m-flo loves ZICO,eill「EKO EKO」

　前作「Judgement?」（m-flo loves 鈴木真海子）に続く2025年第2弾リリースとなる「EKO EKO」は、韓国のHIPHOPシーンを牽引し続けるZICO、2020年の「tell me tell me」（m-flo loves Sik-K & eill & 向井太一）にも参加したeillを“loves”アーティストとして迎えた楽曲。ドラムンベース系の軽やかなビート、ドープな響きをたたえたベース、きらびやかなサウンドが響き合うトラック、そして、カラフルにして切ないボーカルとラップ。00年代初めの雰囲気と現代的なポップミュージックを有機的につなげたこの曲には、世代と時代を超えたシナジーが確かに宿っている。25周年のアニバーサリーを迎えたm-floのクリエイティブは今、まちがいなく新たなピークを迎えているようだ。（森）

Superfly「メロディー」

　楽曲に込められた想い、物語をしっかりと身体に沁み込ませ、彼女自身の人生経験と結びつけながら制作されたという初のカバーアルバム『Amazing』。本作の最後に収められた「メロディー」（玉置浩二）には、現在のSuperflyのボーカルの豊かさ、強さ、美しさが色濃く反映されている。歌とピアノでゆっくりと始まり、一つひとつのフレーズを丁寧に紡ぎ出していく越智志帆。何度も耳にしてきた旋律と歌詞に新たな息吹が注がれ、聴き手一人ひとりの心情と重なりながら、唯一無二の歌へと結びついていく。笑顔が感じられるような歌唱も印象的。〈いつのまに／大切な ものなくした〉を朗らかに歌い上げる表現には、すべてのリスナーの過去を肯定する力が備わっていると思う。（森）

Kis-My-Ft2「CHEAT」

　最新アルバム『MAGFACT』収録曲で、メンバーの千賀健永も出演するドラマ『レプリカ 元妻の復讐』（テレビ東京系）オープニングテーマ。禁断の復讐劇となるドラマの内容にふさわしいダークな楽曲は大沢伸一の手によるもの。連呼されるタイトルもそうだが、楽曲の半分は〈ララルー　ララルーララ〉〈ババブン ババブンババ〉など、あまり意味のなさそうなリズミックな言葉遊びで構成されており、それを盛り上げるはずのビートが少しずつ歪んでいくさまが実にスリリング。一転してメロディパートは非常に美しいが、リズムに呑まれて無慈悲に切り刻まれていく展開もなんだか残酷だ。ダンスミュージックとして非常に精緻かつクール。インストバージョンも聴いてみたくなる。（石井）