BUDDiiS、覚悟のアリーナツアー『COSMiiC』 新境地と5周年の祝祭――「これからもどこまでも一緒に」

9月20日、21日、神奈川・横浜アリーナにてBUDDiiSがアリーナツアー『BUDDiiS vol.10 - COSMiiC -』を行った。本稿ではBUDDiiS史上最大規模となる同ツアーのうち、20日公演の様子をレポートする。

オープニング映像が流れると、ステージ上にメンバーが登場。宇宙服のような衣装をまとい、「SHINE ON!!」でライブをスタートさせる。「Koi to me」に続いたのは、「HONEY」。メンバーたちが楽曲の世界観そのままに情熱的で色っぽい煽りをするたびに、客席からは黄色い声が飛ぶ。続く「YO HO」では、花道を歩いてセンターステージへ。メンバーが一斉にメインステージに目を向けると、花火の映像と「祝5周年」の文字が。9月16日で結成5周年を迎えたことを会場全員で祝うかのように、楽曲の最後には客席も一緒に手を上げて盛り上がる。そして、「僕たちとバディ(BUDDiiSのファンの呼称)で最高に幸せな空間、作っていきましょう!」というFUMINORIの曲振りで「LÖVE ME」へ。ポップな曲調に甘酸っぱい歌詞が乗ったこの曲で、FUMINORIの言葉を体現するかのようにハッピーな空気が会場に広がっていった。



メンバーがキャラクターになったゲーム映像を挟んで、ステージに現れたのはYUMAとTAKUYA。ふたりが息の合ったダンスで会場を魅了すると、FUMINORI、SEIYA、SHOW、FUMIYAのラップ曲「Mr.Freak Out」がスタート。黒い衣装にチェンジした4人がクールにラップをキメていく。さらに再びYUMAとTAKUYAも加わり、6人で魅せるダンスパートも。BUDDiiSの多才さを示しているかのようだ。そして、「Instinctive Love」に続いたのは、新曲「RUN」だ。大人っぽい雰囲気をまといながらも、ダンスブレイクではがっつりダンスを展開。結成5周年を迎えた彼らの新境地を魅せるかのようなパフォーマンスであった。



一気に駆け抜けたところで、あらためて自己紹介。ステージにはKEVIN、MORRIE、SHOOTが残り、センターステージへと歩いていく。直前に披露した「RUN」は、KEVINとSHOOTが作ったのだと笑顔で話すと、MORRIEが仲間外れにされたと拗ねるような素振りを見せる。ワチャワチャと戯れる姿が微笑ましい。そんな空気を一変させたのは、ボーカル3人が美しいハーモニーを聴かせる「わがまま」。続く「Lack」では、MORRIEがSHOOTをバックハグするシーンも。思わぬ兄弟での絡みで、客席からは大きな歓声が上がる。「Magic」では、ステージ上に女性が登場。メンバーたちはパフォーマンスの途中で、彼女に薔薇の花を渡そうとしたり、傘を差してあげたり、あの手この手で思いを伝えようと奔走。しかし、結局女性は見向きもせずに去っていってしまう。その様子に、メンバーたちは「どこ行くの!?」「俺らじゃないことある!?」「思わせぶりだよ!」と騒ぐも、そのままカメラのシャッターが切られたようにモニターの映像が静止して、「HOT CHEESE」へ。わいわい楽しそうなパフォーマンスが終わると、大人っぽいバラード「Iris」で会場の空気を一変させてみせた。



再びゲームの映像が流れると、メンバーが客席に登場して「Brightness」へ。その後にメンバーがセンターステージに集結し、最新曲の「Dear」をパフォーマンスしていく。オンステージカメラもあり、モニターを観ているだけでも臨場感が伝わってくる。そして、「OZ」、「The One」と人気曲で会場を盛り上げていく。ちなみに、「The One」の今回のアドリブセリフ担当はSEIYA。「バディ、ずっと大好き!」と、ファンへの愛を叫んでいた。
MCでは、ここまでのライブを振り返り。初披露の「Dear」の話のなかで、「はい」や「いやあ〜」の代わりに「Dear」という曲名をさりげなく使うというプチブーム(?)がメンバー間で勃発。それをFUMINORIが容赦なくツッコんでいき、会場は笑いに包まれる。



BUDDiiSらしいわちゃわちゃとしたやり取りを見せたあとは、TAKUYAの「バディ、まだまだいけますか!」という言葉を合図に、後半戦がスタート。「LIGHTS」をスタートダッシュに、ここからスペシャルメドレーが始まる。「Under The Sea」、「Ütopia」、「R4U」、「ALIEN BOY」、「JEALOUS」を客席内で披露。バディたちも手を上げたり、歌ったり、メンバーとともにパフォーマンスを作り上げていく。FUMIYAの「背中を一緒に押し合いましょう!」という曲振りで始まったのは、「LOUD」だ。曲終わりで、再びメインステージに集合したメンバーたち。FUMINORIがタオルを広げると、そこには「おれたちがついてるよ」というメッセージが書かれていた。そのまま「BUD」がスタート。タオルを思い切り振り回して盛り上がったところで、会場が青い照明に包まれる。「BLUE SODA」だ。会場に一体感が広がったところで、FUMINORIから「次が最後の曲になります」という言葉が告げられる。「これからの未来も皆さんと一緒にいることを約束します。どこまでも一緒に行きましょう」と始まったのは、2回目の披露となる「Dear」だった。1回目よりもメンバーたちの肩の力は抜け、バディに寄り添う気持ちがよりパフォーマンスに込められているように思えた。



アンコールでは、あらためてひとりずつ挨拶。それぞれが思い思いの言葉を紡いでいく。
「体調とかで活動休止しちゃったこともありましたが、その時は寂しかったり、『みんなの前に立ちたいな』と思いながらひとりで家で休んで。こうやって大きなところでみんなで手を組んでライブができるのが、すごく嬉しい」(MORRIE)
「ライブをしている瞬間が人生でいちばん楽しい瞬間で。5周年になりましたが、僕ら(の活動)は、最初コロナ禍で。配信ライブで目の前に誰もいない景色のなかでやっていたので、こんなにたくさんのバディに愛されているんだなと思いました」(SEIYA)
「5周年を迎えて、いろんな環境の変化がありまして。なかにはメンバーがこぞって大泣きするような寂しいこともあったりして。そんなこともいろいろ乗り越えたうえで、考えや価値観がアップデートされていくというか。どうやってBUDDiiSとして活動していけばいいのかが、より具体的になったのがこのライブだなと思います」(SHOW)
「5年ってあっという間な気持ちがあって。自分で自分を見ているだけだと成長できているのか不安になる時もあるんですけど、ステージに立ってたくさんのバディが観にきてくれているのを実感して、少しは成長したのかなと思えました」(TAKUYA)
「そこのあなた、一人ひとりに会うためだったら僕たちはどんな時間も費やして、会う時間のためだったら何でもできるなって。どこまでもいけるなって今回のライブを作るなかで実感したので、より強い絆で、末永く一緒にいられる関係性になっていけたらいいなと思います」(FUMIYA)
「一人ひとりが仲間でいてくれてるなと思うと、この空間が愛おしくて、かわいくて、あたしの子どもみたい(笑)! 僕たちとしても今回のアリーナツアーは超えなくてはいけない壁だと気合いを入れて頑張っています。新しいジャンルの曲の制作に挑戦したり、BUDDiiSの愛してもらえる部分を増やせるように頑張っていきます」(KEVIN)
「(バディは)かけがえのない存在です。『わがまま』のMCでも言ったんですけど、自分の近くにいる人を大切に、そして自分を大切に。そこに僕らが大切な人として皆さんのなかに入っていればいいなと思いますし、僕らの大切な人のなかにはあなた一人ひとりがちゃんと入っています。これからも素敵な関係で一緒に音楽を作り上げられたらと思います。いつもたくさん愛しています」(SHOOT)
「応援してくれるこの空間がすごく幸せですし、少しでも恩返ししたいなっていう気持ちで頑張っていきます。笑顔とか少しでも増やしてあげられたらいいな、と。頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします」(YUMA)




最後にFUMINORIが、「僕らとしては覚悟を持って臨んだアリーナ公演。バディのみんなを笑顔にしたいと掲げているんですけど、もしかしたら不安にさせる瞬間もあったと思います。今も前を向けていない方もいるかもしれない。でも、ゆっくりで大丈夫です。みんなの近くには僕たちBUDDiiSがいつもいます。ツラい気持ちも一緒に抱きしめさせてください。これからもどこまでも一緒に歩んでいけたらいいなと思っています」と語り、涙ぐむ。しかし、会場、そしてメンバーからも「頑張れ」と声が飛ぶと、「BUDDiiSは止まることなく駆け抜けていくので、これからも幸せな空間を作っていきましょう」と笑顔を見せた。そして、「CLICK ME」、「Sonic」、「WE HIGH」とキラキラしたパフォーマンスで会場を笑顔にしていく。「ありがとうございました」という感謝の言葉を最後に、ライブは幕を下ろした。



























