三代目 J SOUL BROTHERS、新アルバムの二面性 新しい風を感じて改めて見せる強みとは

「Baby don't cry」で感じる“三代目の強み”
――また、「BLAZE」と対照的な楽曲として先行配信されたのが、GeGさんプロデュースのミディアムラブソング「Baby don't cry」。この曲が完成した時はどんなことを感じましたか?
岩田:素直に「すごくカッコいいな」って思いましたし、個人的には「三代目はやっぱり、こういう曲調をやったほうがいいんだな」って感じました。今って、ものすごくたくさんボーイズグループがいるから、ダンスナンバーを作る時に個性を出しづらいんですよ。そういう背景を考えると、三代目の強みはやっぱりバラードだって思いました。デビュー当時は、HIROさんがプロデュースしてくださっていたこともあって、ラブバラードが多かったんですよね。でも、その後「R.Y.U.S.E.I.」と出会って、EDM期がバーッと来て、三代目=EDMのイメージが定着して。恐らく、そこで僕らの曲を聴かなくなってしまった人もいらっしゃると思うんです。「Baby don't cry」は、そんな方にこそ聴いてほしいですね。“あなたの好きな三代目”が帰ってきました!
岩田:(手をヒラヒラさせながら)ただいま! ……そんな楽曲です(笑)。
一同:あはははは!
――今市さんがデモを聴いた時の印象は?
今市:GeGは普段、変態紳士クラブっていうグループをプロデュースでも活動しているだけあって、すごくキャッチーメイカーなんですよね。だから僕も、この曲のデモを聴いた時にすぐ好きになりました。歌詞の世界観的には悲しい別れの曲で、曲が終わると同時に2人が離れていくっていうストーリーなんですけど。でも後半に向かうにつれて、ストリングスが入ってきたりして、なんか前向きな気持ちになれるんですよ。ちょっと背中を押してくれるというか。それが自分的にはすごく好きで、素晴らしい曲だなって思いました。ポップスを今の時代に落とし込んだ楽曲でもあるので、懐かしいって感じてくださる方もいると思うし、たくさんの人に届けばいいなと思っています。
――先ほど「あえて今までご一緒したことのないクリエイターさんにいっぱい参加してもらった」という話がありましたが、そもそもGeGさんとはどういう繋がりで出会ったんですか?
ØMI:アルバムを作るにあたって、ボーカルとレーベルスタッフで話し合った時に、そのスタッフから「全曲プロデューサーを立てたらいいんじゃないですか?」っていう案をもらったんですよね。で、僕らも「いつも通りのチームで作っていても、新しいものは生まれにくいだろうし、仕組み自体を変えたほうがいいだろうな」と思っていたので、「ぜひ!」とお願いして、プロデューサーのみなさんを紹介していただきました。GeGさんもその中のおひとりですね。
(プロデューサー一覧を見ながら)このプロデューサー陣が1枚のアルバムのために集まるって、滅多にないことだと思います。プロデューサーのみなさんも、レコーディング現場でおっしゃっていましたね。同じ界隈だけど直接関わったことはないっていう方々が揃ったので、「この方(他のプロデューサー)、どんな感じでやってるんですか?」って聞かれたりして(笑)。
――GeGさんとの制作は、どんな感じだったんですか?
ØMI:GeGさんはすごくフレキシブルな方で、スタジオで僕らが歌ったら、その歌に合わせてトラックをバンバン変えてくださったりしましたね。
小林:それ、何パターンくらいあるの?
ØMI:20通りくらい。全部良かったから、いつかリミックスバージョンも出せたらいいなと思っていて。あと、「Baby don't cry」以外にも自作の曲を聴かせてくれて、それも全部良い曲だったから「これ、三代目にください」って言ったりとか(笑)。この出会いを機に、引き続きご一緒できたらいいなと思っています。
――「Baby don't cry」は、メンバーのリップシーンのみで構成されたコンセプトビデオも公開されています。
岩田:全員でリップシーンを撮るっていうのは、今までになかったことなので新鮮でしたね。これも「BLAZE」と同じく、YUANNさんが監督してくださって。僕らがやってることは至ってシンプルなんですけど、無駄を削ぎ落しているぶん、表情や質感で魅せるのが難しかったなと。でも、すごくオシャレに仕上げていただきました。
――ダンスに関しては、どんなこだわりがあるのでしょうか。
NAOTO:この14年、ボーカルも一緒に踊ったりとか、新しいダンスのスタイルを取り入れるとか、複雑なフォーメーションで見せるとか、いろいろな表現をやってきたんですけど。さっき岩ちゃんも言ったように、「Baby don't cry」は原点回帰的な曲でもあるので、デビュー当時の僕らがやっていたような、ツインボーカルをしっかりと立たせて、ボーカルとパフォーマーがそれぞれ歌とダンスに集中するっていうパフォーマンスにしましたね。ただ、当時っぽいんですけど、当時のままではないのがミソかなと。曲調が、三代目の王道のミドルバラードっぽさもありつつ、今っぽさもあるっていう仕上がりなので、パフォーマンスもそうありたいなと思っています。