櫻坂46はなぜ“国立”に辿り着けたのか? 改名から5年、時代の真ん中を担う存在となるまでの歩み

 櫻坂46が、2026年4月11日、12日の2日間にわたって、東京・MUFGスタジアム(現国立競技場)でデビュー5周年記念ライブ『5th YEAR ANNIVERSARY LIVE』を開催する。

AKB48、ももクロ……2026年春、櫻坂46がその系譜に新たに名前を刻む

 改名から5年で、この場所にたどり着いたという事実は、グループの歩みを象徴する出来事と言っていいだろう。国立競技場のステージは、ただ大きいだけの会場ではない。音楽というカルチャーにおいて、そこは時代の真ん中に立つ存在だけが立てる特別な場所だと言えるだろう。アーティストにとっての夢の舞台であり、ファンにとっても“時代の記憶”として刻まれる舞台。その扉を櫻坂46が開いたということは、グループがこの5年間で確かに“国民的存在”になったという証でもあると考える。

 国立競技場が初めて音楽の舞台として注目されたのは2000年代に入ってからのことだった。SMAPやDREAMS COME TRUE、嵐といった国民的グループ/アーティストが国立を満員にして以降、L'Arc~en~Ciel、矢沢永吉、Ado、Snow Manなど、限られたアーティストだけがその地に立ち、時代の象徴として名を刻んできた。国内の成功を証明する場であると同時に、世界に向けて“日本のポップカルチャーの現在地”を提示するステージでもあるのだ。

 女性アイドルグループという括りで見れば、同会場に立ったのは、AKB48とももいろクローバーZの二組のみ。AKB48は、社会現象と言えるほどの人気と影響力を背景に、2014年の国立競技場でその“国民的アイドル”の頂点を証明し、ももいろクローバーZも同年に公演を成功させ、“ライブアイドル”としてのひとつの到達点を示した。いずれも当時の日本におけるアイドル文化の勢いを象徴する公演であり、“国立”という場所が時代を映す鏡であることを改めて印象づけた。

特報映像「ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」/ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z)

 そして2026年春、櫻坂46がその系譜に続くことになる。しかも彼女たちが立つのは、2020年開催の東京五輪を機に建て替えられた新しい国立競技場。旧国立競技場が昭和から平成にかけての記憶の象徴だったとすれば、新国立競技場は令和のカルチャーの象徴だ。ゆえに櫻坂46は、令和を代表するアーティストとして、その舞台に立つことになる。

櫻坂46『承認欲求 ~4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム~』

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