SixTONESが証明し続ける確固たる実力 フェスでも“アイドルとしての矜持”を胸に闘い抜く6人のライブ力

 2025年も、SixTONESの快進撃が止まらない。

 遡ること、2025年1月。筆者は、5大ドームツアー『SixTONES LIVE TOUR 2025「YOUNG OLD」』の東京ドーム公演を観て、攻めて攻めて攻めまくる6人の熱烈な気概を全編を通して強く感じた。革新的なアイドルポップスを大胆に繋いだセットリストや、規格外とも言えるダイナミックな演出をはじめ、彼らが“攻めている”と感じた理由はいくつもある。

 では、なぜ彼らは“攻めている”のか。ライブを観終えた後に感じたのは、彼らにとって“攻めている”とは、つまり“闘っている”ということなのだろう、ということだった。それは言うなれば、アイドルの可能性を拡張するための大胆不敵で果敢な闘い。きっと6人なら、アイドルとしての信念と矜持を大切に保ったまま、日本のアイドルポップスの可能性を、これまで誰もリーチしきれなかった遥かな地平まで押し広げてくれるような気がした。

SixTONES –「GONG」from 5th Album「GOLD」(「Talking Rock! FES.2024」2024.07.06)
SixTONES –「WHIP THAT」from LIVE DVD/BD「VVS」(「ごぶごぶフェスティバル2024」2024.05.12)

 先述した東京ドーム公演を含むツアーを終えた後も、SixTONESは足を止めずに攻め続けた。彼らは2024年以降数々の大型フェスへの出演を重ねており、そうしたチャレンジングな姿勢は今年に入ってからも継続中。この夏には、8月10日の『CANNONBALL 2025』と8月16日の『SUMMER SONIC 2025』東京会場への出演を果たした。前提として、ワンマンライブとフェスでは、アーティストを取り巻く環境が大きく変わる。主に自分たちのファンが集まるワンマンライブとは異なり、フェスの会場にはその日出演するさまざまなアーティストのファンが一堂に会する。常に複数のステージでアーティストのライブが並行して進行することの多いフェスで、出演アーティストたちは「自分のステージを選んでもらえるか」「最後まで観てもらえるか」という試練に向き合うことになる。

 アーティストによっては、そのステージで“アウェイ”な空気を感じることもあるかもしれない。SixTONESは、そうした現実をすべて引き受けた上で、今年もフェスのステージに立った。それができるのは、自分たちの音楽に対する深い自信があるからだろう。しかし、きっとそれだけではない。彼らの胸の中には、いまだ出会ったことのない人々と出会うために、そして、その人たちに自分たちが追求する新しいアイドルの形を見せるために、まだ見ぬフィールドへ果敢に越境していきたいという使命感があるのではないか。その想像は、実際に『SUMMER SONIC』のステージを観て確信に変わった。

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 『SUMMER SONIC』は、数ある国内フェスの中でも特に多様なアーティストと観客が集うフェスであり、今年はその“多様さ”が例年以上に際立っていた年だったと思う。あの日あの場で初めてSixTONESのライブを観たという観客も多かったはず。しかし、彼らはそうした現実から決して目を背けることなく、むしろ好機として捉え、いつものように攻めて攻めて攻めまくるライブを展開してみせた。彼らに与えられたスロットは、同フェス最大規模のステージ「MARIN STAGE」のトップバッター。これまでのフェス出演時と同様に、今回もバンドセットでの出演だ。

 1曲目は、SixTONESの名刺代わりのミクスチャーロックナンバー「こっから」。これまでもそうだったように、フェスのステージに臨む時の彼らは、やはりいつにも増してギラギラしている。ワイルドでパワフル。スリリングでセクシー。先ほど、“闘っている”という表現を用いたが、この日も明確な“闘志”を感じた。何より、その“闘い”を大胆不敵に楽しんでいるようにも見えた。そして、さすがアイドルというべきか、2024年から「MARIN STAGE」に新設された花道も存分に使いこなしていた。あまりにも華々しい。

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