日向坂46からおひさまへの最高のプレゼント “約束の彼の地”東京ドーム公演を振り返って

日向坂46東京ドーム公演レポ

 ライブ後半は佐々木久美の煽りが冴え渡る「誰よりも高く跳べ!2020」、髙橋による見応えある剣舞が見どころの「錆つかない剣を持て!」など勢いのある楽曲を連発する。最後は最新シングル「絶対的第六感」で爆発力のあるステージを展開し、最高潮の中ライブは終了。エンディングでは正源司がベッドの中からウィンクをする場面もあり、過去のクリスマスライブを踏襲した演出も忘れていない。初心を振り返りながらも、四期生を含む今の布陣で現在進行形の日向坂46を最良の形で見せつけてくれた。

 本公演でもうひとつ忘れてはならないのが、冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)とのコラボ企画。ライブ本編ではMCに代わってメンバー主導によるバラエティ企画が用意され、観る者を大いに爆笑させてくれた。アンコールではツアーを通して実施してきたゲームの決勝戦が実施され、スペシャルゲストとしての『日向坂で会いましょう』のMCであるオードリーも登場。中でも若林正恭の出演はメンバーにも知らされていなかったサプライズで、番組視聴者にはたまらないネタの数々で観る者を楽しませ続けた。テレビ的な要素をライブで見せるには難しさも伴うが、そこは百戦錬磨のオードリーと、彼らを心の底から信頼する日向坂46のこと。見事な連携でリアルタイムバラエティーショーを完遂してみせた。この公演中にも発せられたが、番組中に若林が何度も口にしてきた「テレビやろうぜ!」の真髄をここで目の当たりにできたのではないだろうか。

 アンコールのラストでは再び丹生、濱岸、加藤を呼び込み、日向坂46の原点でもある「キュン」を全員でパフォーマンス。限られた曲数かもしれないが、1年前にキャプテンが宣言した「四期生を含む今のメンバーで、もう一度東京ドームに立つ」という目標を見事に達成させてライブを終えた。

 さらにこの日は「ここからが本当のリスタート」というスクリーンのテロップに続いて、ダブルアンコールとして1月29日リリースの13thシングル表題曲「卒業写真だけが知ってる」をライブ初披露。グループとしての「これまで」と「これから」をつなぐことになるこの曲では、久しぶりにセンターを務める小坂の貫禄はもちろん、ここ2作でセンターやフロントを経験したことで実力を付けた正源司や藤嶌の存在感など、各メンバーからみなぎる自信が至る場面から伝わってきた。単に2024年の集大成というだけでなく、終演後スクリーンに表示された「ここから、はじまる。行こう。いっしょに。」のメッセージ同様、今後への期待を高める要素が随所に散りばめられた本公演は、ここからもさらに戦い続けていくグループの覚悟を伝えるものだったのではないだろうか……新曲「卒業写真だけが知ってる」で歌い踊るメンバーの姿を目にして、筆者は強く実感した。

 叶えられた夢、叶えられなかった目標がさまざまある中で、最後にグループとして掲げるもっとも大きな夢を実現させた2024年の日向坂46。先にも述べたように、このあとには五期生の加入が控えており、まだまだグループとしての過渡期は続きそうだ。しかし、原点を見つめ直して自分たちの強みを遺憾なく発揮させたドーム公演をはじめ、2024年に積み重ねた経験は、将来的にグループをさらに強固なものへと成長させるために絶対に必要なもの。どうか心折れることなく戦い続け、2025年には我々の想像を絶するような澄み渡る快晴のもと、笑顔とハッピーオーラーに満ち溢れた姿を見せてほしい。約束の東京ドーム公演を見終えたあとだからこそ、よりそう思わずにはいられない。

※1:https://realsound.jp/2023/12/post-1525650.html
※2:https://realsound.jp/2022/04/post-1000017.html
※3:https://realsound.jp/2020/12/post-682765.html

25日公演「加藤史帆 卒業セレモニー」のライブ写真

2025-0109-hinata-26
2025-0109-hinata-27
2025-0109-hinata-28
2025-0109-hinata-29
2025-0109-hinata-30
2025-0109-hinata-31
2025-0109-hinata-32
2025-0109-hinata-33
2025-0109-hinata-35
2025-0109-hinata-37
previous arrow
next arrow
2025-0109-hinata-26
2025-0109-hinata-27
2025-0109-hinata-28
2025-0109-hinata-29
2025-0109-hinata-30
2025-0109-hinata-31
2025-0109-hinata-32
2025-0109-hinata-33
2025-0109-hinata-35
2025-0109-hinata-37
previous arrow
next arrow

乃木坂46・櫻坂46・日向坂46、大忙しの年末年始を振り返る 2025年はさらに激動の一年に?

毎年、年末年始はアイドルにとって大忙しの期間だが、2024年から2025年にかけても多くの坂道メンバーが活躍した。毎年恒例の音楽…

乃木坂46・櫻坂46・日向坂46、グループを形作る三者三様のキャプテン&副キャプテン像

2024年も大きな変化があった坂道グループ。そのひとつが、乃木坂46の副キャプテンに菅原咲月、日向坂46の副キャプテンに髙橋未来…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる