リアルサウンド連載「From Editors」第91回:参考にならないのについつい見てしまうお料理YouTubeショート

 「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。

参考にならないのについつい見てしまうお料理YouTubeショート

 去年から自炊を本格的に始めたのですが、自分で料理を頑張る上で参考になるのがお料理YouTuberの動画です。平日の仕事帰りでも作れる簡単なものから、休日に作りたい凝った料理まで、本で見るよりもわかりやすく、お話も面白いので動画を見ながら料理するのも楽しいです。

 YouTubeで日々お料理動画を見ているので、YouTubeショートのタイムラインもほとんどが料理の動画になっている私のGoogleアカウント。不思議なことに、YouTubeショートは全く参考にならないものが多いのですが、だからこそずっと見ていられる面白さがあります。

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 例えば、ツナの頭をしているツナボーイさん。もともと高級ホテルで働いていた経験を活かして高級食材を使った料理などを動画で紹介しているのですが、畳み込むように入れ込まれるミームや独特のリズム感がクセになります。何かを濾す時に使う「パッセ」とセットで使われる「(めん)どくせ」がなんか好きで、私も何かを濾す時に「パッセ」「どくせ」と心の中で言っています。

 保育園管理栄養士で、給食のメニューを家庭で再現する方法を教えてくれるあおいさんもよくショート動画を見る1人です。作業する時にカメラに微笑みかけながら作業をしてくれるのですが、やさしい口調も相まって、どこか狂気を感じる映像になっているのが面白いです。コメント欄を見ていると、料理を参考にしている人の声も多いのですが、作業中の目線についてのコメントも多く、私と同じようにクセになっている人も多いように感じます。

 お料理YouTuberとは違うかもしれませんが、自炊をしているフリーターのバシャウマさんもよく見ています。バシャウマさんは紅生姜90%のたこ焼きや、揚げ出し豆腐で麻婆炒飯を作ったりと「確かにそんなメニューがあったらいいなぁ」というようなメニューに挑戦し続けています。面白いのが、この動画は失敗することが多いこと。失敗したものを悲しそうな顔で食べる様子がなんだか面白く、独特な語彙で語られる食レポはまとめて一気に見てしまう味があります。

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