BE:FIRST、「Secret Garden」パフォーマンスは“抜きの美学”の究極形 振り付けに可視化される歌声
8月25日に配信リリースされた、BE:FIRSTの新曲「Secret Garden」。リリースと同時に公式YouTubeチャンネルにはMVも公開され、多くの人に聴かれている。また、9月1日にはBMSGが主催するボーイズグループオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』の候補生によるパフォーマンス動画も公開。多くの人々から注目を集めている。
そんな同曲は、BE:FIRSTの魅力だけでなく、彼らの新しい面も引き出している。その新しさの一つに、ダンスが挙げられるのではないだろうか。同曲のダンスは、SOTAとダンサーのジュリアン・デグズマンが担当。どちらかと言えばゆったりとしており、グルーヴが大切になってくるダンスだ。ダンススキルが高いBE:FIRSTだからこそ、どこか余裕も感じさせるダンスに仕上がっており、何度も繰り返し見たくなる。そんな中毒性のある「Secret Garden」のダンスの魅力を改めて考えてみたい。
まず、目につくのは歌詞に沿った振りが混ぜ込まれていること。〈Secret garden〉の部分は口元に人差し指を当てて「シーッ」というポーズになっていたり、〈君しか見えない〉の部分は“Watching You”のハンドサインを彷彿させるポーズだったり。こうしたキャッチーなムーブを組み込むことで、「歌詞を体で表現する」という枠を超え、見る人を楽曲に引き込む効果を増幅させているとも言えそうだ。
また、今回のダンスは彼らの歌声を可視化していることも魅力のひとつ。同曲では歌やメロディに合わせた振りをメインに、ビートにハメた動きをところどころに入れることでアクセントが生まれ、ダンスに立体感が出ている。しかも、メンバーごとのボーカルの個性もダンスで表現されている。例えば、〈揺れて香ったリナリアに酔う〉というJUNONのパートのダンスは、肩の力が抜けたリラックスした雰囲気。それはJUNONの落ち着いていて癒やされるような歌声にも通ずるものがある。その後のRYUHEIのパートは、一つのムーブを振りの切り替わりギリギリまで引っ張っているようなダンスだ。その粘度高めの表現は、RYUHEIの色気ある歌声にピッタリだ。また、ラストスパートでは、〈すぐ迎えに行く〉というラップの後に、MANATOに被せるように〈Escape to〉と歌うSOTAの声が聴こえてくる。その部分をSOTAは余韻として動きで表現しており、まさに歌声を可視化していると言えるだろう。
さらに、グルーヴを感じさせる緩さと力強さの緩急も秀逸だ。リズムに乗りながらゆったり動いている振りが基本だが、ストップや小さなヒットなどを組み込んでメリハリのあるダンスは上級者ならではのニュアンスだ。そうした細かな部分だけでなく、サビでの流れるような振りなど、大きく動いて力強さを見せる振りが巧妙に組み合わさっている。また、アウトロは振り数が多い踊りをスピーディーにこなしているが、フェードアウトに合わせて余韻を残すような緩いダンスに徐々に切り替わる。これもまた、曲を可視化していることに繋がっている。
BE:FIRSTといえば、以前から“抜きの美学”をダンスで見せてきたグループだ。「Secret Garden」はその究極系と言っても過言ではないだろう。完全なる筆者の持論ではあるが、振り数が多くパワフルな振りであればあるほど、初心者でもダンスが上手く見える。逆にそうではない表現で人々を魅了できる彼らは、間違いなく高いダンススキルを有していると言えると思う。「Secret Garden」のダンス動画やライブパフォーマンスを通して、ぜひBE:FIRSTのダンスに酔いしれてほしい。

























