立花ハジメ×野宮真貴×高木完、PLASTICSが先駆した時代とカルチャー 「日本におけるSex Pistolsみたいな存在だった」
「衰え知らずの好奇心と行動力は僕らも見習わないと」(高木)
――立花ハジメさんがソロで活動を始めた1982年以降は、それぞれが自分たちのスタイルで音楽を追求していた時代だったわけですね。
野宮:1982年に私はポータブル・ロックで活動を始めて、完ちゃんがいた東京ブラボーと対バンをしたこともあったし、その頃のバンドはどこかでみんな繋がっていた気がする。
高木:そうだね。渋谷のセンター街にあった「ナイロン100%」が溜まり場だった。
立花:「ナイロン100%」はPLASTICSでライブをやったことがあるよ。
高木:「ナイロン100%」と「屋根裏」で渋谷ツアーと称していた頃ですよね(笑)。僕や真貴ちゃんは、PLASTICSチルドレンと言えるよね。すぐにチルドレンが生まれちゃうのが80年代の特徴だったし(笑)。
野宮:ニューウェイヴ時代はたくさんのバンドが生まれましたよね。8 1/2、FILMS、シネマ……。
高木:その中から、突き抜けたのがハジメさんと同じく1982年にYENレーベルからデビューしたゲルニカだった。YENレーベルは僕らにはストリートのエリートコースに見えた。口に出しては言わなかったけど、内心羨ましかった。
野宮:私も(笑)。
高木:僕にとってはYENレーベルの印象を決定づけたのは、立花ハジメ、ゲルニカ、細野晴臣の『フィルハーモニー』だったな。
立花:僕の『H』と『Hm』のプロデュースは幸宏、ゲルニカは細野さんがプロデュースだったんだよね。YENレーベルは面白い才能が集まっていた。
高木:その一方、俊ちゃん、チカちゃんはMELON、WATER MELON GROUPを結成して、原宿のクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」を本拠地に活動を始めて、僕はそこで今回のハジメさんのリリース記念ライブにゲストで出るヤン(冨田)さんと知り合うんだけど。
立花:僕はソロや幸宏のツアーに参加したり、舞台美術を手がけていたりしたから、「ピテカン」とは少し距離があったかな。
高木:ハジメさんは映像を駆使した「FUJI AV LIVE」とか、ダンス養成ギプスの導入とか、画期的なライブを展開していましたもんね。
立花:そうだね。当時、ステージ上にたくさんのモニターを積み上げてライブをやるのは珍しかったからね。
高木:ハジメさんがスゴいのは、グラフィックデザイナーとしても「ADC Awards」最高賞を受賞したり、音楽とデザインを両立させながら活動を続けていること。そんな人は世界的に見ても他にいないでしょ。
野宮:唯一無二ですよね。ハジメさんがデザインを志したのは?
立花:最初は中学生のときにヴィクトル・ヴァザルリに興味を持ったのがきっかけだったかな。その後、イラストレーター/グラフィックデザイナーのみならず、映画にも出演していた横尾忠則さんの存在を知ったのが大きかった。のちに僕も音楽やデザインをやりつつ、映画『ラスト・エンペラー』に出ることになったんだけどね。
高木:なるほど。それは納得。
――1月22日に渋谷クラブクアトロで開催される立花ハジメ&Hm 立花ハジメとLow Powers〈Lost New Wave 100% Vol.2 ハジメヨケレバスベテヨシ〉にはゲストにヤン富田、小山田圭吾、eriがアナウンスされていますね。
立花:今回は立花ハジメ&Hmと 立花ハジメとLow Powersの2バンドに、僕とトミヤン(ヤン冨田)のコーナーや、小山田くんもゲストで出演してくれることになって、ちょっとレアな曲もやろうかと思っています。
高木:僕はアルバムの監修と選曲に続いて、今回の東京と大阪で開催されるライブのディレクターってところなんだけど、ヤンさんとハジメさんは90年代に「ビデオドラッグ」を一緒に手がけているし、小山田くんは僕と今回のアルバムの選曲とリミックスをしているという縁もあり、ライブもすごく面白くなりそうな気がする。
――3月7日と8日に東京、3月14日に大阪のビルボードライブで開催される『野宮真貴 Birthday Live 2025 ~ニュー・ウェイヴを歌う~』にも立花ハジメさんはゲスト出演されますが、こちらはどういう内容に?
野宮:バースデイライブは毎年自分のやりたいことをやろうと思って、今年はハジメさんをゲストにお迎えして、ニューウェイヴをテーマにしたセットリストでお届けしたいと考えています。東京公演には小山田圭吾くんもゲスト出演してくれるので、渋谷系と呼ばれる前の“ニュー・ウェイヴの野宮真貴”を楽しんでもらえたらと思っています。
高木:選曲が楽しみだね。真貴ちゃんとのステージは華やかになりそう。
野宮:憧れのハジメさんと一緒にステージに立つのもすごく楽しみなんですが、この機会に、ハジメさんがいかに素晴らしい才人かということを伝えたいという思いも強いですね。
高木:だって、ハジメさん、この『hajimeht』のジャケット撮影のためにスキューバダイビングをしにドバイまで行っちゃうんですよ!
野宮:そこがカッコイイ。誰も真似ができない。
立花:いや、ドバイが今は世界一だっていうからさ。ジャケットは水深60メートルの世界一深いダイビングプールとアブダビの砂漠で撮影しました。
高木:そのハジメさんの衰え知らずの好奇心と行動力たるや! 後輩の僕らも見習わないとね。
■リリース情報
立花ハジメ『hajimeht』
[完全生産限定盤]
CD : MHCL-31034~6(2枚組) ¥6,600(税込)
高品質Blu-spec CD2 17cmサイズ紙ジャケット仕様
[通常盤]
CD : MHCL-31037~8(2枚組) ¥4,400(税込)
高品質Blu-spec CD2 プラケース仕様
DISC 1
H (THEME FROM CLUB FOOT)
ROBIN’S EYE VIEW OF CONVERSATION
THE BASSMAN FROM LDK
PIANO PILLOWS
ALPS
GUITAR GENIUS
1-6 from album “H” (1982)
THEME FROM “Hm”
PIANO PILLOWS GOING ABSTRACT
LIQUID
ARRANGEMENT
YORU NO TOKKIBUTSU
AB1013
THEME FROM “NIHON NO SUGAO”
7-13 from album “Hm” (1983)
THEME FROM BARRICADE
MA TICARICA
LUNCHTIME DAPANPIS
MR. TECHIE & MISS KIPPLE
14-17 from album “MR. TECHIE & MISS KIPPLE” (1984)
ROCK (NEW RECORDING)
from album “YEN卒業記念アルバム/V.A.” (1985)
TAIYO・SUN
MODERN THINGS
XP41
19-21 from album “TAIYO・SUN” (1985)
FLASH*
DISC 2
CHICKEN CONSOMMÉ
HOGONOMO (FOR GO NO MORE)
1, 2 from album “TAIYO・SUN” (1985)
THE GIRL FROM IPANEMA (FROM LIVE TAIYO-SUN)
from 12inch single “HAPPY” (1986)
BEAUTY
HAPPY
4, 5 from album “BEAUTY & HAPPY” (1987)
THEME FROM FUJI AV LIVE
from 12inch single "HAPPY" (1986)
BQ
from album “BEAUTY & HAPPY” (1987)
BAMBI (Fashion Photogragh Mix)
TAMIL MUSIC (King)
TAMIL MUSIC (Bambi)
TAMIL MUSIC (Drive)
TAMIL MUSIC (I want to dance)
8-12 from album “BAMBI” (1991)
永遠のアイドル
from album “Low Power” (1997)
Low Power 16/立花ハジメとLow Powers
真摯/立花ハジメとLow Powers
Sleeper/立花ハジメとLow Powers
泣いてどうなる!?/立花ハジメとLow Powers
14-17 from album “Low Powers” (1997)
UP DATE/THE CHILL
from album “THE CHILL” (2007)
MAX’S KANSAS CITY
COMING INTO LOS ANGELES
19, 20 from album “Monaco” (2013)
MA TICARICA (2025 Remix)*
[BONUS TRACK]完全生産限定盤のみ
永遠のアイドル(Cover)*/Paulo Nagao
*初商品化音源
詳細:https://www.110107.com/s/oto/page/hajimeht
■ライブ情報
『Lost New Wave 100% Vol.2 ハジメヨケレバスベテヨシ』
2025年1月22日(水)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
<出演者>
立花ハジメ&Hm / 立花ハジメとLow Powers
ゲスト:ヤン富田 / 小山田圭吾 / eri
『野宮真貴 Birthday Live 2025 ~ニュー・ウェイヴを歌う~』
【ビルボードライブ東京】(1日2回公演)
2025/3/7(金)
1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
2025/3/8(土)
1stステージ 開場15:00 開演16:00 / 2ndステージ 開場18:00 開演19:00
Guest 立花ハジメ、 小山田圭吾
▼東京
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20319
【ビルボードライブ大阪】(1日2回公演)
2025/3/14(金)
1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
Guest 立花ハジメ
▼大阪
https://www.billboard-live.com/osaka/show?event_id=ev-20320