少年忍者が持つ“歴史”という大きな武器 青春時代を共に過ごした16人新体制で挑む次のステージ

フレッシュジュニア7人による「青空の下、キミのとなり」(嵐)で爽やかな風を吹き込むと、青木、安嶋秀生、山井飛翔がピンクのストリート系衣装に身を包み「100% I Love You」(WEST.)を披露。小柄な3人が「ちびーず」として曲のキャラクターを引きずったまま「もっとちびーず」のフレッシュジュニアへ曲振りをする。フレッシュジュニアの中でも若いメンバーによる「すたーと」は冒頭に映し出されたかつての少年忍者の姿と重なる部分もあり、事務所に続いていく伝統を感じる一幕となった。
織山が「事務所の伝統を感じさせる」と紹介して始まったブロックは黒田・檜山光成、田村海琉、瀧陽次朗が「SHE SAID…」(KAT-TUN)を風を浴びながらクールに仕上げる。グループ結成当初はまだ幼かった久保廉はフレッシュジュニアを引き連れて「オリジナルスマイル」(SMAP)を披露。かつての久保から変わらない、見ていて元気をもらえるあたたかいパフォーマンスとなっていた。
久保のアカペラから始まる最後の「和コーナー」は紗幕にメンバーのダンスが映し出される。一人ひとりの強気な表情がはっきりと映し出され、これから始まるステージはすごいものが見られるという確信を持った人も少なくないはずだ。客席いっぱいの期待を背負って始まったのは、「PSYCHO」(Kis-My-Ft2)。過去の公演でも公演の花形とも言えるパートで、グループを代表する演目となったこの曲を、新しい体制で披露したのは今回が初めて。美しい陣形から激しく繰り出されるアクロバット、その一つひとつはメンバーがお互いを信用しないとできないようなものだ。この信頼こそが少年忍者のパフォーマンスのエネルギーの根幹である。

冒頭の川﨑が話しかけるパートに戻り、歌うのは舞台『DREAM BOYS』より「DREAMER」。帝国劇場で上演されていた演目にふさわしいドラマチックな楽曲を見事に表現する。そうして、本編最後に歌うのは「The Shining Star」。白い衣装でステージいっぱいに広がり、全くズレない完璧なダンスは神聖さすら感じる。
16人という、男性アイドルグループとしてはかなりの大所帯となる少年忍者。2023年ごろからは大所帯を活かしたパフォーマンスを徐々に確立していて、それが唯一無二の個性となっていた。新体制に移行してもその武器は引き続き磨きをかけているが、むしろ、少年忍者の一番の武器は彼らが持つこれまでの歴史であるように感じた。まだ幼かった頃に大所帯で結成され、1クラス程度の人数で青春時代を過ごし、そのなかで切磋琢磨し合ってきたという歴史は、すでに完成されたグループが会得することができない財産だ。目まぐるしく変わるフォーメーション、完全に相手に背中を預けて繰り広げられるアクロバット、寸分たりともズレないカウント……その全ては彼らがこれまで築き上げてきた歴史があるからこそできるもの。新体制移行はメンバーはもちろんファンにとっても様々な想いがあるはずだが、彼らの揺るぎない信頼と自信はいつまでも変わらない。そう感じさせる公演だった。

























