King & Princeがミッキーマウス公式テーマソングを歌う意味 リスペクトと自分らしさが光る2人のクリエイティブ
「What We Got 〜奇跡はきみと〜」では日本語訳詞にも関わっている二人だが、これまでのKing & Princeの音楽においてもクリエイターとしての才能を大いに発揮してきた。例えば、2ndアルバム『L&』では、永瀬はエレクトロサウンドが印象的な「No Limit Tonight」を、髙橋は日常感あふれる明るい楽曲「生活(仮)」を手がけ、それぞれの個性が滲む感性で楽しませてくれた。さらに、それぞれのソロ曲も聴きどころ満載。例えば、2023年発売のアルバム『ピース』には二人のソロ曲が初めて収録された。永瀬のソロ曲「きみいろ」は、永瀬自身も作詞に参加しており、彼の甘い歌声が奏でる直球のラブソングとしてファンから愛されている。髙橋は、自身が尊敬するクリープハイプの尾崎世界観に自ら楽曲制作をオファーするというアイデアで、アルバム全体の幅を広げてくれた。その楽曲「ワレワレハコイビトドウシダ」は、夏の情景が描かれたロックナンバーに仕上がっている。
他にも、2024年12月リリースのアルバム『Re:ERA』は二人のクリエイティブが発揮されるものとなっていた。同アルバムはグループ初のコンセプトアルバムであり、全16曲を通じてひとつの物語を描いた。
永瀬が手掛けたのは、事務所の同期で特に仲のいい友人でもあるなにわ男子の西畑大吾、Aぇ! groupの正門良規を誘い、3人が初めて出会った日である4月3日(しみ)にちなんで名付けられたという楽曲「染み」だ。
〈きっと誰も代わりになれやしない/まさに完璧に合うピースのよう〉〈憎たらしいけど好きなんや/「親友」より「心友」が似合う〉という歌詞は、聴く誰しもが自らの心情に置き換えることのできる余地がありながら、3人の関係性を知るファンからすれば深い絆を感じてならないエモーショナルなフレーズではないだろうか。ソロ曲という機会に“心友”たちとの作品を残したいと考えた永瀬の気持ちにも、あたたかさと仲間を愛する心を感じた作品だ。
髙橋は同アルバムにて1曲1曲にインスパイアされたキャラクターを書き下ろし、コンセプトアルバムとしてより強い世界観を持たせた。永瀬も2024年9月放送の『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送)で「誰が思いつくねん、こんなこと。うちの海人すごいんですよ」と大絶賛。楽曲制作とはまた違う方向からクリエイティブな一面を見せたのだ。
King & Princeがこれまで作り上げてきたものを振り返ると、「今自分にとって何をするのがベストなのか」「自分は何を表現したいのか」をそれぞれがきちんと理解し、そこにさまざまな人物を巻き込んで作品を作り上げていたことがよく分かる。つまり、King & Princeは、“誰かにプロデュースされるアイドル”という長年当たり前にあった枠にとらわれることなく、近年はいちミュージシャン、クリエイターとしても絶えず進化し続けてきたということだ。
そして今回、長年のファンとして幼い頃から親しんできたミッキーとのコラボを心から喜んでいる永瀬と髙橋。そんな2組の共通点は「お互い(友だち)をリスペクトしながらも自分らしくいること」だという。周囲の人々を大切にしながら、彼ららしく、今やりたい音楽、会いたい人、といった自分の気持ちに素直であり続けるまっすぐな二人だからこそ、たくさんの人に愛されるアイドルであり続けているのだろう。そう、いつもみんなの真ん中にいる、太陽のような〈ぼくらのクラブのリーダー〉であるミッキーマウスと、いつも私たちの心を明るく照らしてくれるKing & Princeは、本当によく似ているのだ。きっと新たに生まれたテーマソング「What We Got 〜奇跡はきみと〜」も、彼らのように、これから先ずっと愛される作品になるに違いない。
※1:https://www.disney.co.jp/fc/special/mickeyirl/wwg























