2025.08.30 20:00

UtaHime、力強いエールソングで切り拓く新たな物語　鍛錬の成果を見せたメジャーデビュー発表後初ステージ

　平均年齢19歳の3人組ガールズボーカルユニットのUthm（ウタヒメ）が8月27日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催された広瀬香美プロデュースのライブイベント『Kohmi EXPO 2025』に出演。11月26日に“UtaHime”としてメジャーデビューすることを発表した。

　UtaHimeは2023年9月よりHuluで独占配信されたオーディション番組『歌姫ファイトクラブ!!』でプロデューサーの広瀬香美がその歌声に惚れ込み選考した、Momoka（21歳）、Sayaka（19歳）、Nonoka（18歳）の3名によるボーカルユニット。同年10月にはプレデビュー作として『Reach for the stars EP』を配信リリースし、12月には東京・Veats Shibuyaで初のワンマンライブを開催。その後は、「全員がメインボーカルを務めるボーカルユニット」というコンセプトを深めるべく、広瀬の指導で厳しいレッスンを受け、それぞれのソロ活動も行うことで切磋琢磨を重ねてきた。そして、2025年2月11日に神奈川・ビルボードライブ横浜で行われた『Uthm Billboard Live 2025』では、それぞれが歌手としての個性と魅力を存分に発揮。確かな努力の成果と鮮やかな成長の軌跡を見せた彼女たちは、「3人で高め合いながら成長を続けて、世界を目指したい」と胸を張って宣言した。

　ビルボードライブから半年後となるLINE CUBE SHIBUYAのステージ。広瀬率いるKohmi Bandがノンストップで演奏を続け、一瞬たりとも音楽が途切れることのない夏の祭典『Kohmi EXPO』。UtaHimeの出番は、ともに今年でデビュー40周年を迎えた大先輩のアーティストである森口博子とTUBEの間だった。

　グランドピアノの前に立った広瀬から「次のゲストはUtaHime！」と紹介され、ステージ中央に設置された広瀬の口をモチーフにした門から手を振りながら登場した3人。広瀬に「私がプロデュースしている3人組の素晴らしいボーカルユニットです。頑張ってるんだよね？」と声をかけられると、「はい！」と元気よく返事。ソロのシンガーソングライターとして、duo MUSIC EXCHANGEでのワンマンライブをはじめ、すでに数多くのライブを行っているMomokaは、「この日のために猛特訓してきました！　皆様に最高のパフォーマンスをお届けできるよう精一杯頑張ります」と挨拶。ピアノの弾き語り動画が話題となっているSayakaは「新曲を初披露するので少し緊張してますが、皆さんの笑顔を見て頑張れそうな気がします」と正直な気持ちを吐露する。最年少のNonokaが「今日、初披露する曲は私たちにとって、とってもとっても大切なデビュー曲になってます。私たちの思いが届くように精一杯歌います。よろしくお願いします」と深々とお辞儀をすると、客席からは温かく大きな拍手が送られた。

　続いて、デビュー曲の作詞、作曲、プロデュースを務めた広瀬が「UtaHimeは一生懸命に修練を重ねてきました。私もUtaHimeにぴったりの楽曲を書こうと思って、スタッフ一丸となって作り上げてまいりました」と語り、広瀬の口からメジャーデビューが決まったことに加え、UthmからUtaHimeへの表記の変更が明かされた。さらに「冬の時期にリリースするということは、私のプロモーション時期と重ねたって所存なのかしら？　じゃあ、この冬は私たち4人で全国津々浦々を周りましょうね」と笑わせ、3人の緊張を解いた。

　広瀬の「一生懸命に練習したものを一緒に演奏して、皆さんに楽しんでいただきましょう」という言葉の後で、UtaHimeの3人は「FIGHT SONG」と叫び、メジャーデビュー曲のタイトルを発表。3人で三角形を作るポジションから始まり、力強く握った拳を掲げ、〈明けない夜などはない／1人じゃない2人　2人じゃない We Are!!〉とパワフルにエネルギッシュに歌い上げる。

　“立ちはだかる壁をぶち壊して道を切り開いていこう”というポジティブなメッセージが込められた、聴き手の背中を押すストレートな応援歌である一方、タイトルや〈歌秘めた想い〉という歌詞からもわかる通り、『歌姫ファイトクラブ!!』出身で「世界で活躍するアーティストになる」という夢を追う彼女たち自身を鼓舞するエールソングであり、これからのライブアンセムにもなっていくだろう。体を揺らしたりクラップしながらだと一緒に歌うのが難しいようなゴスペルの要素も含んでいる曲だが、それぞれの歌の個性の違いをダイレクトに聴かせながら、フォーメーション移動を含む初のダンスパフォーマンスにも挑戦。最後には、聴き手一人ひとりの胸を射抜くようなポーズも見せた。

　イルミネーションが輝くクリスマスの景色もよく似合う楽曲でもあるが、「プロデュース業に専念したいんです」と冗談めかして言う広瀬から、“冬の女王”の称号を引き継ぐことになるのか。さらに、この3人でバラードを歌うとどうなるのか、ハーモニーで聴かせる曲もあるのか……1曲聴いただけで、様々な想像と期待が膨らんでいる。終演後には会場を出る観客に自らチラシを配っていたUtaHime。多くの人から「応援します」と声をかけられ、この日に向けて必死に頑張ってきたパフォーマンスに心が動かせられたことが窺えた。