GLAY、予想外のコラボを実現させてきた探究心 小田和正、B'z、ENHYPEN JAY……多才さが垣間見える共演歴
GLAYがデビュー30周年を迎えたこの1年ほど、バンドとしても個々のメンバーとしても予想を超えるコラボレーションが次々と実現している。
まず驚きをもって迎えられたのが、JIRO(Ba)による新バンド結成のニュースだ。インストゥルメンタルバンド・LITEのJunIzawa(Ba)と組んだその名もCONTRASTZ(コントラスツ)は、2人のベーシストがタッグを組んだツインベースバンド。異なるバックグラウンドを持つ長年の盟友同士がクロスオーバーし、その対比の妙を描き出す意欲的なプロジェクトである。10月29日には7曲入りの1stアルバム『CONTRASTZ』をリリース予定で、アルバム収録曲から先行配信された「KONTRAST」は、GLAYデビュー30周年を締めくくったドーム公演『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 GRAND FINALE』のオープニング映像でJIRO登場シーンのBGMとして使用された楽曲でもある。ジャンルを超えて響き合う多彩なサウンドと緻密なリズム。GLAYの屋台骨を支えてきたJIROが、新境地で唯一無二の音世界に挑むこのコラボは、30周年を経てなお音楽的探究心が尽きないことを示している。
GLAY自体も、音楽シーンを賑わせるコラボレーションを立て続けに発表してきた。その代表格が小田和正との共演ではないだろうか。GLAYが4月23日にリリースしたデビュー30周年記念ベストアルバムに、小田とのコラボ楽曲「悲願」が収録された。この「悲願」は、公式サイトにて事前に「長きにわたって優れた作品を生み続け、GLAYに多大な影響を与えたアーティストとのコラボ」(※1)と予告されていたが、その正体が小田であると発表されると大きな話題に。小田はTERU(Vo)が心より尊敬するボーカリストであり、タイトル通りまさに“悲願”のコラボが実現した楽曲だ。長年にわたってJ-POPシーンを牽引してきた小田とのナンバーは、GLAYにとっても特別な作品となっただろう。
一方、GLAYのグローバルな感覚を示す意外性あふれる試みとして、グローバルグループ・ENHYPENのメンバーであるJAYとのコラボレーションも実現した。2024年5月リリースのデビュー30周年記念シングル『whodunit / シェア』の表題曲「whodunit」でJAYとコラボ。このロックチューン「whodunit」の制作にあたっては、TAKURO(Gt)たっての希望により、JAYの歌唱パートの作詞をJAY本人が手がけている。さらに、ボーカル録音のためにTERUとTAKUROが直接韓国に赴き、JAYとセッションを行ったというこだわりようだ。日本と韓国のそれぞれのスターが国境を越えて激突したこの楽曲では、TERUとJAYという2人のボーカリストが熱く掛け合い、新たな化学反応を生んでいる。お互いに刺激を与え合うことで生まれたサウンドは、長年のファンにも新鮮な驚きをもって迎えられた。
TAKUROの作詞家としての活躍も見逃せない。歌手生活60周年という節目を迎えた美川憲一の楽曲に、TAKUROが作詞で参加したのだ。2024年9月発売の美川のデビュー60周年記念シングル『これで良しとする』は、B'zの松本孝弘が作曲、TAKUROが作詞を担当した特別な楽曲である。ユーモラスかつ人生の深みを感じさせる歌詞が印象的なこのミディアムナンバーは、昭和と平成の歌謡界を彩ってきた美川のキャリアに新たな輝きを添えるものとなった。TAKUROと松本という組み合わせ自体も音楽ファンの間で大きな話題を呼んだ。ロックのフィールドに留まらず他ジャンルでもペンをふるうTAKUROの多才ぶりは、GLAYというバンドの音楽的な懐の深さを改めて示していると言えるだろう。
さらに話題になったのが、GLAYのメンバーが他バンドのライブに飛び入りしたサプライズだ。2025年6月、B'zが主催した対バンイベント『B'z presents UNITE #02』において、TAKUROがLOUDNESSの高崎晃(Gt)とともにゲスト出演を果たしたのである。開催日直前に松本が体調不良で出演見合わせとなったなか、サプライズゲストとしてステージに呼び込まれたのがTAKUROだった。稲葉浩志(Vo)に呼び込まれてステージに登場したTAKUROは「B'z愛が強すぎて、TAK愛が強すぎて、来ちゃいました」と語り会場を沸かせ、2曲を演奏。その後、高崎も合流し、結果的にTAKUROは計4曲、高崎は計2曲を演奏し、日本を代表するギタリストが共演する豪華な展開となった。トップアーティスト同士が互いにリスペクトを示し合ったこのスペシャルな一夜は、観客にとっても忘れられない日となったに違いない。
この投稿をInstagramで見る
GLAYは30周年イヤーに、ジャンルも世代も超越したコラボレーションを数多く展開してきた。それらの化学反応から浮かび上がるのは、常に新しい刺激を求め音楽の可能性を追求するバンドの貪欲さと柔軟性である。自身のフィールドに安住することなく、さまざまなジャンルのアーティストと手を組むその姿勢こそが、GLAYの真骨頂だろう。その数々は、GLAYというバンドの奥深い魅力と30年を経ても色褪せないクリエイティブな活力を如実に物語っている。
※1:https://www.glay.co.jp/news/detail/9320


























