ISSEI、HIPHOPに見た野望と夢「とにかく今は前に進むしかない」 AK-69との共鳴、そして進む道を語る
AK-69への直談判、「Flying B」とのシンパシー
――ISSEI名義で一発目となる「Go Getter feat. AK-69」は、AKさんに自ら楽曲制作をお願いしたそうですね。
ISSEI:『AK-69 LIVE TOUR 2024 -Enlightenment-』に2回行ったんです。2回目に行った際に、初めてAK-69さんにご挨拶させていただいて。その時に、いきなりすぎですけど、「曲を書いてください」と直談判したんです。そしたらOKしてくださって、「まさか!」と思いました。
――熱意が伝わったんでしょうね。
ISSEI:本当にファンだということと、ここからHIPHOPをやっていくんだという気持ちがAK-69さんに伝わったみたいで、それがうれしかったですね。最初はどこまでAK-69さんがやってくださるかわからなかったんです。そしたら楽曲も提供していただけるし、フィーチャリングでも参加してくださるし、ディレクションもしていただけるし、MVにも出てくださるし、みたいな(笑)。マジでびっくりしました。
――楽曲の方向性に関してはどのように伝えたんですか?
ISSEI:AK-69さんの「Flying B」をリファレンスにしてくださいと伝えました。僕がAK-69さんと出会った曲だし、今の僕の状況ともめちゃくちゃ重なる曲なので。そうしたら、最初のピアノが入ってくるところは「Flying B」の冒頭とも重なったし、トラックも「Flying B」を手掛けたRIMAZIさんが作ってくださったので激アツでした。「うわ、RIMAZIさんだ!」って。
――「Flying B」は、AKさんが自らの事務所を旗揚げしたタイミングで作った曲でした。
ISSEI:そうなんですよ。自分も新たな環境でのスタートだし、ここから意地でも這い上がっていくぞという強さを見せたかったんです。人生は一度きりだから絶対に後悔は残したくない。自分が決めたことには絶対挑戦して、結果がどうあれ悔いは残さないというのが自分のマインドにあるんです。そういう思いを込めた曲だから、何かを決断する時に後押しできるような曲になったんじゃないかと思います。「Go Getter」を聴いてくださる方にパワーや勇気を与えたいんですよね。
――リリックを最初に読んだ時の印象は?
ISSEI:結構ハードに書いてくださって、めっちゃ刺さりました。自分の思いと重なりまくったんですよね。〈売らねぇのはハートと媚〉とかも、僕は昔から媚を売るのが好きじゃないんです。「なんで俺のことを知ってるのかな?」っていうくらい僕にぴったり。リリックはまさに今の自分だったから、これも何かの縁というか、「もうヤバすぎる!」って思いました。
――レコーディングはどうでしたか?
ISSEI:ところどころにAK-69さんの歌い回しが入っていて、そのニュアンスをとらえるのが難しかったです。楽曲提供していただく前からAK-69さんの曲でずっと練習していて、いざ楽曲をいただいてからもレコーディングまで毎日めっちゃ聴いてたんです。社長にも「1万回は聴いておいてね」と言われて。さすがにまだ1万回はいけてないですけど(笑)。
――自分のスタイルを見つけるには、そのさじ加減が難しいですよね。AKさんのコピーになっちゃうのは違うわけで。
ISSEI:そうなんですよ。でも、いちばんわかりやすく違うのは発声。今回は重心を落として低めに狙ったので、今までにはない発声になってますね。
――2ヴァース目にAKさんをフィーチャリングで迎えたのもアツい展開ですね。
ISSEI:アツすぎますよね。楽曲ができあがったあと、AK-69さんに「めっちゃよすぎるから(ヴァースを)俺にちょうだい」って言われたんですけど、「昔の自分を思い出す」ともおっしゃっていて。「熱い気持ちに戻った」と言っていただけたのが嬉しかったです。ヤバい一曲をもらってしまった、って。
――アウトロにはAKさんからのメッセージも入ってます。
ISSEI:実は最初、アウトロは空いてたんです。制作の終盤でいきなりAK-69さんが入れてくださって。ここも今の自分に重なるし、アウトロで「ISSEI」ってシャウトアウトされた瞬間、痺れました。家で聴いてて普通に声出ちゃいましたもん。「俺、名前呼ばれてる!」って(笑)。
自ら紡ぐリリックへのこだわり
――2月28日には「Go Getter」を含むシングルCDもリリースされます。カップリング曲はどんな内容になっていますか?
ISSEI:「BACK DOWN」は自分でリリックを書きました。自ら作ったこともあって、制作にいちばん時間がかかりました。
――どんなテーマで書いたんですか?
ISSEI:環境を変えて、これからどうなっていきたいかを書いていて。フックはキャッチーにしたいと思って〈言葉の爆弾〉というワードを入れました。自分が吐いてるこのヴァースが全部爆弾なんだという意味と、「BACK DOWN」と〈爆弾〉で掛けたんです。あと、この曲は途中でいきなりビートチェンジするんです。「違う曲になった?」「なんだこれ?」っていう瞬間が一瞬できるような面白いトラックになっていて。そこは高速でラップをして、韻も固めにしたので、ぜひ聴いてもらいたいです。
――ほかの3曲は歌寄りですか?
ISSEI:「SIREN」はダンスミュージックで、ひとりで3、4役くらいやらないといけないような、めちゃくちゃ大変な曲。今回の5曲でいちばんレコーディングに時間をかけました。高音のパートがあったり、低い音域もあったり、もちろんラップパートもあったり、展開が多い曲だからライブでも絶対盛り上がるだろうなっていう曲です。
――「CRAZY」は?
ISSEI:トラックはHIPHOPなんですけど、5曲のなかでいちばん爽やか。わかりやすく言うと、ライブではトロッコに乗っているような、明るくてポップな曲です。もうひとつの「GOTCHA」はR&B寄りだから、今まで自分があまり歌ったことのない曲。クリス・ブラウンをイメージして作ってもらったんです。
――ということはダンスも映える曲?
ISSEI:そうですね。音ハメができるようなビートも途中に入っていて、結構セクシーな感じです。フックはキャッチーだけど、「GOTCHA」はすごくエロいんです(笑)。歌だけじゃなくてラップパートもあるから、両方のよさが入ってる曲ですね。今回の5曲は振り幅があるから、いろんな面を楽しんでもらえるシングルになってるんじゃないかなと思います。