菊池風磨こそ真のアイドル? 『タイプロ』後の再評価、反発さえ乗り越えて叩き出す存在感
一方、菊池はバラエティなどさまざまな場面での立ち回りが上手すぎるがゆえ、“アイドルらしからぬ”というイメージがついているのも事実。特に『タイプロ』後は注目度の高さに比例するように、強めな言動や判断に対する視聴者からの反発も見られた。YouTubeチャンネル『よにのちゃんねる』の3月12日配信回「#404【アワード!!】なんか気付いたら2人になってた日」では、「マジでこの1カ月で、なにやっても叩かれる」と近況を明かし、「えーん」と“泣き”が入ったほど。
これは『タイプロ』で顕著に表れていたことだが、そのビジュアルには釣り合わない兄貴キャラであるため、いわゆるアイドル的なキラキラ感がやや薄めなところも、熱烈なファンとともに“アンチ”も生む要因になっているのだろう。
実際にインタビューでも菊池は、キュンキュンするような台詞を言うことが苦手だとし、「気の利いたキュンゼリフが出てこないのはアイドルやっていて致命的」と自己分析(※3)。加えて「ラブストーリーにおけるキュンなキャラクターや作為的な胸キュンって、やっぱり不自然の先にあるものだと思うので、その不安はあります。演じながら『これがキュンなのか?』という迷いは未だにあるし、自分としては正解がわからなくてモヤッとすることがあるんです」と、アイドルの武器として必要不可欠と言える“キュン”の正体が理解できないと語っていた(※4)。
菊池は、キラキラ感を放ったり、キュンキュンさせたりする甘めなキャラクターではないかもしれない。ただ、大いにワクワクさせてくれる唯一無二のアイドルであることには違いない。『タイプロ』での菊池の言葉、行動、そして何より情熱は、グループとして、そして個人としての今後に大きな期待を抱かせた。実際、菊池も「情熱の赴くままに勢いで突き進むのも好き」「新しいことに挑むワクワク感が原動力。静と動のバランスを大事にしています」とコメントしている(※5)。
たとえ否定的な意見を浴びようとも恐れず何事にも挑戦し、必ずそこで「菊池風磨」としての存在感を放つ。チャレンジ精神に満ちた八面六臂の活躍が人々を魅了し、もっともっとカリスマ性を身につけていくのではないだろうか。
※1:『anan』No. 2388
※2、4:『CUT』No. 474
※3:https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202410040000725.html
※5:『日経 WOMAN』2022年11月号