BAND-MAID、“攻めの姿勢”で存在感を確立 国内外での活動、4期連続アニメタイアップ……大躍進の2025年を辿る

 国内のみならず、海外でもその人気や知名度を高め続けているBAND-MAIDだが、2025年の彼女たちは常に話題に事欠かない、 “攻めの姿勢”での活動が続いた。本稿ではさまざまなトピックから、BAND-MAIDがいかに今年大躍進したかを振り返ってみたい。

ハイペースな楽曲リリース

 昨年9月に約3年半ぶりのオリジナルフルアルバム『Epic Narratives』を発表したばかりの彼女たちだが、年明け早々に新曲「Zen」を配信リリース。その後も4月に「Ready to Rock」、7月に「What is justice?」と定期的に新曲を届け、10月にはこれらをコンパイルしつつ、さらに新曲5曲を加えた8曲入りEP『SCOOOOOP』をCDリリースしている。

BAND-MAID / Present Perfect (Official Music Video)

 どの曲もBAND-MAIDらしいハード&ヘヴィな音像に各プレイヤー陣のテクニカルなプレイ、SAIKI(Vo)&小鳩ミク(Vo/Gt)が歌うキャッチーなメロディが備わっており、非常に完成度が高いものばかり。『Epic Narratives』という自信作を経て、彼女たちの創作意欲が現在も右肩上がりで継続していることが、この充実ぶりからも伺える。

アニメサイドからの信頼度の高さ

 上記の新曲のうち、「Zen」はMAPPA制作によるオリジナルアニメ『全修。』(テレビ東京系)のオープニングテーマ、「Ready to Rock」はロックバンドを題材にしたアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』(TBS系)のオープニングテーマ、そして「What is justice?」は人気コミックのアニメ化作品『桃源暗鬼』(日本テレビ系)の第1クールエンディング主題歌として、それぞれ作品を盛り上げ、お茶の間を賑わせてきた。BAND-MAIDは近年も「Different」(『ログ・ホライズン 円卓崩壊』オープニングテーマ)や「Sense」(『プラチナエンド』(TBS系)オープニングテーマ)、「Shambles」(『ケンガンアシュラ』(TOKYO MXほか)第2期エンディングテーマ)などを手掛けてきたが、昨年10月期放送のアニメ『グレンダイザーU』(テレビ東京系)に「Protect You」を提供して以降は、4期連続(1年間)でアニメのテーマソングを書き下ろし続けたことになる。

BAND-MAID / What is justice? (Official Music Video) TVアニメ「桃源暗鬼」エンディング主題歌

 こうした事実が物語るのは、彼女たちのサウンド/楽曲がアニメサイドから強い信頼を獲得しているということ。もちろん、各アニメ作品のテイストとBAND-MAIDの音楽性がマッチしなければこれらのコラボは実現しなかったわけだが、視点を変えればそれだけ彼女たちの音楽性が昨今の話題アニメ作品との親和性が高いという表れでもある。“89秒の世界”でアニメの世界観を踏襲しつつ、いかにBAND-MAIDらしさを詰め込むか。その技術や表現力はタイアップを重ねるごとに巧みになっているようにも映り、特に今年発表された3つのアニメタイアップソングはどれも従来のBAND-MAIDらしさを保ちつつ、各アニメ作品のファンにもアピールするキャッチーさがしっかり備わっている。こうした数々のトライも、今の彼女たちの音楽的充実度に大きな影響を及ぼしていることは間違いない。

BAND-MAID / Ready to Rock ×「ロックは淑女の嗜みでして」 Special Music Video (Anime Music Video)
 加えてもうひとつ。BAND-MAIDは先の『ロックは淑女の嗜みでして』ではテーマソング制作のみならず、アニメキャラクターのモーションキャプチャーや劇中曲のレコーディングにも関わっている。これも『ロックは淑女の嗜みでして』という、女子高生ロックバンドを題材とした作品だからこそのコラボレーションだと言えるだろう。また、アニメの最終回の放送とともに公開された「BAND-MAID / Ready to Rock ×「ロックは淑女の嗜みでして」 Special Music Video (Anime Music Video)」は、公開後瞬く間に100万回再生を超え、約5カ月が過ぎた現在も唯一無二のコラボレーションにコメントが増え続けている。
 

関連記事