Mrs. GREEN APPLE、『輝く!日本レコード大賞』3連覇なるか “史上3組目”となる快挙が期待できる理由

 12月30日に放送される『第67回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)。各賞の受賞者と楽曲が発表され、Mrs. GREEN APPLEの「ダーリン」が大賞候補となる優秀作品賞を受賞した。

Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」Official Music Video

 Mrs. GREEN APPLEは2023年に「ケセラセラ」、2024年に「ライラック」で日本レコード大賞を受賞。浜崎あゆみ、EXILEに次ぐ史上3組目の『レコード大賞』3連覇、そして“バンド”初となる大賞受賞への期待がかかる。

 「ダーリン」は、18歳世代の1000人とアーティストが一度限りのパフォーマンスで共演する『Mrs. GREEN APPLE 18祭』(NHK総合)のテーマソングとして書き下ろされた楽曲で、今年1月に配信リリースされた。4月にはBillboard JAPANチャートにおけるストリーミングの累計再生回数が1億回を突破(※1)。2025年リリースの楽曲としては初の1億回達成となった。さらに、7月に発表された「オリコン上半期ストリーミングランキング2025 “2025年配信楽曲”」では期間内再生回数は1億5307万4566回で堂々の1位に(オリコン調べ/※2)。今年リリースされた作品のなかでも、ストリーミングにおいて圧倒的な強さを見せてきた。

 また、DAMとJOYSOUNDによる「2025年上半期カラオケランキング」においても、上半期に発売された曲のみを集計したランキングで1位を獲得(※3、4)。その勢いをキープし、先日発表された年間ランキングでも、2025年に発売された楽曲のなかで首位に輝いた(※5、6)。このように、ストリーミングとカラオケといった複数の分野でトップに立ってきた「ダーリン」が優秀作品賞を受賞するのは必然であり、3度目の『日本レコード大賞』受賞へも期待が高まる。

 年間を通して目覚ましい結果を残してきた「ダーリン」。人気を集めた理由には、誰もが抱える生きづらさを投影したような歌詞への共感も挙げられるのではないかと思う。静かなピアノの音色とともに、楽曲は〈負けない何かが欲しい/“私”だけの愛が欲しい/そうすればきっと僕らは/比べないで居れる〉という主人公の嘆きで始まる。SNSが発展し、良くも悪くも自分と誰かを比べやすくなった現代。輝いて見える周りを羨ましく思いながら、自分自身も「誰かに必要とされたい」と願うことは、18歳世代を問わず誰しもあるのではないだろうか。他人を意識してしまうからこそ抱く孤独感に寄り添いながら、Mrs. GREEN APPLEはこの曲で〈あの子にはなれないし/なる必要も無いから〉と歌う。不安な気持ちを等身大の言葉で表現し、「自分は自分のままでいい」と優しく教えてくれるような「ダーリン」に、救われた人も少なくないはずだ。

 「ダーリン」は、今年、多くのリスナーの心に深く刻まれた作品のひとつだと言えるだろう。2025年7月8日にデビュー10周年を迎え、12月31日をもってフェーズ2完結を発表しているMrs. GREEN APPLE。特別な年のラストに、『日本レコード大賞』3連覇という歴史的瞬間が訪れることに期待したい。

※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/148211/2
※2:https://www.oricon.co.jp/special/71896/
※3:https://www.clubdam.com/ranking/2025/firsthalf.html
※4:https://www.joysound.com/web/s/karaoke/contents/ranking/2025-02
※5:https://www.clubdam.com/ranking/2025/
※6:https://www.joysound.com/web/s/karaoke/contents/annual_ranking/2025-02

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