THE ALFEE、51年目もさらなる熱狂で突き進む 高見沢俊彦「命尽きるまで夢追いかけようぜ!」
客席に点滅を促すかのように、春ツアーグッズのマラカスライト「ロマンスが舞い降りた棒」と同じピンクとオレンジにステージの照明がつく。おなじみのテーマ曲と共に、まっちょ(桜井)、たっちゃん(高見沢)、さきっちょ(坂崎)による「またさきトリオ」が登場。ロッテのチョコや綾鷹といったTHE ALFEEゆかりのワードの入った歌詞入りで盛り上がった後は、題して「またやんの? またさきトリオの春祭り」コーナーに突入。衣装は50周年を経て、シルバーが煌めくジャケットにバージョンアップ。高見沢と坂崎がステージ中央の小さなシンバルを楽しそうにたたいたり、シャドーボクシングをやってみせたりと楽しさ満載のアリスの「チャンピオン」、続いて「気持ちはまだまだヤングマン」ということで西城秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」。そして特別な魔法をかけられたまっちょがハットとマフラーを装着、坂崎がベースを持ち、高見沢がギターを持って、桜井の美声が堪能できる「お前が歌うんかい!!桜井賢ショー」へ。おなじみの沢田研二の「勝手にしやがれ」から、THE ALFEEの別名義グループBE∀T BOYSの「ふたりだけの夜」を披露した。
またさきトリオがステージを去り、THE ALFEEの3人が戻るとサポートメンバーの吉田太郎(Dr)、ただすけ(Key)が紹介され、「WE ARE THE ALFEE、東京行くぞ!」のかけ声で始まったのが「SWEAT & TEARS」。気持ちが上がる華やかなイントロが流れ、銀テープが放たれ、客電がついたまま演奏が続行される。ゴジラギターを抱え、左右に飛び跳ねながらパワフルに歌いまくる高見沢が「命尽きるまで夢追いかけようぜ!」と絶叫。炎が上がる中、3人で頭を振り、拳を高く上げ、“みんな大好き”なこの曲でアンコールが終了。他のメンバーが客席に頭を下げる中、いち早く顔を上げた桜井が客席をあおって、万歳三勝が起こっていた。
程なくしてステージに明かりがつき、2度目のアンコールに。「NHKスペシャル」ということで高見沢と坂崎のアコギがフィーチャーされた、珍しいバージョンの「悲しみが消える時-You are the rock-」。演奏が終わり鳴り止まない拍手の中、高見沢がMC。「51年休みなく、活動休止もなく、ずっと同じメンバーでステージに立てたことが唯一の誇りです」と礼を述べると、客席からはこの日一番とも言える大きな拍手が起こる。3階席を眺めて「遠いほど心は、近くにあるから」とステージから遠い席を思いやる言葉も忘れない。
そして7月30日にリリースされる74枚目となる51周年記念シングル『HEART OF RAINBOW』、8月2日、3日に横浜アリーナにて開催される夏のイベント『THE ALFEE Summer Celebration 2025 Circle of The Rainbow』がアナウンスされる。「僕らは順風満帆ではなかったけど、嫌なことはすぐに忘れるし反省会もしない。嫌なことは1/3、いいことは3倍にするのが僕らの掟」そう言ってラストに披露されたのが、「やりたいことをやってきた、今の自分たちを表している」という「Going My Way」。「これでもか」と詰め込んだストレートなメッセージを熱いシャウトで伝えるナンバーで幕を閉じた。
「Going My Way」の歌詞の中には〈自分を信じることから始めよう〉とある。自分を信じられればいつでも前向きな気持ちでいられるし、できることも自然に広がる。50年で数々の偉業を打ち立てたTHE ALFEEの次なる目標は、ライブ通算3000本。この日のMCで高見沢は「みんなでお祝いしよう」と客席に呼びかけていた。向かうべき新たな目標があれば、我が道を行く意味も見えてくる。そして目標を達成したときの喜びは、また新たな道を行く活力を生み出してくれる。こうしてTHE ALFEEはこれからも、自分を信じて自分らしく、我が道を進み続ける。