IGアリーナ、一体どんな会場に? 滝沢秀明が演出した“日本美”、岩田剛典&遠藤さくらも登場した開業式典
7月13日に国内最大級規模のアリーナ会場・IGアリーナ(愛知国際アリーナ)が愛知県名古屋市に誕生する。
1964年に開館し、半世紀以上にわたりさまざまなスポーツ競技や音楽イベントが行われてきた愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)を引き継ぐ、最先端のアリーナ会場となる。
7月のグランドオープンに先駆けて、5月31日にはオープニングイベント『IGアリーナ オープニングDAYs Experience The Arena』が同会場にて開催された。本稿では当イベントをレポートするとともに、IGアリーナという会場についても迫りたい。
イベントは、TOBEの滝沢秀明が演出を担当したオープニングアクトからスタート。会場に入ると、アリーナには一切の椅子がない。このオープニングアクトがアリーナ全面を使用した壮大なものになることを始まる前から予感させた。
まず登場したのは、NHK名古屋青少年交響楽団。レーザーが乱れ飛び、壮大な演奏が響くなか、その指揮を務めたのが元レスリング選手の吉田沙保里であることがわかると、会場からは驚きの声が上がった。
天井から吊るされた球体の照明が煌めくと、メインアリーナ中央に設置された8面構成の大型ビジョンやアリーナ全体に施された全長220mのリボンビジョンも光輝いた。アリーナ床面に投影されたプロジェクションマッピングによる映像では、宇宙空間から日本、愛知県、そして名古屋へと迫っていく。その先でIGアリーナのロゴが現れる。このアリーナから世界へとエンターテインメント、スポーツを発信していくのだという気概を感じさせた。ダンサーによるフラッグダンスを経て登場したのは愛知県・名古屋市出身のプロフィギュアスケーターの村上佳菜子。この日はインラインシューズを履いてアリーナを縦横無尽、かつ美麗に滑り上げると、会場は大きな拍手に包まれる。
村上を中心に花が一面に咲き誇るようなプロジェクションマッピングの演出は、「少年と命の誕生」と題されたプログラムに。ビジョンにCGで描かれた赤ん坊が映し出されると、アリーナに登場したのはTOBEのTRAINEEによるユニット・wink firstの島田泰我だ。堂々とした姿で華麗に踊ると、「ここは、新しい時代を作る無限の可能性を秘めた、文化の発信地」「音楽、スポーツ、芸術。日本が誇るすべてのエンターテインメントを世界中の人々に!」と、IGアリーナのコンセプトであり、この会場が描くビジョンを高らかに宣言した。
一転して真紅の照明のなかに登場したのは和太鼓演奏チーム・まといの会。和太鼓というのは、これまで滝沢が大事にしてきた演目でもある。まといの会による豪快な和太鼓の演奏を経てアリーナ中央に登場したのは、力士・若隆景。若隆景の四股にあわせて叩かれる和太鼓、そして日の丸を彷彿とさせるプロジェクションマッピングの演出にこの国の伝統的文化と国技の融合を垣間見た。
さまざまなスポーツ競技をモチーフに造形されたネオンライトを手にしたダンサーが指し示す道の先にいるのは、プロバスケットチーム・名古屋ダイヤモンドドルフィンズの今西優斗と加藤嵩都。ダンサーたちが示した道をドリブルで進み、最後にはシュートを決める。その先にはIGアリーナ全体に施された意匠をモデルにした光るゲートが現れた。
7色に輝くゲートから登場したのは、オープンカーに乗った岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS)、遠藤さくら(乃木坂46)。その後ろには、高橋大輔、村元哉中、そして荒川静香、鈴木明子、村上らフィギュアスケーターの面々が続く。それぞれのステージ、その第一線で活躍するアーティストとアスリートの邂逅は最も華やかな瞬間だ。
ファンタジックで壮大な演奏に乗せて、フィギュアスケーターたちがしなやかに、身体全体を使った美しいパフォーマンスで魅せると、最後はスケーター、ダンサー、球体型の照明、プロジェクションマッピング、そのすべてがぴったりと合うなか、ラインダンスを展開する。そうしてオープニングアクトは幕を下ろした。