新着MVランキング:Stray Kids「CEREMONY」で唱える“Hip hip hooray” これまでの実績と経験を示す楽曲に
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。8月22日〜8月28日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:Snow Man「カリスマックス」MV
2位:RIP SLYME「熱帯夜」THE FIRST TAKE
3位:BE:FIRST「Secret Garden」MV
4位:Stray Kids「CEREMONY」MV
5位:ヒカキン&セイキン「YouTubeテーマソング2」MV
6位:BE:FIRST「Secret Garden」Official Audio
7位:IVE「XOXZ」MV
8位:BE:FIRST「Secret Garden」Dance Performance
9位:『THE LAST PIECE』5th Round Team A「Green Light」Performance Video
10位:HANA「Tiger」1st FANMEETING『HANA with HONEYs』 Live Performance
Snow Man、RIP SLYME、BE:FIRST……さまざまな世代の人気グループがひしめくなか、今回取り上げるのはStray Kidsの楽曲「CEREMONY」。約2年ぶり、4作目となるフルアルバム『KARMA』のリード曲だ。近未来を舞台に総合格闘技、カーレース、テニス、サッカー、アメリカンフットボールなどのスポーツの大会に参加するメンバーたちの姿を描くMVには、プロゲーマー・Fakerがカメオ出演して話題になっている。
楽曲としては、オフの時間も猛烈に働き、ヘイターすら糧にすることできらびやかな成功を掴んできた、それが自分たちにとっての報い(=カルマ)であり、必然なのだというある種のボースティング。そんな自分たちを祝福し鼓舞しよう、というわけで、印象的な「ヒップ・ヒップ・フーレイ」が高らかに唱えられる。下積みの練習生時代からのハードワークを積み重ねてアイドルとして巨大な成功を目指すK-POP産業の精神を象徴するような曲だが、こうした歌詞が成立するのもメンバーたちが自ら楽曲制作に携わり、かつ実際に人気グループとして実績を積んできた彼らだからこそ、だと言えよう。とはいえ、アイドルたちに課される(あるいは自ら望んで課す)ハードワークには個人的に思うところがあり、「いのちだいじに」を信条とする者として、こういう曲を「さすがスキズ!」なんて褒めるのもいかんせん難しいのだが。
サウンド面にも着目してみよう。公式にはトラップEDMとバイレファンキをミックスしたスタイルと言われているが、バイレファンキ要素はそこまでない。イントロを聴いた瞬間はバイレファンキやラテン系のクラブサウンドを少し連想したものの、基本的にはデカいステージが映えるフェスティバル系のトラップを取り入れたトラックだ。バキバキにアップリフティングなわけではなく、クールな歌唱スタイルに合わせてビートのメリハリは抑えめ。ただ、コール&レスポンスで盛り上げた後、フェイクドロップ的なシンセリフが登場してベースの効いたフックに突入する展開には、スマートさと爆発力のバランスがとれた巧みさがある。
楽曲としては申し分ないものの、やはりバイレファンキを謳うには要素が薄いのが少し心残りではある。ちなみに、ちょうどこのMV公開と前後して、ブラジルのドラァグクイーンでシンガーのパブロ・ヴィターが、Stray Kidsと同事務所所属(JYPエンターテインメント)である6人組ガールズグループ・NMIXXとコラボレーションした楽曲「MEXE」をリリースしていて、そちらはアグレッシヴなファンキのサウンドががっつり盛り込まれている。せっかくなのでぜひチェックしてみてほしい。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly

























