへの勢いを感じて「Snow Manは絶対にくる!」と猛プッシュ

――Snow Manがデビューを果たす半年前、2019年8月9日に特番がオンエアされたことを皮切りに同年10月よりレギュラー放送がスタートとなりました。当時、Snow Manに対してどのような印象を抱いていましたか?

永田篤(以下、永田):実はSnow Manが6人時代の時から、彼らのライブや舞台を観に行っていました。当時からそれぞれ個性があって「いいグループだな」と思っていたのですが、9人体制になるとそこにさらに勢いが出てきて。「これはすごいチャンスだ」という気持ちが抑えきれなくなり、「早めにSnow Manとの番組をやったほうがいいですよ!」と文化放送に猛プッシュしたのを覚えています。とにかく彼らは伸びしろがすごかった。「Snow Manは絶対にきますから!」と言い続けてきたところ、その願いが叶う形で特番が企画されまして、続けてレギュラー化することになって。レギュラーのスタッフの中に、僕も入っていてよかったなと思いました。

構成作家 永田篤
構成作家 永田篤

――では、番組スタートのタイミングでは、すでにSnow Manのメンバーについてよくご存知だったのですね。

永田:ええ。その突破口となったのは、佐久間大介くんの存在でした。彼とは『ラブライブ!』会というところで、完全なプライベートでも仲良くさせていただいていて。『ラブライブ!』会が何なのかというのは、ここでは端折らせていただくんですが(笑)、長年ラジオの裏方をしているものですから、Kis-My-Ft2の宮田俊哉くんから『ラブライブ!』会で幹事のような役目を任命されまして。要するにアニメ好きという共通点から、“宮田一派”の繋がりで佐久間くんと仲良くなりました。

――そこからSnow Manのライブや舞台を観に行くことになった、と。当時からメンバーの印象は変わりませんか?

永田:それこそ、佐久間くんはまったく変わらないですね。昔からずっと「ラジオをやりたい」と言っていたので、ラジオのお仕事に対する気合いも感じられます。彼は最初に言葉を発してくれるという意味でも“Snow Manの切り込み隊長”なんて言われたりもしますが、よく観察してみると相手に合わせた細かな仕事ぶりを発揮しているんですよ。前に出て盛り上げてお膳立てをしたら、「あとはどうぞ」と相手の話を聞き出す、なんていうラジオの場を心得ている人だなと思います。

文化放送 ラジオブース

――たしかに、佐久間さんのいらっしゃる回は賑やかでありながら、気持ちよくトークが盛り上がる印象がありますね。

永田:変わったな、と思う人で言えば舘さん(宮舘涼太)ですね。昔から雰囲気がある人だなと思っていたのですが、デビューをしてからは“ボケる楽しさ”みたいなものに気がついたのかなと(笑)。ベースの雰囲気は残しつつ、自分のキャラクターを理解した上で、いい意味でふざけることができるようになったと思います。たとえば、しゃべろうとしてマイクに近づいて口を開けたのに話さないとか、聴いている人たちには伝わらないようなボケをするんですよ(笑)。しかも、『素のまんま』は収録なのでそうした見えないボケは全カットになるのもわかっているのに! でも、それもこの場にいるスタッフへのサービス精神なんでしょうね。

――カットされているのがもったいないくらい見たい風景です(笑)。

永田:そんな舘さんのボケを「時間ないんだから!」とツッコんでいるのが、岩本照くんです。岩本くんはもともとボソッと面白いことを言う方という認識ですが、それがさらに磨き上がった印象。そして、おそらくメンバーで一番リスナーの皆さんからのお便りを読みたいと思っている人ですね。それも、Snow Manへの質問というよりも、リスナー自身のプライベートが綴られているメールをちゃんと時間をとって読みたいんですよ。でも、フリートークが盛り上がってしまうと、お便りを読む時間がなくなってしまう。そんな時間がない中で、舘さんが使われないボケを続けていると「もう!」って(笑)。

メンバーにはタイトルの通り『素のまんま』でいてほしい

――そうしたタイムキーパーも構成作家さんのお仕事のひとつなんですね。

永田:そうですね。とはいえ、やっぱりこの番組は『素のまんま』というタイトル通り、彼らの“素”を楽しんでほしいという思いもあって、なるべく僕は自由にしているんですよ。それでいうと、ふっかさん(深澤辰哉)がいる時は、いつもの通りブース内で彼らのそばにはいるけれど、「ふっかさんに頼んでおけば大丈夫だろう」と、大船に乗った気持ちでいます。特番の時からMCをお願いしているふっかさんには、絶大な信頼を置いているので。こんなこと、あまり面と向かって話したことはないですが。

――そうなんですね。普段、メンバーの皆さんとはどのような話を?

永田:大体は趣味の話が多いですね。佐久間くんとのアニメ話はもちろん、ふっかさんとはゲームの話が多いかな。阿部(亮平)ちゃんとはクイズ繋がりで距離が縮まった感じがします。僕、実は『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系)の予選に出たこともあるくらいクイズ好きなもので。恐れ多くも、阿部ちゃんとクイズの早押しゲームアプリで対戦したこともあります。5戦して阿部ちゃんの4勝1敗。1回でも阿部ちゃんを負かせたというのが、僕の自慢です(笑)。そんな阿部ちゃんですが、思わず口が悪くなる瞬間が出てくる回や、ふっかさんとの同期コンビ回はイチ押しですね。

――そこも“素”が出るラジオ現場ならではですね(笑)。ラジオの台本というのは、実際のオンエアにどのくらい反映されているのでしょうか?

永田:台本には、基本的にお決まりの流れが書いてある程度です。オープニングトークでは「今夜は、このコンビでスタートします」というセリフと、そのコンビがどのくらいぶりの何回目かという流れ。フリートークの部分には「◯◯くんの誕生日が◯日です」とか「ツアーがスタートしました」「こんな季節になりました」など話題になりそうなトピックをいくつか記載していますが、そこからどのテーマを選んで話すのかは、彼らにお任せしています。

放送作家 永田篤

――なるほど。先日番組を聴いていたら、渡辺翔太さんが「若中年」というワードを出していて、そのまま番組終盤にもオチがついていたので、「台本?」「アドリブ?」と思いまして。

永田:あれは、もちろんアドリブです。翔太くんはラジオでウケる“ちょうどいい感じの本音”を言える人なんですよね。「女の子が好き」とか「かわいいって言われたい」とか(笑)。それこそ、デビュー前のライブでのMCなどを観ていた時には、ラジオトークに向いているという印象はそこまでなかったので、嬉しいギャップでした。きっとメンバーとのふたりトークという形がしっくりきているんでしょうね。逆に、おしゃべりが好きなイメージのあった向井(康二)さんが、ラジオではものすごく緊張していて。最初の特番のあとにも「録り直ししたい」と言っていたほどでした。

――そんなに緊張していたんですか?

永田:彼は真面目なんですよね。そもそも世間的にある“関西人”という期待に応えたいという思いと、面白く話したいというサービス精神が人一倍強くて、少し気負ってしまうところがあったんだと思います。とはいえ、レギュラー化されてからはすぐに慣れて、いつしか「掴んだな」という感じが見て取れました。舘さんといる時はツッコミ、阿部ちゃんといたらボケ倒す。そんなふうにメンバーによってボケとツッコミを変えているところとかは、さすがだなと思いますね。真面目といえば、目黒(蓮)くんもメールを読み上げる時などは間違えないように、しっかり向き合っている姿が印象的です。

――目黒さんはデビュー後、俳優としても大きく飛躍しました。Snow Man全体としても個々の活躍が目覚ましく多忙な日々だったと思います。

永田:忙しいからこそ、ラジオがメンバーとゆっくり話せる貴重な場所になっているようにも思いました。目黒くんも昔から楽しんでくれているなとは感じていました。いっぱい話して、いっぱい笑って。どんなにスケジュールが立て込んでいても、その大変さはまったく僕らには見えませんでしたね。ラウールくんもモデル活動で海外との行き来があって大変だったと思いますが、むしろその経験を自信に変えて、ものすごく成長しました。加入当初はまだまだかわいらしい少年という印象だったのですが、いつのまにか体も器も大きくなって(笑)。言葉の選び方やタイミングとか、本当に上手くなったなと思います。

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