Snow Man・L'Arc~en~Ciel、丸山隆平・キタニタツヤ……思わぬハプニングから生まれるファンの交流

 また、SUPER BEAVERとsumikaもそうだ。2023年11月5日に神奈川・横浜アリーナで行なわれた『バズリズム LIVE 2023』では、sumikaが片岡健太(Vo)の喉の不調を受けて出演をキャンセル。代わりに、もともと同日に出演予定だったSUPER BEAVERがロングセットでライブを行なった。SUPER BEAVERの渋谷龍太(Vo)が自身のXアカウントで「sumikaはsumikaにしか務まらないからね。代役っていうのは無理、代わりなんていないから」とsumikaに対するリスペクト、そして観客を楽しませる約束を発信。sumikaのメンバーをはじめ、SUPER BEAVERファン、sumikaファンから多くのコメントが寄せられた。

 というのも、その約3カ月前となる8月5日に行なわれた『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』では、逆に渋谷の喉の不調を受けてSUPER BEAVERが出演をキャンセル。この時に、sumikaが代打を引き受けたのだ。その際に片岡は自身のXアカウントで「ぶーやん(渋谷)の代わりにも、ビーバーの代わりにもなれませんが、らしく最高火力でライブやります」と投稿。そこに両ファンから感謝や激励、感動の声が寄せられたのはもちろん、渋谷自身からも「俺らの代わりのsumikaの時間じゃなくて、sumikaの時間をよろしくお願いします。この恩義は絶対忘れない」というコメントを投稿したのだ。こうして支え合うアーティストたちのやり取りを見て、両ファンの中にも互いへのリスペクトが流れた、というわけである。

 ステージを楽しみにしていたファンにとって、出演の変更はショックであるはず。その中で、ともすればこうしたケースは批判的な意見が出る可能性もあるが、温かな声が多いのはアーティストたちの人柄や情熱がオーディエンスに伝わっているからだろう。そして、そんな魅力的なアーティストが奏でる音楽は間違いなく聴く人の心を掴むもの。こうして素晴らしいアーティストの輪がより一層広がっていくのは、SNSがもたらした大きなメリットの一つなのかもしれない。

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