PKCZ®、MA55IVE THE RAMPAGEの声と混ざり合う面白さ クラブを愛する2組ならではの“斬新なコラボの形”

2組が混ざり合うからこそ、面白いものを作りたかった

ALAN SHIRAHAMA

――なるほど。それぞれの魅力を持ったMA55IVEと、今回「Times feat. MA55IVE THE RAMPAGE」(以下、「Times」)でコラボレーションしたわけですが、楽曲の制作はいつ頃から始まったんですか?

MAKIDAI:HIROさんからアイデアをいただき、制作に着手したのは4月頭ぐらい。結構ギリギリでしたね。

ALAN:MA55IVEと急遽夜にオンラインミーティングしましたね。

――ミーティングではどういう話からスタートしたんですか?

MAKIDAI:まずは大きなテーマとして、お互い歩んできた2組のアーティストが混ざり合うことで、なにか熱量高くて面白いことがしたいなと。それでどういう音にするか考えたときに、PKCZ®としてはライブ映えする曲、クラブでDJとしても流せる曲がいいなと思ったんです。今回はALANが主導でトラックを作ると早い段階で決まっていたので、そのテーマに基づいた伝えたい内容を抽出して、「Times」と「Changer feat. PKCZ®」(以下、「Changer」)の楽曲に盛り込んだり、コラボ自体を新しい形でできたら面白いねっていう感じでしたね。

――ALANさんは、それを受けてトラックに着手したわけですね。

ALAN:そうですね。そのイメージも事前に聞いていたので、アイデアも固まっていて割と早く完成しました。

――「Times」はレイヴ感のある曲ですが、「Changer」との対比を考えてたんですか?

ALAN:「Changer」が歌モノになるっていうのはわかってたんですけど、「Times」でMA55IVEのイメージでもあるヒップホップサウンドにPKCZ®が寄せるのもなんか違うかなと。だからPKCZ®のスタイルにMA55IVEをどう絡めていくかを考えました。あと僕はカミケンと仲良くて話す機会も多いんですけど、「(MA55IVE)はヒップホップのテンポの曲が多いから、がっつりフロアを盛り上げられる曲がない」って言ってて。だから、MA55IVEにとっても使い勝手のいい曲になればいいなと。

MAKIDAI:「Changer」は、リファレンスではドラムンベースにラップが入ってるような感じの曲だったんですけど、最終的にやましょーが「チルドラムンっぽい感じで」みたいな話をして、着地に近づいていきましたね。

ALAN:「Changer」はすごく耳なじみがいい曲になったような気がしますね。

――「Times」に関しては、MA55IVEメンバーからのリクエストはありましたか?

DARUMA:結構こっちに乗っかってくれた感じだよね。打ち合わせでは「アゲの曲の方がいいです」みたいな。

――それ以外はお任せということですね。

MAKIDAI:はい。

――では「Times」の歌詞はどんな風に作っていきましたか?

ALAN:リリースは「Times」が先だったんですけど、出来上がったのは「Changer」が先だったので、「Changer」のフレーズのボーカルをその場で再度RECしサンプリング的素材にして、「このフレーズをここに持ってこよう」みたいな感じで作っていきました。だから「Changer」の歌詞がめちゃくちゃ出てくるんですよね。

――最後の〈This my swag〉はメロディーも含めてそのままですよね。

ALAN:そうなんですよ。先に「Changer」を全部レコーディングしてから、「Times」について制作陣で話してた中で、「『Times』用にもう一度このフレーズを歌ってもらおう」ということになりました。誰の声がいいかっていうのもその場で決めましたね。

――先ほど昂秀さんが最後までレコーディングしてたという話がありましたが、最初に録ったのは誰だったんですか?

MAKIDAI:最初も昂秀かな。最初に来て最後まで居たんだよね。

ALAN:トータルで6時間くらい居ましたよね。みんなが録ってるときは自由にプラプラして順番待ちして。歌える人が大勢いると大変ですよね。PKCZ®だとボーカルは僕一人だから、僕が終わればレコーディング終わるんで。そう考えると、僕は大人数のボーカルがいるグループのレコーディングの場に行ったのは今回が初めてでしたね。

MAKIDAI:確かにPKCZ®としても大勢のフィーチャリングっていうのは初めてかもしれないね。

――「Changer」の歌詞で印象的だったポイントはありますか?

ALAN:この曲のリリックは、自分たちで変える未来みたいなテーマがあるんですけど、みんなが言いたいことを10個挙げてはめ込むっていうのをPKCZ®からのアイデアとして挙げてたので、自分たちの思いが詰まってる分、言葉がちゃんと入ってくるなと思います。

――それぞれ書いたリリックを本人が歌ってるんですか?

ALAN:ナベさん(BBY NABE)に全員が言いたいことをギュッと形にしてもらった感じです。

MAKIDAI:ナベさんのマジックで、数字をリリックにかけてるポイントもありますね。

ALAN:バースの中に数字が入ってるんですけど、それがすごくキーワードになっているんですよね。

MAKIDAI:「Changer」は仮タイトルが「X10」だったんです。で、「Times」はカウントダウンの曲でもあるから、そこをナベさんが掛け合わせてまとめてくれたっていう感じですね。

――「Changer」の歌詞では1、2、3、4と数字が上がっていって、「Times」では10、9、8、7と下がってきますよね。

ALAN:おぉ、本当だ!

――狙ったわけではなかったんですね(笑)。

ALAN:いや、狙いです。

MAKIDAI:絶対今気づいたでしょ(笑)。当初「2曲がどこかでリンクしたら面白いね」みたいな話もあったんですけど、作ってるときはみんな忘れてましたね。

ALAN:カウントダウンってライブでベタに盛り上がるポイントじゃないですか。PKCZ®ってライブが強いんで、カウントダウンを入れようってアイデアいただいたんですよね。

MAKIDAI:前曲の「Put Your Hearts Up, Everybody Jump Up」の中でも、曲中でゲットロウをしてもらったり、フェスでの定番ノリを曲に入れるのがPKCZ®らしさかなって。

――歌割りはどのように決めて行ったのでしょうか。

ALAN:いつもMA55IVEの歌割を作ってる方が今回も考えてくださったので、それぞれラップの得意不得意を加味して上手く振り分けしてくれました。ちゃんとメロディーがあるところはカミケンみたいな。だから僕は今回すごく歌割が少なかったです(笑)。でも今回はフィーチャリングコラボですし、全員が主役になれる良いバランスだなと思っています。

PKCZ®が重視する“ノれるかどうか”のポイント

――〈This my swag〉というフレーズが繰り返し出てきますが、DARUMAさんが考えるPKCZ®のスワッグなポイントとは?

DARUMA:スワッグの定義が難しいですが、“俺らのグルーヴで踊れ!”的な感じなんですかね?

――今までのPKCZ®は毎年夏になるとお祭りしてるイメージでしたが、今回の「Times」はちょっと違う、突き上げていくノらせ方ですよね。

DARUMA:世のトレンドはやっぱり動きますからね。世界中で流行っているテクノと我々なりのポップスを混ぜたらどうなるのかっていうのが今回かなと思ってます。

――やはりトレンドを取り入れるという部分も、PKCZ®としては大切にしているんですか?

DARUMA:トレンドを入れようとしてるわけじゃなくて、単純に自分たちがノれるかどうかですね。個人的にはずっと同じことをやってても面白くないし、僕たちはサウンドの質感がどんどん変わっていくタイプの集団だと思ってるので、自然とそうなっていくというか。トレンドだから今はこれがいいというよりも、自分たちがノるって考えたときに、絶対そうなるよなっていう感じです。

EXILE MAKIDAI

――今回MA55IVEとのコラボだからこそ引き出せた、PKCZ®の新たな一面や挑戦できた部分はありますか?

MAKIDAI:PKCZ®としての一番の目的は、ライブで機能を発揮して盛り上がる曲、もっと言うとDJでも流せる曲を作ることですね。たとえば「T.O.K.Y.O.」とか昔の曲を遡っていくと、とにかくドッカン上げていく感じなんですけど、だんだんフェスでやってるようなことを曲に入れつつ“ハートを掲げる”ってテーマがライブから生まれてきて。そこから、今度はリリックを少なくしてトラックをメインにしてみよう、自分たちを知らないDJの人も「これかけたい!」ってなるようなイメージにシフトするのもありかもねっていう流れができたんですよね。だから「Times」もリリックが少なくてトラックをメインにしたんです。MA55IVEチームもイメージとしてドッカンいける曲を望んでいたと思うし、自分たちの自然な流れでもありましたね。

DARUMA:ちなみに「Times」はSpotifyにあるクラブミュージックだらけのプレイリストにピックアップされてたんです。他は海外アーティストばかりの中に入ってて。セレクターの方には感謝ですね。

――新たな層に聴いてもらえている感覚もありますか?

MAKIDAI:このトラックの感じをLDHで歌ってる人はいないかもしれないですね。

DARUMA:ここまでクラブに寄ってるのはなかなか無いでしょうね。

ALAN:たぶんLDHのコンペ出したら落ちますね(笑)。

MAKIDAI:違うとこ攻めてるもんね(笑)。

PKCZ®の根本にある「感謝」

――まさに唯一無二ですね。8月には『PKCZ® DJ LIVE SHOW 2025 ~Times Changer~』の大阪公演が控えていますが、どんなライブにしたいですか?

DARUMA:かなり汗だくになりそうなセットなので、踊っていただけたら嬉しいです。

ALAN:去年、一昨年と同じシチュエーションで、同じくらいのキャパシティの会場でやらせてもらっているので、今年は何かちょっと違うことがやりたいなって試行錯誤しています。

――今までの「大感謝祭」というネーミングとは違う時点で、これは新章突入なのかなと思っています。

DARUMA:それも実は紆余曲折あって……僕たちも新章突入のつもりでやったんですけど、発表した次のミーティングで「やっぱ感謝祭にした方がよくないか?」と思って戻そうとしたんですけど、会社の制作チームからそりゃダメですって言われたんです(笑)。

MAKIDAI:前代未聞の試みだったよね。でも結果的には良かったかもしれないね。

DARUMA:根底は感謝祭なんですけどね。

ALAN:昨日ライブのリハーサルを初めて通しでやってみたんですけど、誰もが聴いたことあるようなEDMの名曲をかけたら一周してめちゃくちゃ面白いんじゃないかっていうアイデアも出ましたね。そういう遊び心を音で奏でられるのがPKCZ®だと思うので、自分たちが好きなものやアイデアをうまくミックスしてPKCZ®の色をつけて表現するライブになると思います。クラブとかでもやれるくらい面白いDJショーというか。正直、僕らの姿が見えなくて、音だけでも面白いと思いますよ。

――以前も電気を消して音だけで楽しむというライブをやっていましたよね。根本的には音を楽しんで欲しいという思いが強いんでしょうか。

MAKIDAI:タイトルに“DJライブショー”とある通り、色んなものをミックスして、今のPKCZ®流にアウトプットして、それを楽しんでもらうっていうのが大きなテーマなんです。過去の感謝祭でやってきた曲も同じアプローチではなく、マッシュアップやリミックスしたいし、オリジナルだとしてもそれが美味しくなるように構成したり、導入を工夫してライブバージョンにしたりとかね。今回のライブも感謝祭の延長なので、根底には感謝があるんですよ。だからとにかく楽しんでもらいたいし、そのためにもまずは我々が楽しまないとね。あと初めて来る方にも、「PKCZ®のライブって楽しい!」と思ってもらいたいです。海外から来た僕らのことを知らない人がふらっと遊びに来ても、無条件に音に浸って楽しんでもらえるようなライブになってるんじゃないかなと思います。

――DJも楽しみですが、トークの繋ぎも楽しみです。

MAKIDAI:今回はトークそんなにないっすよ(笑)。

ALAN:残念! そういう余白は作ってないんじゃないかな。

――それも新章PKCZ®ならではですね。ライブの先に見据えている今後の展開はありますか?

ALAN:武道館ですね。

DARUMA:紅白です。

MAKIDAI:グラミーですね。

ALAN:だいぶ上まで行きましたね(笑)。

MAKIDAI:まぁ近いところだと年内フェスに出演させていただく予定があるので、初めて聴く人でも楽しめるように今回の曲をマッシュアップしたり、ミックスしたりして、PKCZ®らしさを出していきたいですね。

DARUMA:俺はリアルで言うと、ジョイントツアーやってみたいっすね、HONEST BOYZ®とかと。

MAKIDAI:あぁ、それはやってみたいね。MA55IVEなのか、HONEST BOYZ®なのか。PKCZ®はフィーチャリングアーティストが多いのもポイントだしね。

DARUMA:対バン的な感じでそれぞれのライブが半分ずつ見れて、後半で混ざり合うみたいなやつはやったことないんで、ワイワイしてて面白そうだなと思います。ALAN加入前の初期に、ジョイントツアーっていう話も一瞬出てたけど実行されなかったので、いつかやってみたいですね。

■リリース情報
2025年6月11日リリース
PKCZ® Digital Single『Times feat. MA55IVE THE RAMPAGE』
Streaming & Download:https://ldh.lnk.to/Timesfeat

2025年6月27日リリース
MA55IVE THE RAMPAGE Digital Single『Changer feat. PKCZ®』
Streaming & Download:https://ma55ive.lnk.to/0627changer

■ライブ情報
PKCZ® DJ LIVE SHOW 2025 ~Times Changer~
8月15日17:30開場/18:30開演
会場:GORILLA HALL OSAKA(大阪)
<チケット料金/規定>
全自由9,350円 (チケット代 8,500円 +税)
整理番号付き・入場時ドリンク代別途 600円
※6歳以上有料、5歳以下入場不可
※各公演4枚までエントリー可能
詳細はこちら:https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/34911 

■関連URL
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