Morfonica 進藤あまね×西尾夕香、結成5年で遂げたバンドの成長と決意 「ここから一気にブチ上げていきたい!」

『バンドリ!』シリーズ4番目のリアルバンドとして2020年にデビューし、今年で始動5周年を迎えたMorfonica。コロナ禍での活動制限を乗り越え、精力的なライブ活動と楽曲リリースで着実に成長を見せてきた彼女たちだが、5年の節目を祝うべく12月30日に単独ライブを開催する。
リアルサウンドでは、進藤あまねと西尾夕香にインタビュー。最新シングル『Feathered Dreams』の制作エピソードをはじめ、この5年間の振り返り、そしてこれからのMorfonicaについて話を聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】
5年で遂げたバンドの成長ーー「今ではすんなり歌えるようになっている」(進藤)

ーーMorfonicaは今年で結成、始動から5周年を迎えます。率直な感想はいかがですか?
進藤あまね(以下、進藤):気づいたら5周年を迎えた感じで……あっという間でしたね。Morfonicaは『バンドリ!』で4番目のリアルバンドとして生まれたのですが、この5年間でさらに3つもリアルバンドが増えたんですよ。自分たちが先輩になったことにビックリ! 振り返ってみると、デビュー当初はなかなか思うように活動できなかったところもあったんですよ。コロナ禍に活動がスタートしたので、最初の頃はもどかしい思いをしたこともあって。だからこそ無事に5周年を迎えられたことへの喜びも大きいですね。
西尾夕香(以下、西尾):体感としては「まだ3年目くらいかな」って気持ちでいたんですけど、後からデビューしたMyGO!!!!!がもう3周年を迎えたということを知り、「あ、我々はもっとやっていたのか」とあらためて気づいた感じで。いつまでも後輩ヅラはしていられないですよね。かと言って、先輩風を吹かせたことはないですけど(笑)、気持ち的にはより引き締まる感覚はあります。久しぶりのライブなので、その分、溜めたエネルギーをここからしっかり放っていきたいなと。
ーー当初はなかなか思うような活動ができなかったMorfonicaが、順調に動き始めたことを実感したのって、どれくらいのタイミングでしたか?
西尾:初めてのツアー(Morfonica ZEPP TOUR 2021『Amabile』)をやったときじゃないですかね。Morfonicaもツアーができるようになったのかと感慨深かったし、世間的にもちゃんと認められ始めたんだなとも思えました。
進藤:うんうん、確かにそうだったかも。あとは2年目のタイミングで私たちのアニメ(『BanG Dream! Morfonication』)が2話放送されて。それをきっかけに外部のイベントなどにもいろいろ出演させていただく機会も増えたんです。そのタイミングくらいから認知度がグッと高まった感覚もありましたね。

ーーそういった活動を重ねていく中で、Morfonicaならではの個性、他にない武器みたいなものもより明確になっていった感じですか?
西尾:そうですね。2023年にリリースした『forte』というコンセプトAlbumには、メンバー5人それぞれが持っている苦悩や葛藤みたいな部分にフォーカスした楽曲を収録したんですよ。それまでのMorfonicaの楽曲にあった爽やかで明るい雰囲気とは違った曲調に挑戦したので、それをきっかけに「Morfonicaってこういう曲もやるんだ」みたいな感じで、Morfonicaの新たな魅力みたいな部分に気づいてくれる方が増えたところはあったと思います。ファンの方の数も速度を上げて増えていった実感もありましたね。
進藤:確かに確かに。TV放送されたアニメではキャラクター1人ひとりの深掘りまではあまりされていなかったので、それぞれが心に何を抱えているかがわからない状態だったんですよ。それが『forte』で明確になったことで、より深く好きになってくださった方が増えたんだと思いました。バイオリンがバンドメンバーにいるというデビュー当初からの強い個性とともに、Morfonicaらしさ、私たちにしかない武器っていうのは、楽曲を通してどんどん固まっていった気がします。それによってバリエーションの広いサウンドにもどんどん挑戦できるようになっているし。
西尾:そうだね。『forte』の曲たちも、それまでにあまりやったことのない雰囲気だったから、楽器陣はみんなヒーヒー言いながら乗り越えたのを覚えてますね。それがあったから、バンドとして表現の幅がより広がったところもあったと思います。
ーーこの5年では各メンバーの成長、進化もあったと。
西尾:それはやっぱりあったんじゃないかな。特に私のキャラクター(広町七深)は天才なので、難しい曲を難しく見せず、簡単そうに演奏しなきゃいけないので(笑)。私と直田(姫奈)さんはMorfonicaをきっかけに楽器を始めたので、最初の頃は大変でした。渡された譜面を見ながら一生懸命、練習して、それに対して意見をもらって、また練習するというのを繰り返す感じで。ただ、5年を経た今はメンバー同士で「ここってどうしてる?」みたいな感じで、お互いの演奏のすり合わせができるようになったんですよ。最終的な判断はプロの方に委ねるところもありますけど、メンバー間でのやり取りがすごく増えたんですよね。音楽的な部分の話をより深く話せるようになったというか。
ーーそれはこの5年間でMorfonicaと、その音楽に向き合い続けてきた賜物ですね。
西尾:そうですね。新しい曲をいただく度に、どんどん難しくなってますから。それを毎回乗り越えてきた結果かなって。過去の曲を演奏すると、「あれ、こんなに弾けるようになってる?」って思うことが多いので、そこは知らないうちに成長してるということなんでしょうね。きっと楽曲を提供してくださる作家の方々が、こっそりハードルを仕込んでくれてるんだと思います(笑)。
進藤:曲を作ってくださっているElements Gardenさんに、「ライブで成長が見えたから、次の曲は難しくしたよ」って言ってくださったって。私たちをより大きくしてくれる壁を毎回、用意してくれているんだと思います。5年前に「難しい!」と思いながら歌っていた曲であっても、今ではすんなり歌えるようになっているんです。「こんなに高いキーまで出てたっけ?」って自分で思ってしまうくらい。声の表現もバリエーションを出せるようになったので、周りの方に「今回、歌い方変えた?」みたいな感じで反応していただけることも増えて自分自身で実感するのはもちろん、周りの方の反応で成長を知ることもすごく多いですね。


ーーでは、ライブに関しての成長はどうですか?
西尾:Morfonicaの場合、ライブごとにコンセプトが変化するので、見せ方のバリエーションを出せるようになったのはあると思います。
進藤:そうだね。私たちの演奏やパフォーマンスをより高めた形で毎回、ライブはできているような気がします。ひとつ前のライブをあらためて見てみると、バンドとしてのレベルが上がったことを強く実感するので、それによって「じゃあ、今度はこういう歌い方をしてみようかな」っていう新たな欲が出てくるんですよね。できる限り毎回、レベルアップした姿を見せて、Morfonicaとしての新しいライブをお届けできたらいいですよね。最近は初めてモニカ(Morfonica)のライブを観てくださる方も多いので、「え、こんなすごいライブをしてるんだ!」って驚いてもらえるように頑張っています。
西尾:5年間続けてきたことで、私の場合はベースを弾くことにも慣れてきて、ライブ中に手元を見なくてもいい瞬間が増えたんですよ。そうすると客席で喜んでくれているファンの方の顔もよく見ることができて、私もより楽しくなるんですよね。それがいい形でパフォーマンスにも反映できていると思います。とは言え、楽しいが勝ると演奏が走ってしまったりすることもあるので(笑)、そこはある程度、抑制しつつ楽しむようにしていますね。
進藤:デビュー当初は、ライブの動きひとつひとつもスタッフさんの指示通りにやっていたところもあって。でも今は、自分なりに「この曲ではどう動こうかな」って考えられるようにもなって。そこも大きな成長だと思いますね。


















