BE:FIRST、音楽性の根幹にあるHIPHOPを歌いこなすセンス 新曲「GRIT」に寄せる期待

 5月28日に、BE:FIRSTが7thシングル『GRIT』をリリースする。5月26日には表題曲「GRIT」の先行配信、MVのプレミアム公開が決定しており、多くの注目を集めている。それに先駆けて、5月19日にはBE:FIRST公式YouTubeチャンネルに「GRIT」のティザー映像が公開された。

BE:FIRST / GRIT -Teaser-

 同曲は、トミー・リッチマンの楽曲「MILLION DOLLAR BABY」で米「Billboard」のメインチャート入りを果たしたプロデューサー・Kavi、『グラミー賞』受賞経験を持つ音楽プロデューサーでありシンガーソングライターのコルビー・オドニスを迎えており、BE:FIRSTの気合いも感じられる楽曲。そして、「2000年代HIPHOPを現代に昇華させたトラックに乗せて、これまでの成功の秘訣を言うならば不屈の精神である、と世界に向けて新たな一歩を宣言する自分達の今までとこれからを描いた、アグレッシブなHIPHOPチューン」(※1)とのことだ。

BE:FIRST / Boom Boom Back -Music Video-

 BE:FIRSTは「一定のジャンルに属さない」(※2)とメンバー自身が語っていたことがあったが、昨今ではHIPHOP色の強い楽曲をリリースすることが多い傾向にある。例えば、2023年2月に配信リリースした「Boom Boom Back」。同曲は「90’s フレイヴァー、2000年代ティーンズビート、そして現行のセンスがミックスされたハイブリッドなHIPHOPダンスナンバー」で、「BE:FIRSTの新章は既に始まっている」(※3)という言葉通り、同曲から一気にHIPHOP色の強い楽曲をメインに据えたフェーズに入っていった。

BE:FIRST / Mainstream -Music Video-

 4thシングル表題曲「Mainstream」は、Ryosuke “Dr.R” SakaiのミニマルでタイトなHIP HOPビートが印象的な楽曲だ。公式YouTubeチャンネルで公開されている「What's the "Mainstream"?? #01」の中で、SOTAが「僕たちにとって正統派だったかっこいい楽曲」、「幼い頃に受けた刺激」と同曲を語っていることからも、彼らのルーツである1990年代〜2010年代のHIPHOPの文脈を汲んでいる楽曲と言えそうだ。タイトルに反して、「メインストリーム(=主流)っぽくない楽曲」と動画内では評されていたが、今や同曲がBE:FIRSTの楽曲における1つの指標になっていると言っても過言ではない。

BE:FIRST / Masterplan -Music Video-

 そして、5thシングルの表題曲「Masterplan」。同曲は「Boom Boom Back」、「Mainstream」の続編という立ち位置で、「Ryosuke “Dr.R” Sakaiによるタイトでオリエンタルチックなビートに乗せ、これまで歩んで来た軌跡を全て必然のものとし、自分達のスタイルを築き上げたBE:FIRSTの音楽性の根幹を形成するHIPHOPチューン」(※4)。ここでかねてより打ち出してきた“MADE IN JAPAN”であることの強み、「デビューからの一連の流れは計画通りだった」というメッセージを打ち出し、さらなる未来への飛躍を想像させたのだ。それだけでなく、所属事務所のBMSGは同作品に「現代のCDビジネスに小さな一石を投じる」という意味も込め、プラスチックではなく紙ジャケットに変えたり、ランダムトレカなどのCD特典を廃止したり。BE:FIRSTがBMSG、ひいては日本の音楽シーンを牽引する存在ということを同作品で示した。

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