KATSEYEが世界規模で評価される理由とは 新EP『BEAUTIFUL CHAOS』は“時代を象徴する一枚”に
まずはアメリカ・Billboardのメインソングチャート「Hot 100」に初のチャートインを成し遂げた先行シングル「Gnarly」だ。本作は、昨今国内でもZ世代を中心に注目を集めている日本的なギャルマインドが根底に感じられる、これまでとは少し角度の違ったガールクラッシュを表現しているように思う。地鳴りのするような808サウンドとザラザラしたレイヴシンセが印象的な同楽曲。歌詞ではポジティブ/ネガティブ、両面のニュアンスを含む「マジでヤバい」を意味するスラング〈Gnarly〉が多用されているのだが、昨今のトレンドを挙げながら「ヤバい」と一蹴しつつ、“今この瞬間”を生きる女子の強さと自信、そこから湧き上がる魅力を表現している。多様なルーツと個性を持つ6人が〈私は最高なの〉と歌うからこそ、「自分らしく魅力を放てばいい」というメッセージが伝わり、そこに説得力が生まれている。
ラテン系の連続ドラマ「テレノベラ」をオマージュしたMVも印象的な「Gabriela」は、楽曲のプロデュースをレディー・ガガやJUNG KOOKを手がけたアンドリュー・ワットや、サブリナ・カーペンターとの仕事で知られるジョン・ライアンが担当。昨今音楽シーンを席巻しているラテンの要素を取り込んだサウンドのなかで、アンニュイな表情をまとうメンバーのボーカルが印象的だ。DANIELAのスペイン語による歌唱も注目ポイント。音楽的なトレンドにも目配せしつつ、多様な文化へのリスペクトを忘れない。まさに、KATSEYEだからこそ表現できる楽曲だと言えるだろう。
そのほか、軽やかで遊び心のあるサウンドが印象的な「Gameboy」、煌びやかなビートに乗るメンバーの爽やかな歌声が耳に心地いい「Mean Girls」、ダークなトラックとアンセム感のあるコーラスでステージ映え必至な「M.I.A」など、KATSEYEの新しい一面を堪能できる作品に仕上がっている。
デビューからわずか1年ほどで、世界の音楽シーンに大きな存在感を示しているKATSEYE。その快進撃は、6人のパフォーマンス力の高さと、多様な個性を磨き、輝かせてきたことによって実現できたのだと思う。1stシングルでも自信に満ちた姿を見せ、自分らしくありのままでいることの価値を伝えてくれた彼女たち。今作ではそのメッセージの切れ味がさらに鋭くなり、表情やダンス、歌唱などパフォーマンスの実力がより一層増している。多様性が叫ばれながらも、国や文化、考え方の違いによって各所で分断が起きつつある現代。こうした時代だからこそ、多様なバックグラウンドを持った6人が同じグループのメンバーとして輝き、強いメッセージを発することには大きな意味があり、彼女たちだからこその表現を音楽としてパッケージした『BEAUTIFUL CHAOS』は、まさに“時代を象徴する一枚”と言えるだろう。KATSEYEの今後のグローバルな活躍に大いに期待したい。
■リリース情報
NEW EP『BEAUTIFUL CHAOS』
発売中
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