ストリーミングシフト、推し活とチャートハック……“持続可能な音楽業界”を考えたSKY-HI×磯﨑誠二氏のトークセッション
BE:FIRSTはじめ数々の人気タレントを擁する芸能事務所のトップであり、自身も多くのファンを抱えるSKY-HIが、ファンダムにより左右される様々な“数字”について議論する中で印象に残ったのは、「白と黒ではなく、グレーの中でも限りなく白に近づけていきたい」という言葉。あらゆる物事にはメリット・デメリットが存在し、関わる立場によってその見方も変わっていく。初めからすべてを達成することは難しくても、できるところから代替可能な取り組みにシフトしたり、周囲と調和しながら変革を起こそうと奮闘するSKY-HIの姿勢こそが、“持続可能な音楽業界”を目指す上で欠かせないものであると感じた。
新たなヒットの方程式になりつつある「アニメ×TikTok×グローバル」や海外アーティストとのコラボレーションの話題など、海外展開にも大きな意欲を見せたSKY-HI。「(海外展開は)沈みがちな日本の経済状況をひっくり返せるチャンスかなと思ってますし、ファンを作るのはエンターテインメントの18番だと思うので、エンターテインメントは日本の経済を救うと本気で思っていたりする」といった頼もしい言葉も聞くことができた。才能あるアーティストが発見されやすくなり、旧譜が新譜のように脚光を浴びることも珍しくなくなり、海外アーティストとのコラボレーションのハードルが下がり、インディペンデントアーティストのマネタイズにも貢献する……ストリーミングシフトは、間違いなく“持続可能な音楽業界”における重要なファクターの一つである。2025年5月には音楽業界主要5団体による音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN』の開催も控えている。業界全体が一丸となる機会が増えることで、未来に向けた仕組みづくりの議論も活性化していくことを願いたい。
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