櫻坂46はなぜ“国立”に辿り着けたのか? 改名から5年、時代の真ん中を担う存在となるまでの歩み

“国立競技場にふさわしいグループ”となった理由を考える

 改名以降の櫻坂46は、“再生”と“確立”の5年間を歩んできた。「Nobody’s fault」で切ったリスタート、「BAN」「流れ弾」を経て、「Start over!」「承認欲求」のヒット、そして最新作品『Unhappy birthday構文』に至るまで、彼女たちは常に変化と挑戦を続けてきた。欅坂46の遺伝子である洗練された世界観と内省的な表現を受け継ぎつつ、櫻坂46という新たな名前を背負ってメンバーたちはこれまでステージに立ってきた。センターを固定せず、楽曲ごとに物語の主役が入れ替わるその体制は、集団の中に無数のドラマを生み出し、さまざまな感動をもたらしてきた。

 ライブの進化と規模の拡大も、国立競技場公演実現へと至るひとつの要因だろう。今年4月から8月にかけて行われた『5th TOUR 2025 “Addiction”』では、東京ドーム3DAYS公演を含む、愛知、福岡、広島、東京、大阪という5都市のアリーナおよびドーム会場を巡り、成功させた。MCをほとんど挟まないほぼノンストップの構成、アクロバットチームやサーカス団を迎えた演出、そして3時間を超える公演での圧倒的な集中力。そのパフォーマンス力こそが、“国立競技場にふさわしいグループ”となった理由と言えると思う。

Behind the scenes of 4th YEAR ANNIVERSARY LIVE Short clip <Thank you 2024編>

 改名から5年。その時間の挑戦の積み重ねが、ついに国立競技場という頂で花開く。桜は何度でも咲く。そして散るたびに、新しい季節で準備をして、再び春を連れてくる。2026年の春、国立競技場の夜空に舞う桜は、櫻坂46にとって過去への感謝と未来への決意を重ね合わせる花になるだろう。これはゴールではなく、新たな出発の合図だ。櫻坂46は、再び世界を見据えて歩き出す。

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