Mrs. GREEN APPLEはいかにして国民的バンドとなったのか? フェーズ2での前人未到な快進撃を総括

ミセスの音楽が現代に浸透した必然性

 2025年5月に開催された音楽アワード『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』で、ミセスは最優秀アーティスト賞を受賞。Billboard JAPANの2025年上半期チャートでは、総合ソングチャート「JAPAN Hot 100」、総合アルバムチャート「Hot Albums」、トップアーティストチャート「Artist 100」の主要3部門すべてで首位を獲得した。彼らの音楽が多くの人に届いていることがわかると同時に、こうした華々しい功績は、彼らが絶えずリスナーを楽しませているからこそだろう。2025年は、昨年を上回る6カ月連続新曲リリースを行い、バンドの公式YouTubeチャンネルでは制作の裏側に迫る動画を随時公開するなど、話題に事欠かない。

Mrs. GREEN APPLE「GOOD DAY」Official Music Video

 デビュー10周年となる2025年はベストアルバム『10』のリリースに加え、初の韓国公演『MGA LIVE in SEOUL, KOREA 2025』や、自身が新しい“エンタテインメントメディア”として立ち上げた『Mrs. GREEN APPLE presents “CEREMONY”』も開催。7月にはアニバーサリーライブ『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~』を神奈川・山下ふ頭特設会場で成功させ、10月25日からは初の5大ドームツアー『DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”』もスタートする。

Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』 [Mrs. GREEN APPLE / ケセラセラ]

 フェーズ2の完結、フェーズ3の開幕を発表した生配信にて、大森元貴(Vo/Gt)は「『誰も置いていかないエンタメをやっていこう』という強い意志と目標を持ってスタートさせました」と、バンドがもっと多くの人に知れ渡るようにメディア出演やコラボレーションを積極的に行ってきたと語っていた。こうしたフェーズ2における彼らの軽やかな活動によって、バンドの間口は大きく広がった。加えて、〈ある日突然花が咲いたらラッキー/そんな調子で生きろエヴリデイ〉と歌う「ニュー・マイ・ノーマル」に始まり、〈いつだって大丈夫〉と繰り返す「ダンスホール」や、「なるようになる」の意味を持つ「ケセラセラ」など、困難を受け止めながらも明るい希望を歌ってきたミセスの音楽が現代に広く浸透することは必然だったように思う。

Mrs. GREEN APPLE「ダンスホール」Official Music Video

 生配信では新しいバンドデザインとバンドイメージカラーが発表されたほか、2026年秋頃に約3年ぶりのオリジナルアルバムがリリースされることも明かされた。まさに、前人未踏の地へと歩みを進めていったフェーズ2。その先のフェーズ3で、私たちはどんな景色を、どんな彼らの姿を目撃できるのだろう。Mrs. GREEN APPLEのさらなる活躍が楽しみだ。

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