僕が見たかった青空「恋は倍速」

　2023年のデビュー以来、着実に認知を広げている僕が見たかった青空。昨年3枚のシングルを発表したが、憂いを帯びた表情から高難度のダンスまで、表現力にも磨きがかかってきた。そんな僕青にとって2025年初のシングルが『恋は倍速』。疾走感に満ちた青春賛歌で、躍動感あふれるサウンドと瑞々しい歌詞が交差し、青春の煌めきを閉じ込めた一曲となっている。リスナーの心を掴む爽快なメロディラインに加え、少しばかり挑戦的なボーカルが高揚感をもたらしてくれる。まだライブで披露する機会はないが、必ずやライブを盛り上げてくれるアクセントになってくれそうだ。昨今のトレンドに左右されることなく、僕青らしさを追求し続ける彼女たちが次なるトレンドを生み出していく。

ロージークロニクル『へいらっしゃい!～ニッポンで会いましょう～/ウブとズル』

　2024年にハロプロ研修生のメンバーで結成されたロージークロニクルが、デビューシングル『へいらっしゃい！～ニッポンで会いましょう～/ウブとズル』をリリース。「へいらっしゃい！～ニッポンで会いましょう～」は和のエッセンスを取り入れた賑やかで異国情緒あふれる楽曲で、日本文化の魅力をユニークな視点から表現。星部ショウらしいユニークなサウンド、メンバーの力強い無邪気なボーカルが混ざり合う、個性的な一曲に。一方、「ウブとズル」は、恋愛の駆け引きをテーマにした楽曲で官能的なリリックが対照的。サウンド面ではリスナーを飽きさせないアレンジが施されており、ロージークロニクルの個性が光る仕上がりだ。

FES☆TIVE「♯素敵なソラシド」

　昨年10月に初期メンバーだった青葉ひなりが卒業し、新体制となったFES☆TIVEのニューシングル『♯素敵なソラシド』。FES☆TIVEイズムを継承した明るさと躍動感を兼ね備えたハイエナジーな一曲で、ドレミの音階に始まるノリの良いビートと爽快なメロディが特徴で、聴く者に一気に幸福感をもたらす。ライブ映えする楽曲であり、観客との一体感を生み出す構成になっている。時代が移り変わってもなお、自らのスタンスを崩さずに、FES☆TIVEらしいエンターテインメント性を追求し続ける姿勢が、この楽曲にも色濃く反映されている。新体制となった今、彼女たちはさらなる進化を遂げながらも、グループの核となる“お祭り系アイドル”としての魅力をしっかりと守り続けていくことだろう。

　2025年のアイドルシーンは、多彩な個性がぶつかり合いながら新たな潮流を生み出していく予感がする。=LOVEの王道アイドルソング、FRUITS ZIPPERのメロウなナンバー、僕が見たかった青空の瑞々しい青春ソング、ロージークロニクルのユニークな表現、そしてFES☆TIVEのエネルギッシュな楽曲。それぞれが異なるアプローチを持ちながらも、確固たるアイドル像を築いていることがわかる。これらの新譜がシーンにどのような影響を与えるのか、2025年の展開から目が離せない。