PSYの“びしょ濡れライブ”からK-POPアニメ映画の旋風まで――韓国トレンドレポート 2025年7月号

『SHOW ME THE MONEY』、3年ぶりの復活へ

　韓国でヒップホップ音楽の大衆化を牽引した伝説的番組『SHOW ME THE MONEY』が、シーズン12として3年ぶりに復活する。2012年に初放送された同番組は、これまでに11シーズンが放送され、Swings、Nucksal、BewhY、Locoなど、現在もシーンの最前線で活躍する人気ラッパーを多数輩出。韓国史上最長寿の音楽オーディション番組として、その名を刻んできた。今回の復活は、Mnetの開局30周年を記念した特別企画の一環である。今年7月に公開されたティーザー映像では、「The World is Completed by 12」（世界は12で完成する）という意味深なメッセージが登場し、ファンの期待を一気に高めた。番組は2026年の放送を予定しており、プロデューサー陣のラインナップや参加者の顔ぶれにも期待が高まっている。　

　Mnet開局30周年、そして久々の新シーズンという背景もあり、グローバルな関心の高まりのなか、歴代最大規模での準備が進められているとの報道も相次いでいる。8月20日からは出場ラッパーの募集が始まり、9月26日まで公式サイトを通じて応募を受け付ける。韓国内の各地域にとどまらず「グローバル枠」も設けられており、日本からのエントリーも可能だ。

aespa×『キャッチ！ティニピン』、K-POPと韓国キッズアニメの異色コラボ

　ガールグループ・aespaと、韓国の子ども向けアニメ『キャッチ！ティニピン』（以下、『ティニピン』）の異色コラボレーションが注目を集めている。2020年デビューのaespaは、「Black Mamba」「Next Level」などで独自の世界観を確立し、2024年には日本1stシングル『Hot Mess』で本格上陸。オリコンランキング上位入りや日本ツアー全公演完売など、確かな人気を証明した。

　そんなaespaと手を組んだ『ティニピン』は、韓国で圧倒的な支持を集めるキッズアニメシリーズ。日本でもキャラクターグッズがヒットし、親世代をも巻き込む人気を博している。一見ミスマッチにも思える組み合わせだが、実は両者には接点があり、メンバーのWINTERが映画『愛のハチュピン』の主題歌を担当して話題となったこともある。

　今回のコラボでは、aespaの4人をモチーフにした『ティニピン』キャラクターが登場するMVが公開され、フィギュア、キーリングなどの限定グッズもリリースされた。さらに『ティニピン』は、aespaの後輩にあたるSM ENTERTAINMENT所属の新ガールグループ・Hearts2Heartsとのコラボ映像も公開。K-POPとキャラクターの融合による新たなカルチャー戦略に、今後も注目が集まりそうだ。