Official髭男dismは「Pretender」のカバーが目立つが、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』（TBS系）とともにヒットを記録した主題歌「I LOVE...」も、多くのアーティストに愛されてきた。たとえば、TWICEのNAYEONがYouTubeチャンネルでカバー音源を公開（※3）しているほか、Crystal Kayのカバーアルバム『I SING』にも収録（※4）されている。

　美しいメロディはバンドだけでなく、弾き語りや、Crystal Kayのようなしっとりしたアレンジでも聴き心地がよい。そして、タイトルの通り「I LOVE YOU」と言い切れないもどかしさ、切なさ、相手への愛おしさや感謝を歌ったこの曲は、恋愛に限らず“大切な相手”がいる人すべての胸を打つものだ。さまざまなアーティストにカバーされることによって、幅広い愛の形を歌う楽曲としてより進化しているように思う。

　2015年にNTTドコモのCMソングに起用されたことで世に広く知れ渡ったONE OK ROCKの「Wherever you are」も、これまで多くのアーティストによってカバーされてきた。難しい言葉はなく、相手に寄り添い遂げる想いがストレートに綴られた歌詞。普段は面と向かって言えない気持ちを音に乗せて伝える、そんな音楽ならではの良さが表れたような楽曲だ。原曲はTaka（Vo）のエモーショナルな歌声が胸を打つが、シンプルだからこそ豊かな感情表現が試されるため、アーティストにとっては“挑戦しがいのある曲”とも言えるのかもしれない。過去にはUru（※5）などが自身のYouTubeチャンネルで披露しているほか、冒頭で紹介したSuperflyの『Amazing』にも収録される。

　アーティストに愛される名曲たち。そこにはアーティストをも惹きつける、原曲の素晴らしさや歌詞のメッセージ性などがあるのだと思う。カバーを通して、これらの名曲は時を越えて歌い継がれていくことだろう。

※1：https://www.youtube.com/watch?v=Uh8Q6oqSAfI
※2：https://www.youtube.com/watch?v=cWmLTlXszrQ
※3：https://www.youtube.com/watch?v=e54YjIvHV8k
※4：https://www.universal-music.co.jp/crystal-kay/news/2021-02-12/
※5：https://www.youtube.com/watch?v=QtFlS9owuyE